サンデー産駒の思い出

*サンデーサイレンス Sunday Silence 19862002
  サンデーサイレンスの時代が終ろうとしている。2008年、最後の産駒世代が6歳(むかしなら7歳)となり、1995年から14年連続で続いていたリーディングサイアーの座を息子のアグネスタキオンに譲り、自身は7位に落ちた。自分より上位にはアグネスタキオン、フジキセキ、ダンスインザダークと3頭の息子がいる。

 産駒のデビューは94年。この年は44位。3歳馬しかいないのだから当然だ。早くもフジキセキが朝日杯3歳ステークスを勝っている。サンデー産駒最初のGⅠだ。
 翌年、初のリーディングサイアーとなる。3歳と4歳の2世代しかいないのにリーディングサイアーになったのは初めての記録。なのに25億というノーザンテーストの21億を凌ぐ記録的な数字での1位だった。

 サンデーの産駒の思い出を書いておこうと思った。漠然と思いつく記憶で。
 するとサンデーサイレンス系と呼ばれる種牡馬が140頭もいると知る。それならもうすこしきちんとまとめておこうと、Wikipediaから一覧をもらってきて、自分なりの表に組みなおした。
 表を見ているだけで倦きない。いやはやたいへんな種牡馬である。

 ところで、今回Wikipediaを利用して、あらためてあちこち抜け落ちたりしている雑なものであることに気づいた。私のような大ざっぱな者でも気づくのだから、かなりの缺陥と言えよう。以前、引用が楽なので学生が多用し、レポートでみな同じ間違いをおかすので、教授がWikipediaからの資料引用を禁止したという話を読んだ。自分が利用して、さもありなんと納得した。Wikipediaが入れ忘れた馬がいると、この種の文章を書く誰もがその馬を書かないことになる。こわい話だ。代表産駒が2002年産駒までしか書いてない。フジキセキの産駒にカネヒキリがいなかったりする。
 とはいえそれはWikipediaの責任ではない。有志が気分で書きこんでいるものであり、いつでも進行形だ。責任は利用者にある。この件に関してもフジキセキの項目には産駒は詳しく書かれている。この種の一覧を作るひとと種牡馬それぞれを書きこむひとが別なのだろう。一覧を古いと感じ、自分でそこに追記してゆくのは利用者それぞれの責任になる。教授が学生に怒るのはその辺を他人任せにして努力しないからなのだろう。

 ここに書いたものも、あちこち抜け落ちている缺陥品になる。気づくたびにすこしずつ直して行きたい。サンデー直仔が活躍するの今年か来年まで。長年愛用する大切な表になりそうだ。(09/1/1)
生年
(クラシック年度)
 種牡馬名  主な勝ち鞍 代表産駒 
 1992
(1995

アサクサゴーフル
エアジャスティス
キングオブダイヤ
サマーサスピション
サンデーズショウ
サンデーブランチ
ダイタクサージャン
ダブルユアホリデー
ビークァイエット
ユウキサンデー


中山記念
青葉賞 
 
ジェニュイン 皐月賞
マイルCS
タヤスツヨシ ダービー ナスダックパワー 1998
※シャトル種牡馬
フジキセキ
朝日杯3歳S
弥生賞
キタイ 1996
ダイタクリーヴァ 1997
Rock of Cashel 1999
Mucheoksan 2002
マンボノテイオー 2002
カネヒキリ2002
(フェブラリーS、JCD)
ドリームパスポート2003
(神戸新聞杯、きさらぎ賞)
エイジアンウインズ2004
(ヴィクトリアマイル)
エフティマイア2005
(桜花賞、オークス2着)
サブジェクト2005
(ラジオNIKKEI2歳S)
マーベラスサンデー 宝塚記念 モルフェダウエルン 2001
 牝馬ダンスパートナー オークス
エリザベス女王杯
   種牡馬であるから生年で記されている。しかしファンであるこちらはクラシックレースの年で記憶している。サンデー産駒最初の活躍の年として記憶しているのは1992年、平成4年になる。

