人馬往来的中抄




■日程-スプリンターズS-99


 有馬記念の前週、暮れの風物詩として定着したスプリンターズステークスは、十回目の今年を区切りに、来年から日程が変る。九月の中山最終週に移動して、秋の最初のGTとなるらしい。
 元々は秋のレースだった。それが真冬の二月、三月の開催に移り、GTとなってから暮れの中山に移動し、そしてまた秋にもどることになる。めまぐるしい変化だ。せっかく「有馬の前のスプリンターズステークス」として定着したのにという思いもある。

 プログラム変更の嵐は、昭和56年のジャパンカップから始まった。秋の天皇賞の距離短縮、それに伴うトライアルレースの距離と日程の変更、昭和59年から始まるグレードレース制、新たな距離体系の整理と、あれよあれよというまに、どんどん変化を遂げていった。〃荒れるハンデ戦〃のはずだった安田記念などはいつしか格式ある国際的なGTに化けていた。

 レース体系、距離体系が整えられることによって誕生する名馬もいる。条件馬の身分で菊花賞を圧勝し、古馬となってからも秋春の天皇賞を連覇したスーパークリークは、その筆頭だろう。彼はデビュー戦から一貫して距離2000メートル以上を使われていた。そういうことが可能な距離体系が既に出来ていた。

 そうなる以前、昭和50年の天皇賞馬であり、ハイセイコー時代の名脇役だったイチフジイサミは、未勝利を勝ち上がるのに13戦を要している。新馬戦、未勝利戦に1000や1200の短距離しかなかった時代、生粋のステイヤーには辛かったことだろう。もしもイチフジイサミが今現在の馬だったなら、彼の戦歴は全く違ったものになったはずである。

 そういう良い面もあるし、競馬会自体も試行錯誤の最中なのだから、あまり文句は言えないのだが、レースをいじくりまわして記憶が混乱するようなことは、ほどほどにしてもらいたいとも思う。

 さて、暮れの中山の名物レースとして、最後のスプリンターズステークス。本命はアグネスワールドだ。

 CBC賞を観ているとき、馬全体から自信のようなものを感じた。伸び悩んでいた元々の素質馬が、オープンを連勝し、外国に遠征し、フランスのGTを勝ったことで、自分に自信を持ったように見えたのである。

 実際はそういう乗り方を武豊がしただけであり、かってなこちらの思いこみなのかも知れない。でもそういう一種の擬人化のような思いこみもまた、競馬の楽しみのひとつだろう。
 

 
 
◎アグネスワールド
○マサラッキ
▲レッドチリペッパー
△キョウエイマーチ
△セレクトグリーン
△ブラックホーク




■結果
1着  ブラックホーク
2着 アグネスワールド
3着 キングヘイロー

630円(1番人気)的中。まだこの2頭の1番人気でこんなについていた。

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