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（裏アサ芸 人馬往来）
（佐賀競馬場のパドック）
テレビ。阪神大賞典。ナリタトップロードが勝つ。レコード勝ち。史上最高の着差､８馬身。一年半ぶりの復活。鞍上に渡辺。獨走状態に入ったとき目頭が熱くなった。渡辺に､ぜったいトップロードは復活する､大丈夫だと言い自信を与えたのは的場だったと思いだし，今度は胸が熱くなる。オペラオーのライバル､完全復活だ。
競馬場。日経賞。４角で一瞬脚いろが怪しくなったときは､やはりあの体型で２５００は長いかと思ったが､これぞまさに杞憂。直線に向いたらアッサリと先頭に立ち､ゴール前は押さえるほどの餘裕。メイショウドトウ。ＧⅡではモノが違うところを見せた。これで（開放以後）外国産馬初の春天出走が可能になった。距離的にも勝負は宝塚記念だろうが､ＧⅠ５度目の正直に挑む。
そして今週は真打ち登場。大阪杯。テイエムオペラオー。挑むのは関東のアメリカンボス。ＧⅡを連勝中である。長いところならともかく２０００だからおもしろい。年下の二冠馬エアシャカールは蛯名騎乗で臨む。皐月賞馬対決だ。ダービー馬アグネスフライトも行く。アドマイヤボスがメイショウオウドウがロードクロノスがいる。あ､スエヒロコマンダーもね。好きなんです､この馬。これはもうＧⅠだ。しかもオペラオーに死角のあるＧⅠだ。たまりません。
皐月賞馬といえば､心の中で待ち焦がれるセイウンスカイ。完全復活のその日。
トロットスターが高松宮記念で強い勝ち方をする。意外にもこの世代で短距離ＧⅠは初の制覇になる。世代交代と言うには多少薹（とう）が立った感じもするがニューヒーローの誕生はいつでもうれしい。いつまでもブラックホークやダイタクヤマトでもあるまい。とはいえダイタクは一線級となってはまだ新人である。まだまだがんばってほしい。決戦は秋だ。アグネスデジタルの復帰はいつか。
いやはや毎日杯のクロフネの強いこと。まったくねえ､強い馬の強いレースを見るほど競馬の楽しみはない。もったままちぎってゆく。四位のコメントもいい。
｢ぼくはつかまっていただけです｣
ＮＨＫマイルからダービーを目指すという。圧勝して登場してきてほしいものだ。
馬主は金子真人さんである。金子さんが｢黒船｣と名つけ､意気込んだにしては馴染みのない血統だ。安馬なのか？ この種の話にはうといので詳しい人に聞いたら､トレーニングセールで買われたのだという。走りっぷりを確認してから買われた馬だから､安馬どころかかなりの高額馬らしい。さすが金子オーナー。でなけりゃ｢黒船｣とは名つけまい。そして､タキオンはこのクロフネをちぎっているのだ！
ああ､桜花賞の予想をしなけりゃならん。アサ芸の締め切りがせまっている。もうそんな時間だ。テイエムオーシャンにダイワルージュ。これは決まっているのだが､三回続けてダイワに負けているリワードアンセルが愛しい。ここからいったろか。穴としてムーンライトタンゴが狙いだ。
古馬も若駒も牝馬路線も､競馬最高潮。なんとも胸躍る春である。
というところで競馬雑誌を読んでいたら､相変わらず〃競馬いちゃもんライター〃が､売り上げが落ちただの場外で若者を見かけなくなっただのと､そんなことをこれみよがしに書いている。なんともかわいそうな人たちだ。競馬会の売り上げや他者の動向と､競馬本来のおもしろさはまったく別だという､最低限のそのことにすら気づいていない。いやいや気づいていない人だからこそ､それしか書くことがないんだろうな。気の毒な話だ。
そんな人間が競馬ライターと名乗り､くだらん原稿を書いて金を稼いでいられるのだから､競馬会の売り上げはまだまだありすぎるということだろう。
この人たちは､オグリキャップを代表とする〃競馬バブル〃の時代に､他ジャンルから転入してきた連中である。基本に競馬愛がない。こぼれた砂糖に群がる蟻である。その蟻が､砂糖が小さくなってきたと嘆いているわけだが､こちらとしては早くよけいな砂糖をなくし､この種の蟻には消えてもらいたいと願っている。
しかしまあ､生きるためとはいえ､好きでもないことについて書いて金を稼ぐというのもつらいだろうね。好きなジャンルにしか関わってこなかった私には解らない感覚である。
（01/3/28）
附記
なぜこの文章に｢裏アサ芸｣とついているかといいますと､私は『週刊アサヒ芸能』に｢人馬往来｣と題した競馬コラムを連載しています。その締め切りの時､字数やテーマの問題もあり､｢違うネタをアサ芸に書いたが､今週本当に書きたかったのはこっちだった｣という意味で､｢掲示板Mone's World｣に掲載したのがこの文章でした。
そこからついた副題です。わかりにくくてすみません。
ここで私が〃競馬いちゃもんライター〃というのに対して怒っているのは本音です。かなり熱いです。この件に関しては別項できちんとまとめて書いてみたいと思っています。
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