初日
 琴欧洲、初日に敗れる!

 これは罪深いことである。今場所の最大の目玉は琴欧洲の綱取りであり、それは二場所前が負けこしだったから、悪くても14勝1敗での優勝、横綱に推挙するには全勝優勝が望ましいとされていた。
 出来るかどうかはともかく、それが課題だった。いきなり初日から消えてしまったのではむなしい。

 しかしこれは協会のガチンコ志向の結果でもある。先場所琴欧洲が唯一敗れた苦手中の苦手の安美錦をいきなり初日で当てた。現在5連敗中である。綱取りをする力士に苦手があってはならないという厳しい鞭だ。初日もそれでこそ盛りあがる。

 琴欧洲もそれはわかっていたし、負ける気などなかったのだろう。気魄十分で早い仕切りについていた。安美錦に合わせることなく、自分だけ仕切り板に両手をついて待ち構える。結果的にこの意慾が裏目に出たということだろう。ゆっくりと仕切り、両手をつかずに立った安美錦は、あまりに意気込んでいたために立ち遅れた琴欧洲の懐に飛びこみ、簡単に起こして寄りきった。
 NHKニュースの解説で尾車(琴風)がビデオに印をつけつつ指摘していたが、あまりに意気込んでいたため、琴欧洲は立ちあいが遅れ、足指が土俵を噛むのではなく、あがった状態、かかとが土俵についているときに攻めこまれている。これでは力の出しようがない。
 勝負のあと琴欧洲は「安美錦の両手がまだついていなかったから」と言っている。その通りだ。安美錦の立ちあいは「汚い」とも言える。だがそれはあまりに意気込んで早々と両手をついている琴欧洲をいなすことだった。相手の仕切りを待たず意気込みし過ぎた琴欧洲の精神的な敗戦になる。

 まあこれはこれでよい。勉強になるだろう。琴欧洲は相撲の魅力について、「こんなに短時間で決着のつくスポーツはない」と言っている。その他に類のないほど早く決着のつく格闘技にも、微妙な駆け引きがあることを学んだろう。今日の明暗は、おとなになってから相撲を始めた琴欧洲と、こどものときから取ってきた安美錦の差になる。安美錦からすると、苦手の自分をやっつけて綱取りに邁進するのだと鼻息荒く仕切っている琴欧洲をすかすことなど簡単だったろう。

 いきなり初日から今場所の目玉商品が消えてしまったが、これはこれで勝負事だからしかたない。琴欧洲はこれからの精神力が問われる。果たしてこの失望にどこまで耐えられるか。興味はそっちに向く。

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 白鵬、張り差しスタート

 きょうもモンゴル人は張り差しでスタート。あいつらにはあれを下品だと思う感覚がないのだろうか。とはいえモンゴル人力士のハシリである旭鷲山も旭天鵬もやってはいなかった。朝青龍から流行ったものだ。

 ロス興行の後も、そこからモンゴルに直行した朝青龍とは違い、帰国して二日目には稽古を再開し、「直行で帰国したあちらとの違い」を強調していた。
「名古屋で優勝したい」と前々から口にしているとか。大本命であろう。

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 今日も張り差し、バカ青龍見事に負ける(笑)

 またまた初日からうす汚い右張り差し。バカ横綱、負けろと願う。豊ノ島がよく食いつく。ぐらりとさせたが、かろうじてバカ青龍残す。これで勝てるチャンスは消えたかと思う。だが右上手で寄って行くときの締めが甘かったらしい。土俵際で投げの打ちあいになる。このときも自分から手をついた。顔から落ちていた若乃花が懐かしい。顔から落ちていたら勝負は微妙だったろう。もうそこまでの執念もないのか。豊ノ島、快勝。

