人馬往来的中抄



■基本-阪神3歳牝馬ステークス00


 外国からもどり録画しておいたレースビデオをまとめて観た。編集部から逐次国際電話で結果を教えてもらっていたが、実際にビデオを観てみると、その時とは感想がだいぶ違い我ながら驚いている。

 秋華賞に関し「失望した。これでいいのだろうか」と書いた。この意見は今も変わらないが、ビデオを観ると、中一週使いの連続で夏を頑張り、馬体重マイナス20キロで勝つティコティコタックの激走に胸が熱くなった。
 菊花賞で内が空くのを慌てず騒がずじっと待っている武豊の戦法には背筋がゾクゾクした。距離が持つまいと軽視したのにトウホーシデンの頑張りには思わず声を出して応援していた。

 単なる数字的結果からの感想と実際に観るレースからとではこれほども違う。〃書斎派〃とでもいうのか、競馬場の風や馬の息吹を感じずに競馬を語ることは危険だと改めて感じた次第である。

 最近、日本の競馬に一見高所大所から警鐘を鳴らしているかのような文章が目立つ。〃一見〃と書いたのは、真のその種の意見と、それらしきものとでは全然違うからだ。

 私は手厳しい意見の根幹には愛情がなければならないと思っている。週刊誌に「大相撲八百長告発」のような企画がある。その意図を彼らは「大相撲を愛するが故に敢えて」と言う。嘘だ。土俵上の勝負に一喜一憂することなく、八百長とか裏取引にしか興味のない彼らは、スキャンダルとして話題になるから記事にしているだけである。愛情などない。それは熱心な相撲ファンであるこちらからは簡単に見透かせる。

 競馬に関しても同様で、売上げや入場者減を問題にし、日高の中小生産者が危機だとしかつめらしく語っている競馬ライターは、スターホースに憧れたり、名勝負に涙したりすることのないまま、職業として競馬文章に関わった最初に批判ありきのタイプなのである。競馬を語る視点は人それぞれだが、私は競馬社民党(?)にだけは入党しないことにしている。

 そういうイチャモン専門の人達はべつにしても、今年の競馬が小粒でありおもしろくなかったのは事実である。だが昨年が凄すぎたのだ。歴史的に見ても、最強世代の名勝負数え歌の後には、祭りの後的空白の時間が来るのは仕方がない。TTGが去った後、私も競馬場からしばらく足が遠のいたものだった。

 さて阪神3歳牝馬S。ダイワルージュとリワードアンセルという中山で行われた新潟3歳ステークスの二頭を本線とした。来年に繋がるスターホースの誕生を期待したい。



◎ダイワルージュ
○リワードアンセル
▲ネームヴァリュー
△ハクバノテンシ
△タカラサイレンス
△テイエムオーシャン
△トウカイロゼット

■結果
1着テイエムオーシャン
2着ダイワルージュ
3着リワードアンセル

33倍的中!

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