人馬往来的中抄



■推理-菊花賞99


 競馬は繰り返しである。一年が終ってみると、どの年も、かつて経験したどれかの年に似ていることに気づく。春先に今年はどのタイプになるのかと読むことは、結果はどうあれ競馬に対する興味を盛り立ててくれる。

 サニーブライアンが人気薄で皐月賞を逃げ切ったとき、「今年はカツトップエースの年になる」と思った。二頭は同じように二冠を達成し、ダービーで燃え尽きていった。読みの的中である。

 ミホノブルボンは「カブラヤオーの再現だ」と読んだ。二冠を逃げ切りで達成し、菊花賞は直前でリタイアだろうと。だがブルボンは菊花賞を走り、生粋のステイヤーの前に敗れた。嬉しい読み違いになる。限界に挑み、散ったミホノブルボンのあの菊花賞は〃美しい敗戦〃だった。
 ひとつのレースに対する推理だけでなく、一年の競馬を読むこともまた楽しい。

 今年の牡馬クラシックを私は平成5年型と読んだ。ナリタタイシン、ウイニングチケット、ビワハヤヒデが冠を分け合ったあの年である。

 となると菊花賞は自ずから三強の内の無冠・ナリタトップロードとなるわけだが、春先に既に読み違いが出てしまっている。私の読みは、テイエムオペラオーの皐月賞、ナリタトップロードのダービー、アドマイヤベガの菊花賞だったのである。

 早めに仕掛けた和田オペラオーを渡辺トップロードが交わして勝つ。歓喜のゴールイン。悔しがる和田。武豊、追い込むも届かずの3着。私はダービーをそう読んだ。自信満々の一点勝負だった。それが騎手の腕の差によりひっくり返ってしまったのはご存じの通りである。

 そうなると、一年に対する読みからして変更を余儀なくされる。
 ダービー、菊花賞という二冠馬は昭和48年のタケホープ以来出ていない。私は昨年その変則二冠馬が誕生すると読んだ。が結果は、変則二冠ではあったが、ミホシンザン、サクラスターオーと同じ皐月賞、菊花賞という方だった。

 今年、武豊ベガは、昨年に続いて二冠に挑む。それはミホノブルボン2着、ウイニングチケット3着という「京都新聞杯馬は菊花賞を勝てない」という近年のジンクスへの挑戦でもある。

 私は春先の「三強が一冠ずつ」という自分の読みに殉じることにした。ナリタトップロードだ。あの京都新聞杯を見ると、アドマイヤベガのタケホープ以来のダービー、菊花賞二冠制覇の可能性は高いが、サッカーボーイの仔の菊花賞優勝に賭ける。



◎ナリタトップロード
○テイエムオペラオー
▲アドマイヤベガ
△ブラックタキシード
△シンボリモンソー
△フロンタルアタック


■結果
      1着 ナリタトップロード
      2着 テイエムオペラオー

      馬連730円◎○的中。3番人気。
      たっぷり勝負した単勝410円(3番人気)がおいしかった。


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