 もうほんと、この稽古嫌いの張り差しバカはどうでもいいわ。だんだんウチダテと同じ気持ちになってきた。

 こんなのに優勝されたら白鵬は恥ずかしい。ロス興行での花もぜんぶあちらに持たせてやったのだから、今場所は白鵬なのだろうが。

 豊ノ島は今まで何度も善戦していたので買ったことがあると思っていたが、六度目の挑戦で初勝利とか。インタヴュウでうれしそうだった。


 二日目  ○豊真将 ●露鵬

 暴れまわる露鵬から離れず、豊真将が丁寧に丁寧についてゆく。最後は露鵬が諦めたように土俵を割る。まるで「誠意の勝利」みたいな勝ちかた。これといった派手さはないがいい相撲だった。観客から拍手が湧く。私も拍手をした。

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 ○豪栄道 ●把瑠都

 きのうの把瑠都は無気力な相撲で書く気にもならなかった。
 きょうは豪栄道にもぐられ、肩越しに上手を取る。以前ならこれで常識を越えた相撲を見せたところ。しかしきょうは豪栄道に頭をつけられ、粘られる。振りまわせない。最後は押しだされた。首を傾げていたが、把瑠都がふつうのひとになったことがよくわかる相撲だった。それでもきのうの無気力相撲よりはいい。

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 ○琴光喜 ●稀勢の里

 稀勢の里が張り差し。泳いだ躰をうまく交わして琴光喜完勝。
 解説の千田川(安芸乃島)が「張り差しは躰が浮くからやらない方がいい」と批判。
 ヴェテラン日本人力士で朝青龍の張り差しを真似ているのはいない。それは大きな救いになる。その点、稀勢の里のような若い力士はつい真似てしまうのだろう。

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 ○朝青龍 ●若ノ鵬

 きょうは張り差しはやらなかった(笑)。すこしは反省したのか。
 必勝パターンになりながら勝てない。若ノ鵬が持ちなおし拍手が湧く。そこで下手投げ。本調子にはないようだ。今場所は何番張り差しが出るか(笑)。

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 ○白鵬 ●安美錦

 きょうも張り差し。まったく何の意味もない。癖になっているとしたら問題だ。手を出さずにはいられないのか。不愉快だ。
 内容は完勝。だからこそ求められるのは相撲の品格だ。竹葉山は張り差しをやめるように白鵬に注意しろ。

 三日目
 ○土佐ノ海 ●木村山

 新入幕二連勝の木村山は、母親が応援に来ているとテレビで紹介される。それを知ってか知らずか、土佐ノ海、烈しい押し相撲のやりとりの結果、押しだす。すばらしいファイト。これが正しい。いい相撲だった。

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 ○旭天鵬 ●玉春日

 今場所旭天鵬は調子がよい。まったくこのひとも旭鷲山と同じで、強さを発揮してあがるが、そこでは負け越して下がり、そこでまた強いところを見せて、のエレベーター。同期の旭鷲山はモンゴルの国会議員になった。将来の大統領まで見すえている。
 玉春日も白星はないが連日烈しい相撲でヴェテランの存在価値を発揮している。今日も両者動きまわる烈しい相撲。一貫して責めた旭天鵬が寄りきった。いい相撲だった。

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 ○高見盛 ●玉乃島

 高見盛が玉乃島の左を封じ、相撲を取らせず、上手に寄り切る。解説の北の富士が「うまいねえ」と誉めた。
 アナが「今日は上を向いてある恁うです」と言う。誇らしげに今場所初の上を向いての凱旋。よかったねえ。

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 ○把瑠都 ●栃乃洋

 把瑠都が栃乃洋をつかまえて、じっくりと料理。左からの強烈な投げを意識したのかどうか、責め急がず、出方をうかがっていた。
 栃乃洋は廻しがゆるいと知る。上手がすぐに伸びきってしまい、把瑠都がまわしを取りなおしていた。どうもゆるい力士は好きになれない。栃乃洋ってそうだったのか? ちょっと記憶にない。

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 ○安馬 ●若の里

 二連勝同士の対戦。今日の好取組。安馬が喉輪から一気に押しだす。アナが「強い!」と感嘆。
 安馬はいつも序盤が悪く、後半になって横綱大関と五分以上に闘ってなんとか勝ち越す。今場所は序盤が調子がいい。楽しみだ。
 このままだと白鵬の優勝だろう。目玉商品だった琴欧洲が不調な分、誰か伏兵が擡頭しないと。