 この年の皐月賞はジェニュイン、2着タヤスツヨシ、ダービーでは逆になってタヤスツヨシ、ジェニュイン、あいまにオークスでダンスパートナーというサンデー旋風の印象が強烈なので、私にはサンデー産駒最初のGⅠホースはジェニュインとの思いが強い。正しくは前年のフジキセキの朝日杯3歳ステークスである。

 92年年末に出た『優駿ターフヒーロー1992』巻頭の詩で、私はジェニュインをそんな感じで讃えた。すると読者から最初の活躍馬はフジキセキではないのかと抗議があったとか。後で聞いた。たしかに「GⅠ」というものにこだわるならサンデー産駒最初のGⅠホースはフジキセキなのだが、ただそこでGⅠという呼称は使っていないし、サンデー産駒最初のクラシックホースはジェニュインだから、フジキセキファンには御容赦願うしかない。この辺、むかしの「八大競走」、JCを足して「九大競走」の意識がまだ残っている。これからもそうだ。ルドルフ、ブライアン、ディープのGⅠ8勝とブルーコンコルドやカネヒキリのそれは違う。同じく、朝日杯3歳ステークスに真のGⅠの印象はない。

---------------

 ということから、4戦4勝で引退し、早くも4歳(いまの3歳)から種牡馬になったフジキセキだが、私の中でさして大物感はなかった。これは後のアグネスタキオンにも通じることで、どうにもあまりに早く引退されてしまうと夢想すら脹らまない。3歳春から種馬というのは、人間で言うなら男子が16歳で結婚して職業は子作りみたいなものだ。ちっともうらやましくない。あんなものは悶々とした後にたどりつくのがいい。江戸時代の将軍さまがうらやましくないのと同じだ。とそんなことはともかく。

 そんなわけでサンデーのファーストクロップに関してはジェニュインやタヤスツヨシの印象の方が強く、2頭の中でもダービーだけだったタヤスツヨシより、マイルCSも勝ったジェニュインを一番手と思う感覚が強い。
 しかし種牡馬としての成績を見れば、この年最高のサンデー産駒はやはりフジキセキなのだろう。



 あらためて成績を見ると、フジキセキイコール角田なのだが、初戦は蛯名だったことを知る。エビナスペシャルで出遅れたが、直線だけで8馬身ちがったとか。
 2番人気だった。種牡馬サンデーサイレンスにはまだ実績がなかった。後々サンデー産駒というだけで人気を被る馬と比べると隔世の感がする。

 この新馬戦、単勝1.5倍の1番人気2着は牝馬のシェルクイーン。ジェイドロバリー産駒。16戦1勝だった。

 2戦目のもみじステークスの2着馬は後のダービー馬タヤスツヨシだ。
 3戦目朝日杯3歳ステークスの2着馬はマル外のスキーキャプテン。
 最重要クラシックトライアル弥生賞にもさしたる馬は出ていない。ジェニュインもタヤスツヨシも別路線からだった。フジキセキの後のクラシックホースとの対決はもみじステークスのみになる。

 そういうことから私は彼に対する「幻の三冠馬」なんていう持ちあげかたに納得しなかったのだが、今は逆に、たいして強い馬のいない世代だったから、ほんとに三冠馬になっていたかも、と思うようになった。

 しかしまあ472キロでデビュウして、4戦目の弥生賞では508キロ、このまま成長していったらどこまで大きくなったのか(笑)。
 雄大な馬格と荒々しい気性、卓越したスピードから、フジキセキには距離の壁があるような言われかたもあった。私もそう思っていた。
 後に角田にインタビュウしたとき彼はその噂を一笑に付していた。フジキセキの大物感はそんなものではなかったらしい。まさに最初で最後のとんでもない怪物だったとか。ジャングルポケッでダービー、ヒシミラクルで菊花賞、天皇賞春、宝塚記念を勝っている角田だが、心の中の最強馬はフジキセキのようだ。



 皐月賞ジェニュイン、ダービータヤスツヨシで、菊花賞は上がり馬マヤノトップガン。このときの1番人気は牝馬のダンスパートナー。武豊騎乗で牝馬が菊花賞挑戦と話題になり、人気にもなったが、それはまたその程度の牡馬しかいなかったことの証明でもある。
 ダービー馬タヤスツヨシは5番人気で6着。ダービーが最後の勝ち鞍である。ダービー馬とはほとんどこんなもので、私がスペシャルウィークが大好きなのは、ああいう形で古馬になっても大活躍するダービー馬はめったにいないからだ。

