人馬往来的中抄





■意気-ジャパンカップ00


 ジャパンカップである。なにはともあれ現役最強馬のテイエムオペラオーが出走してくることが嬉しい。

 ビワハヤヒデ陣営が「たとえ秋天を勝ってもJCには出ない」と早々と春先に表明したり、サクラローレル陣営が年度代表馬を目指し、有馬を勝つためにJCをスキップすると知った時の失望感は今も記憶に新しい。関係者の思惑に拠るものだからファンが口出し出来るものではないにせよ、そのことによってスターホースのイメージが墜ちてしまったことは事実であろう。

 そんなとき思い出すのは、菊花賞から中一週でJCに挑んだシンボリルドルフだった。秋口に「菊花賞とジャパンカップの両方とも出ますよ」とルドルフ陣営が言った時、リップサービスだと思った。まだ4歳馬である。そんな無茶をするはずがない。なにしろJCのスケジュール自体、4歳馬が出ることは考慮していなかった。無敗の三冠馬という我が国競馬史上初の偉業を成し遂げ、JC出走は完全になくなったと思った。

 なのにルドルフは府中のパドックに姿を現した。あの時ほど感動したことはない。いやあの時の私は、そこまでルドルフに強いる和田オーナーや野平調教師を憎んでいたようにさえ思う。ルドルフは細くなっているように見えた。体調は悪かったろう。ルドルフの単勝と総流しで行った。3着に敗れる。生涯唯一の3着だった。だがそれは、慎重に行き過ぎた岡部の仕掛け遅れであり、まともなら勝てるレースだった。なんという馬だろう。

 翌年ルドルフは1番人気で勝つ。2着に船橋のロッキータイガー。嬉し涙を流した思い出のレースだが、衝撃というなら、出てくるはずがないと思っていた前年の方が大きい。ルドルフ以降、4歳馬のJC出走を考慮し、菊花賞の日程が変った。

 歴史に残る名馬となるために、テイエムオペラオーには完勝して欲しい。この程度の外国馬に負けたなら、今年の素晴らしい成績のすべてにケチがついてしまう。世界を目指すエアシャカールも負けてはいられないだろう。

 JCダートはなんとも残念だ。記念すべき第1回なのだから5カ国ぐらいから出走馬を集めて盛り上げて欲しかった。ファストフレンド本命。タマモストロングに期待。



◎テイエムオペラオー
○エアシャカール
▲メイショウドトウ
△アグネスフライト
△エラアシーナ
△ジョンズコール
△ファンタスティックライト



■結果
1着テイエムオペラオー
2着メイショウドトウ
3着ファンタスティックライト

馬連810円。2番人気。メイショウドトウは単勝5番人気。目頭が熱くなるがんばりぶりだった。

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