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 ○豊ノ島 ●琴欧洲

 気が優しく、ついでに弱い琴欧洲は、相手の相撲に合わせてしまう。ちいさい相手に得意の態勢を許さず長身を活かした自分の相撲を取れば圧勝なのに、合わせてちいさい相撲を取る。きょうも豊ノ島にもぐりこまれ、投げられた。いつもの形。33センチ背の高い相手を投げる豊ノ島は快感だろう。
 琴欧洲が日の出の勢いでのぼってきたとき、無敵だろうと思ったが、特例で入ってきたむかしなら入門できなかったチビの豊ノ島が苦手になるのだからおもしろいものだ。
 とはいえ私は豊ノ島も大好きだからなんの不満もない。
 琴欧洲は苦手の安美錦や豊ノ島に勝たねば綱取りの資格はない。完敗だ。出なおしである。
 残念なのは、安美錦のときは気合いが入りすぎてあまりに早く仕切ったのを、うまく読まれての負けだったが、今日の豊ノ島戦での負けは、まるで先場所以前にもどってしまったかのような負けであること。先場所学んでことが生きていない。それが心配だ。
 ここから立ち直って横綱一人を負かすぐらいの活躍を期待したい。しかし今日の負けは、以前の「いちばんだめな琴欧洲」そのものである。心配だ。



 普天王や琴奨菊は場所中も勝ったり負けたりをブログに書きこむが、琴欧洲は場所中は自重しているようだ。

http://kotooshu.aspota.jp/

 ひらがなの書きこみが初々しい。
 佐渡ケ嶽部屋ってのはほんとに雰囲気がいい。

 今場所は琴欧洲の分まで絶好調の琴光喜に期待するか。場所前の稽古では朝青龍に全勝していた。今場所は勝てるだろう。今から楽しみだ。

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 ○稀勢の里 ●千代大海

 稀勢の里が千代大海に勝てないことが不思議だった。平幕のころの白鵬や琴欧洲のように、大器はみな楽々と越えて行く。だが稀勢の里は苦手としていた。どうしても勝てなかった。
 先場所やっと勝った。それで迷いが取れたのだろう。きょうなどもう横綱相撲。懸命につっぱる千代大海を相手にせず、前に前に出る。精一杯やってもなにも通じず押しだされる千代大海が気の毒になるような圧勝。これでもう稀勢の里が千代大海に負けることはないだろう。それにしてもずいぶんと時間が掛かった。

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 ○白鵬 ●若ノ鵬

 きょうは張り差しはなし。すばやく左上手を取る理想の相撲。軽々と若ノ鵬を投げすてた。解説の北の富士もアナも、張り差しなどはせず、この左上手を早く取りに行く相撲が安定していていいと絶讃。それに気づくといいが。また明日あたり張り差しが出るのか。

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 ○朝青龍 ●安美錦

 こちらのバカ青龍はきょうも張り差し。横綱が頭をつける相撲で安美錦に勝つ。一所懸命なのはいいが、必死の横綱ってのもつらい。このひとがこんなに早く力が衰えるとは思わなかった。やはり稽古ってのは大事なんだな。

 四日目  ○把瑠都 ●豊真将

 把瑠都がいきなり肩越しの上手を狙う怪物と話題になったころの粗っぽいことをする。その態勢になった。以前だとここからとんでもないことをしたところ。
 しかし内にもぐられた豊真将に、左四つのまま攻めたてられる。
 最後うっちゃって(決まり手は下手投げ)かろうじて勝つ。もの言いが付いたが把瑠都の勝ちは明らかだった。ただし相撲内容は九分九厘豊真将のものだった。
 勝つには勝ったが、把瑠都がふつうのひとになってしまったことを確認するかなしい一番だった。いや、あのような態勢になること、なれること、そしてあそこから辛勝であれ勝つのだから、やはりとんでもない怪物だと言うべきなのかどうか。とにかくもう誰もが把瑠都を怖れていない。一方の把瑠都には気魄がない。これだけはたしかだ。