 重賞勝ちすらなく、ダービーの日は中京で500万下条件を走っていたマヤノトップガンがいきなり菊花賞馬になる。だが彼はその後、有馬記念、宝塚記念、天皇賞春を勝ち、八大競走4勝。稀な名馬であることを証明した。
 この世代の一番手はマヤノトップガンなのだろう。

 ジェニュインは距離を考慮して菊花賞ではなく天皇賞(秋)に向かった。サクラチトセオーの2着。

   
 1993
(1996)
アグネスカミカゼ
エーブサンデーサン
サイレンスホーラー
サイレントハンター
サクラケイザンオー
タガノサイレンス
ダンツサイレンス
チアズサイレンス
ローゼンカバリー
目黒記念


大阪杯



名古屋優駿
日経賞
※2004年フランスに輸出
 エイシンサンディ   ミツアキサイレンス 1997
チョウサンディ
イシノサンデー  皐月賞
ダンスインザダーク  菊花賞 ダイタクバートラム 1998
ツルマルボーイ 1998
(安田記念)
タガノマイバッハ 1999
ザッツザプレンティ 2000
(菊花賞)
デルタブルース 2001
(菊花賞)(メルボルンカップ)
ムードインディゴ2005
(秋華賞2着)
バブルガムフェロー 朝日杯3歳S

天皇賞(秋)
マジェスティック 2000
※シャトル種牡馬
アーリーロブスト2006
(京成杯)
ロイヤルタッチ ダービー3着
菊花賞2着
       
 1994(1997)  Eishin Masamune
エックスコンコルド
ビッグサンデー
メジロディザイヤー
ユートカイザー


マイラーズC

 
 
ステイゴールド 香港ヴァーズ
ドバイSC
ドリームジャーニー2004
(朝日杯FS、神戸新聞杯)
サンライズマックス2004
(エプソムカップ、小倉大賞典)
アルコセニョーラ2004
(新潟記念)
マイネレーツェル2005
(ローズステークス)
ナカヤマフェスタ2006
(東京スポーツ杯2歳S)
 サイレンススズカ  宝塚記念  
       
 1995
(1998) 
グレートサン
サンプレイス
シンコウシングラー
ジュビレーション
ジョービッグバン
ジンガロ
タヤスメドウ
ディヴァインライト
フジサンデーズサン
マキシムトライ
メイショウオウドウ

新潟記念


函館記念





大阪杯







※フランスに輸出
産駒ナタゴラがチェヴァリーパークS、1000ギニーとGⅠ2勝。

スペシャルウィーク  ダービー
天皇賞春秋
ジャパンカップ
サンバレンティン2001
(福島記念)
シーザリオ2002
(オークス、アメリカンオークス)
トーホウシャイン2003
(マーメイドステークス)
オースミダイドウ2004
(デイリー杯2歳ステークス)
フローテーション2005
(菊花賞2着)
ブエナビスタ2006
(阪神JF)
リーチザクラウン2006
(きさらぎ賞)
       
 1996
(1999)
アイランドキング
イシノナイト
ウィズダム
スリリングサンデー
チョウカイリョウガ
テイエムサンデー
ブラックタキシード
ペインテドブラック
ロサード





シルクロードS
セントライト記念
ステイヤーズS
オールカマー 
 
アドマイヤベガ ダービー アドマイヤフジ2002
(日経新春杯、中山金杯)
キストゥヘヴン2003
(桜花賞)
ブルーメンブラット2003
(マイルCS)
アルナスライン2004
(菊花賞2着)
 牝馬スティンガー 阪神3歳牝馬S
 牝馬トゥザヴィクトリー エリザベス女王杯
ドバイWC2着
 1997
(2000)
アッミラーレ
ウインマーベラス
ケイアイメガウルフ
ゴールドヘイロー
ニホンピロニール
ニューイングランド
フサイチゼノン
マックスアンサー
ヤマニンリスペクト
リンデンパッション
アドマイヤボス