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 ○安馬 ●豊ノ島

 三連勝同士のきょうの好取組は安馬の勝ち。今までの成績も圧倒的だから当然の流れか。それでも先場所は2分もの長い相撲になり、豊ノ島が勝っている。ちいさい安馬は同じちいさい相手のつぶしかたは上手。琴欧洲をぶん投げる豊ノ島も安馬には刃が立たない。

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 ○安美錦 ●豪栄道

 安美錦が一気に前に出て、そのまま何もさせず突きおとした。圧勝。このひと、ほんとに強いときは強い。こういう相撲を見ると「格」を感じる。

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 ○栃乃洋 ●琴光喜

 このままだと白鵬獨走になるから調子のよい琴光喜にがんばってもらおうと思ったらさっそくの土。ほんとにもう。でも栃乃洋好きだからいいけど。
 黄金の左である。ぶん投げた。強いなあ。
 明日はバカ青龍戦。ぶん投げてくれないか。

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 ○千代大海 ●琴奨菊

 千代大海がいい相撲で琴奨菊を寄り切った。いい一番。落日とはいえこんなのを見るとさすが大関だと思ったりする。これで三勝一敗だから角番脱出はだいじょうぶだ。なんだか嫌いだった千代大海も、いてくれればいいと思えるようになってきた。感覚が保守的になっている。いや十年以上見てきたのだからそれはひととして自然か。魁皇に関しては前々からそう思っているが。

千代大海、思わぬ四つで快勝=大相撲名古屋場所4日目

千代大海は琴奨菊に対し、はず押しを狙った左がすっぽり入り、胸が合ってしまった。「びっくりした。当たりが良過ぎた」という。
四つは苦手だが、左を返して相手のがぶり寄りをしのぐと、右上手を引いて一気に寄った。

「おれに四つで負けるとショックだろうね。でも、四つ相撲の勝率はいいんだよ」と満面の笑み。「いやあ、きょうはでかいよ。(かど番脱出まで)マジック5だ」と口調も弾んだ


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 ○朝青龍 ●北勝力

 バカ青龍、また右手で張り差し(笑)。両差しになって北勝力を投げる。土俵上の睨みあいから、北勝力はもっと気魄を見せて欲しかったと解説。つまらん相撲。

 ○白鵬 ●朝赤龍

 バカ白鵬、左からの張り差し。まあいわゆる張り差しには見えなかったし、当たらなかったのだが、解説もアナもそう言っていたからそうなのだろう。たしかに左手を振りあげてはいる。

 横綱ふたりの取り口は見ないでテレビを消してもいい気分。ひどい話だ。

 五日目  バカ白鵬の右張り手

 はいはい、今日も張り差し。
 右から大振りの張り手をしたところに北勝力が突っこんできたので棒立ち状態。しかし北勝力が四つになると何も出来ない木偶の坊なので攻められない。そこから巻きかえして寄り切った。いやはやひどい相撲。
 なんとも意味のない張り差しであり、機を見るに敏な力士になら簡単に敗れ、張り差しが問題になったところ。地力のちがいで勝っているが、決して誉めたたえるような完勝でもない。
 このバカはいつまで張り差しをやるつもりなのか。品のない横綱だ。

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 栃乃洋、快勝!

 バカ青龍、今日は張り差しでなく頭から突っこんでいった。栃乃洋に頭をつけて必死の相撲。投げを打ったり外掛けを仕掛けたり、あれこれやるが栃乃洋を倒せない。必死さがいたましい。
 捻り技が決まらず、そこを前に出られて押し倒された。栃乃洋、完勝。座蒲団が舞う。私も思わず拍手。よくやった栃乃洋。

 しかしもの言い。なぜだ。
 ビデオで見ると、なるほど、バカ青龍が空を飛んでいるとき、栃乃洋の躰が先に土俵の土に触れている。審判はよくみているものだ。もしも「どちらの躰が先に土に着いたか」なら、0コンマ何秒かの差で栃乃洋の方が早い。だけど土俵内の栃乃洋がバカ青龍を完全に突きだしているのだ。いくらなんでもそんな馬鹿な判定はあるまいと思っていたが、問題なく栃乃洋の勝ち。こういう100%勝っている勝負をビデオ的な0コンマ何秒でやられたらたまらない。

 これで栃乃洋の金星は12コ。安芸乃島に次いで史上二位となった。でも金星はあまり自慢できない。平幕生活が長い証だからだ。安芸乃島も栃乃洋も大関になりそこねた力士であることがよくわかる。

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 把瑠都のかいなひねり

 若の里との一戦。きょうも肩越しの上手を狙うような素振りを見せた。相撲が小さくなっていると言われ、本人的にもすこし気にしているのか。
 決して快勝ではないが、私は今日の把瑠都を誉めたい。それは終始若の里の相撲であり、中にもぐられ、攻められ続けたのに、それを凌ぎきったからである。凌ぎ、四つになったとき、「空振り内無双」が結果的に「かいなひねり」になった。若の里、横転。

 アナは、「把瑠都にこんな相撲は取って欲しくない」と言っていたが、私は把瑠都の内無双が嫌いではない。そういうタイプではないのにやるものだから、意外にあざやかに決まって気分がいい。それに内無双は非難されるような技じゃない。

 それよりもとにかく、今日は攻められっぱなしの悪い相撲なのだが、しぶとくそれを凌いだ把瑠都を誉めてやりたい。これで白星が先行した。
 しかし覇気のない相撲であり、物足りなく、心配であることに変りはない。でもきょうはよくがんばった。

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 力士のブログ──負けてるときはつらいだろうね

 力士ブログの草分けは普天王だ。私もだいぶ前から知っている。お相撲さんが今風のブログを始め、いかにも今時の青年らしい明るく楽しいブログだと話題になった。

 人気のあるところでは琴奨菊。それに先場所から琴欧洲が始まった。たどたどしいひらがながかわいい(笑)。
 その他にもやっているのは何人もいるのだろうが、私が「お気に入り」に入れているのはこの三人のみ。

 普天王と琴奨菊のブログが人気があるのは、写真を豊富に入れ、こまめに更新するからだ。場所中も毎日更新するし(琴欧洲は場所中は休み)、早いときは取組が終って30分後に書きこまれている。一説によると、体育館から帰る車中でケイタイからUPするのだとか。ケイタイからブログ更新する方法を知らないので(知りたくもないが)すごいなと思う。
 というか、いまブログって、写真もケイタイからだし、むしろPCではなくケイタイからUPしてケイタイで見るのが主流なのか?

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 さて、その力士二大人気ブログだが、今場所はふたりとも調子がわるかった。昨日、今場所初めて見に行ったのだが、普天王が4戦全敗、琴奨菊が1勝3敗だから、「今日もだめでした。自分が情けない。明日こそがんばります」と、ちょっと悲痛なことばが並ぶ。負けが続いてもきちんと更新するのがふたりの誠意。

 そのふたり、今日は明暗が分かれた。
 普天王は今日も負けて5戦全敗となってしまった。
 琴奨菊は同じ故郷福岡の先輩魁皇を得意のがぶり寄りで破って2勝目をあげた。インタヴュウルームで満面笑顔だった。
 今日の琴奨菊ブログは祝福のコメントで盛りあがっていることだろう。コメントはみな温かく、力士とファンのいい関係が見えてほのぼのとしている。
 普天王のほうは沈んでいるだろう。
 勝負師のブログはむずかしい。まして野球チームのようなのではなく個人の勝ち負けの記入だ。

 普天王に初日が出たときは見に行くことにしよう。

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 安馬5連勝で高まる期待!