京都ハイジャンプ






函館記念
セントライト記念 



※地方競馬に活躍馬多数





 
エアシャカール 皐月賞
菊花賞
アグネスフライト ダービー
 牝馬チアズグレイス 桜花賞
       
 1998
(2001)
 Austinpower
ウインラディウス
サムソンハッピー
サンライズペガサス
チアズブライトリー
ドリームスプレッド
ボーンキング
ミスキャスト
ミレニアムバイオ



毎日王冠
京阪杯

京成杯

 マイラーズカップ
 
 メジロベイリー 朝日杯3歳S
 アグネスゴールド スプリングS
きさらぎ賞
アンダルーサ 2005
 アグネスタキオン 皐月賞 ロジック2003
(NHKマイルカップ)
ショウナンタキオン2003
(新潟2歳S)
ダイワスカーレット2004
(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念)
キャプテントゥーレ2005
(皐月賞)
ディープスカイ2005
(ダービー)
リトルアマポーラ2005
(エリザベス女王杯)
ダイワワイルドボア2005
(セントライト記念)
 マンハッタンカフェ 菊花賞
有馬記念
天皇賞(春)
マンハッタンスカイ2004
(福島記念)
レッドアゲート2005
(フローラS)
アントニオバローズ2006
(シンザン記念)
レッドディザイア2006
(エルフィンS)
 牝馬ビリーヴ スプリンターズS
高松宮記念
       
 1999
(2002)
Any Given Sunday
Sunday Knight
Yasey
ウインデュエル
サンデーサンサン
タイガーカフェ
ヤマニンセラフィム
 




皐月賞2着
京成杯
 
 アドマイヤマックス 高松宮記念
 デュランダル スプリンターズS
マイルCS2回
 ゴールドアリュール フェブラリーS
東京大賞典
JDD
スマートファルコン2005
(浦和記念、佐賀記念)
  2000
(2003)
カーム
クワイエットデイ
サイレントディール
サクラプレジデント
スパイキュール
ボレロ
リンカーン 

平安ステークス
武蔵野ステークス
札幌記念


阪神大賞典
※3億2千万





 
オレハマッテルゼ 高松宮記念
ネオユニヴァース 皐月賞
ダービー
ロジユニヴァース2006
(ラジオNIKKEI杯2歳S)
ゼンノロブロイ 天皇賞(秋)
ジャパンカップ
有馬記念
※シャトル種牡馬
 牝馬ピースオブザワールド 阪神JF
 牝馬スティルインラブ 桜花賞
オークス
秋華賞
 牝馬ヘヴンリーロマンス 天皇賞(秋)
 牝馬アドマイヤグルーヴ エリザベス女王杯2回 ※3億3千万
       
 2001
(2004)
アドマイヤビッグ
カミノサイレンス
グランデグロリア
グレイトジャーニー
ブラックタイド
レゴラス
スウィフトカレント
エアシェイディ
ハイアーゲーム
東京スポーツ杯2歳S


ダービー卿CT
スプリングS


 
スズカマンボ 天皇賞(春)
ダイワメジャー 皐月賞
天皇賞(秋)
安田記念
マイルCS2回
 ハーツクライ 有馬記念
ドバイシーマC
ハットトリック マイルCS
香港マイル
※外国で種牡馬
 牝馬ダンスインザムード 桜花賞
ヴィクトリアマイル
 牝馬ダイワエルシエーロ オークス
       
 2002
(2005)
Layman
Silent Name
サムライハート
トーセンダンス
トーヨーヒリュウ
キングストレイル
   
 シックスセンス 皐月賞2着
ダービー3着
菊花賞4着
アドマイヤジャパン 京成杯
菊花賞2着
スズカフェニックス 高松宮記念
ディープインパクト 皐月賞
ダービー
菊花賞
天皇賞(春)
宝塚記念
ジャパンカップ
有馬記念
 牝馬ショウナンパントル 阪神JF
 牝馬エアメサイア 秋華賞
       
 2003
(2006)
アドマイヤメイン
ウインレジェンド
オンファイア
モエレヴァチャス
マルカシェンク
青葉賞



 
マツリダゴッホ  有馬記念  
 牝馬フサイチパンドラ エリザベス女王杯  ※カワカミプリンセス降着 
     





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感謝して記します。

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