 安馬が今日も千代大海を相手にせず勝った。押し相撲の千代大海を押しかえして押しだしてしまうのだからいやはや強い。昨日四つ相撲で琴奨菊を破り得意満面だった龍二さん、今日はしょぼんだろう。

 白鵬と並んでの全勝なので、早くも「優勝争いに絡んで欲しい」との待望まで出はじめた。毎場所、序盤で格下に取りこぼし、後半で横綱大関を破って勝ち越してきた関脇が、序盤が二年ぶりの全勝なのだから期待が高まるのは当然だ。さらにはその白鵬に強いのだ。

 白鵬戦が楽しみだ。取りこぼさず終盤まで盛りあげてくれ。
 六日目 バカ青龍休場(笑)

 今日から休場。平幕力士に頭をつけて必死の相撲を取って負けたら、やる気もなくなるだろう。得意の假病だ。さてさて再生はあるのか。
 元々私はこのひとを、「最高にチューンナップされた中形スポーツカー」と評してきた。発進が良く、ブレーキも小回りも利く、「最高にチューナップされている」から強いのであって、そこが狂うと、ボロボロのダンプカーに追突されても負ける程度の素材になってしまう。その辺が「剛性の強い5000ccベンツ」の白鵬との違いになる。
 だからこんな日が来るのはずいぶんと前から予測していたのだが、予測通りになってみると、なんとも虚しさが先に立つ。稽古不足、すなわち手入れ不足で、クルマはボロボロだ。同じボロボロ同士の体当たりならダンプカーの方が強い。負けて当然なのだ。
 稽古不足に慢心、張り差し多用。落ちるべくして落ちたと言える。
 とはいえロスでは、花相撲とはいえ、総合優勝である。
 これはこれで来場所が楽しみだ。これでまた今場所白鵬が優勝し、来場所バカ青龍が復活Vだとどっちらけになる。まあ仲間うちの談合だから充分にそれはある。

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 小泉エリのレポート「玉春日」

 小泉エリというマジシャンらしい三十一歳の女が、「あのひとに会いたい」という番組内シリーズをやっている。今回初めて見た。土俵入り後の四時過ぎにやるから、その時間から見ていないと見られない。

 こういう企劃の場合、もちろんレポーターの美醜はだいじだ。ウチダテオババのようではどんなに魅力ある企劃でも見る気になれない。その点、美貌は合格点。
 しかしそれ以上に大事なのは、本当に相撲が好きかどうかだ。食いっぱぐれたのが穴路線として相撲にやってきたのなら厳しく拒む。その姿勢は大事だ。
 これも今日見た感じでは、充分に相撲が好きであり、そこそこ知識もあるように感じた。ま、合格点である。



 いま検索したら年齢は26のようだ。なんで31と思ったのだろう。
 吉本所属だとか。小泉の名は芸名で、同じ吉本所属のマジシャンである父親が小泉総理似であることを売りにしていたからとか。くだらん(笑)。
 今場所は毎日やっているのかと思ったら、今年の三月場所から始まり、今回が三度目。とすると、偶然にしては珍品を見たことになる。まあインタヴュウ内容はなんてことないものだったが、とにかくこういう場合、女に相撲ラブがあるかどうかが大事。この娘はだいじょうぶそうだ。

 これが「小泉総理似で売っている父親の写真。なるほどたしかに似ている(笑)。髪形からなにから似せているのだからあたりまえだけど。

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 ○露鵬 ●把瑠都

 大好きな把瑠都が大嫌いな露鵬に負けた。最も不愉快な一番(笑)。

 ○時天空 ●豪栄道

 時天空が左に飛んで派手なけたぐりの恰好。豪栄道、あっけなく負ける。決まり手はもちろんけたぐり。
 しかしビデオを見ると、飛ばした時天空の足は豪栄道に触れていない。つまりけたぐっていない。さてこの場合、どうなるのか。

 昨日の把瑠都のからぶり内無双は、把瑠都の手が相手の足を掬う内無双になっていないので、「かいなひねり」になった。
 今日のこのけたぐっていない「けたぐり」は、なんだろう。はたき込みか。珍しいものを見た。


 ○千代大海 ●安美錦

 これも毎場所不思議な一番。あの巧くて強い安美錦が千代大海には勝てないのだ。今日もいいように取られて負けていた。同じく勝てなかった稀勢の里は千代大海超えを果たしたが、安美錦はまだまだのようだ。というか今の千代大海に勝てないのだから生涯無理だ。

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 ○琴奨菊 ●安馬

 相性ってのはおもしろいもので、あの器用な安馬が琴奨菊を苦手にしている。歯が立たない。今日も完敗。叩きつけられ、しばらく土俵に俯していた。

 勝利インタヴュウ。関脇が関脇に勝ったのだから本来の主旨からは外れるが、こういう番外は多いにやってもらいたい。
 琴奨菊、満面の笑み。今日のブログは盛りあがるだろう。あとで読みに行こう。

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 ○琴欧洲 ●稀勢の里

 序盤の二敗でその後を心配した琴欧洲だが、昨日今日と強い相撲。互いにライバルと認め切磋琢磨してきた稀勢の里を一方的に寄り切った。
 心優しいひとだからずぶずぶになるのではないかと心配したが大丈夫のようだ。先場所のように白鵬を負かしてくれ。

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ざん‐げん【讒言】
人をおとしいれるため、事実をまげ、またいつわって、(目上の人に)その人を悪く言うこと。また、その言葉。讒口。讒説。平家一
二「頼朝、郎等共が―によつて、義経を討たんと仕候間」 バカ白鵬、今日も張り差し

 今日は右からの張り手。見事に当たってテレビからベチっという音が聞こえた。普天王が簡単に崩れたのは効果があったのだろう。
 モンゴル相撲には「張り差し」ってのはあるのか。モンゴル人はそんなに他人の顔を張るのが好きなのか。理解できない世界である。
 昨日張り差しに失敗して棒立ちになったから、今日はやめると思っていた。親方は注意しないのか。どういう世界なんだ。

 普天王、いまだ全敗。今日のブログも暗いだろう。行かない。

 豊真将や玉春日、土佐ノ海、栃乃洋らのふつうの相撲を見ているとほっとする。高見盛を見るとうれしくなる。
 私はこの張り差しだけでアンチ・モンゴル力士になりそうだ。白鵬の相撲を見たくない。

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 モンゴル巡業開催に関する旭天鵬と朝青龍の確執

ニッカンスポーツより引用

朝青龍が旭鷲山に「あの野郎〜」

 横綱朝青龍(27=高砂)が、モンゴル力士のパイオニアにキレた。17日、モンゴル国会総選挙でトップ当選した元小結旭鷲山のダバー・バドバヤル氏が日本相撲協会にモンゴルの政情不安の実情を報告。モンゴル巡業(8月27、28日)が延期になる恐れが出てきたことに、朝青龍は「あの野郎〜」と憤慨。悲願の巡業開催に「横やり」を入れられたと受け取り、怒りをあらわにした。取組では平幕の栃乃洋に押し倒され早くも2敗目。横綱白鵬(23)と関脇安馬(24)は5連勝を飾った。

 朝青龍がバドバヤル氏の「横やり」に敏感に反応した。取組についての質問に答えたあと、報道陣に「なぜ、シュー(バドバヤル氏)は来たんだ」と逆質問。同氏の報告で巡業延期の可能性が浮上したことを知ると、表情を変えた。「あの野郎〜。協会が決めることだけど、オレはやってほしい。本当に治安が悪いなら、オレはここで相撲を取ったり、話したりしてない。誰かが『危ない』と言ってるだけだ」。荒っぽい言葉で同氏を批判した。

 この日、バドバヤル氏は、横綱土俵入り直前の午後4時に愛知県体育館を訪れ、モンゴルの現地情報を協会側に報告。国会総選挙で当選した立場だけに、巡業部も真剣に耳を傾けた。

 バドバヤル氏 国会議員は76人の定員で、私を含めた66人が今回の選挙で当選を認められた。しかし、残る10人に関しては、巡業前の8月上旬から中旬にかけて、再選挙で選ばれることになった。この結果は苦しい生活をしている国民にとっては重大。また暴動が起こる可能性があります。

 暴動は7月1日に起き、死者5人、計320人以上の負傷者を出した。数日で騒ぎは収まったが、同氏は「自分は責任は取れないので、巡業を『やるべき』とは言えない」と、火種が残っていることを強調した。

 同氏は、師匠でもあった大島巡業部長(元大関旭国)と一緒に、北の湖理事長にも同様の報告をした。同理事長は「何とも言えない」と明言を避けたが、大島部長は「巡業をやるなら万全な状態でやらせたい」。湊副部長(元小結豊山)も「中止はないが、延期はあるかも」と話した。

 だが、初めてのモンゴル巡業は朝青龍の悲願だ。実現を求めて署名活動を行うなど、これまでも積極的に関与。親族が経営するサーカス場(約3000人収容)で開催されることも決まり、現地では「朝青龍興行」とも称されている。一方で、「延期は仕方ない? そうだね。会場ももっと広い所にすべきだよ」と白鵬が話すなど、他のモンゴル人力士とは微妙な温度差もある。孤立した朝青龍は今後、どうでるか? 土俵外の動きも慌ただしくなってきた。【柳田通斉】

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 この問題が看過できない大きなことであるのは確か。
 ただ、他のスポーツ紙がほとんど扱っていない中、唯一ここまで大きく扱うニッカンスポーツが、「モンゴル巡業開催の先導者朝青龍」に、何らかの含みがあるのも毎度のこと。旭鷲山が白鵬と握手している(テレビではほっぺにキスもしていた)写真まで掲載して、旭鷲山と白鵬の親しさ、朝青龍との不仲を強調していた。

 といって反撥はない。私の感想としては、こういう記事を載せてもらえることはありがたい。賛意も反感もこちらの自由だ。まずは紹介してもらわないと反応のしようがない。ニッカンスポーツの姿勢は、それはそれでいい。
 実際「親族が経営するサーカス場(約3000人収容)で開催される」は気分がわるい。もっと大きいところでやるべきだ。

 七日目  土佐ノ海が元気

 十両からもどってきて5勝2敗。内容もいい。勝ち越すだろう。
 学生相撲で、東の尾曽、西の山本と言われた。尾曽は武双山。土佐ノ海は息が長い。ヴェテランが元気だと相撲観戦が楽しい。

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 岩木山の張り手

 新入幕木村山との一戦。ごつんというぶつかりから、烈しい張り手を連発した。闘志溢れる一戦。こういうのはいい。張り差しとは根本が違う。
 岩木山は渋い。いい力士だ。

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 普天王、初日

 稀勢の里を破ってやっと初日。よし、ブログを読みに行こう。

 若ノ鵬、初めての壁

 先場所、それにぶつかると思ったのだが、後半得意の変化技を出したりしてなんとかくりぬけてしまった。しかし今場所、ぶつかった。
 西の前頭筆頭で横綱大関と総当たり。全敗。変化技を出して、ひとりぐらい引っ掛かるのがいるかと思ったが、ぜんぶ正面から行っている。これはいいこと。
 体力だけでここまで突きすすんできたが、やっと相撲の奥深さを知ったろう。ここを突破して出世できるか、兄貴と慕う露鵬と同じになるかは若ノ鵬しだい。
 変化をしなくなったので私の印象は好転しつつある。

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 琴欧洲、三敗目

 朝赤龍の変化にばったり。でも変化だから気にすることはない。
 今までのように前に出る相撲を取ればいい。今場所は10勝5敗ぐらいでもいいから、精神面の弱さを見せないで欲しい。

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 ○安馬 ●魁皇

 安馬は押しだしたり寄り切った相手に手を差しのべて、土俵下に転がりおちないようにする。その辺が駄目押しをする朝青龍との性格の違い。格闘家としてはどちらがよいのかわからないが。
 朝青龍べったりの安馬だが、すくなくとも「品格」に関しては心配はない。朝青龍よりもずっと「品格」は上。

 八日目

 グルジアのふたり

 幕内にふたりだけいるグルジア出身のふたり。先駆者黒海と若手の栃ノ心。ふたりだけいる、ではなく、人口500万未満のグルジア国出身の幕内力士が二人もいることに驚くべきか。史上初のグルジア出身幕内力士同士の対決である。
 黒海にあこがれて相撲を始めた栃ノ心にとっては恩返しのチャンス。黒海としても何としても勝ちたい歴史的な一戦。互いに攻め、攻めては受け、土俵上を烈しく動きまわる36秒の熱戦。黒海の勝ち。

 グルジア語で会話できるのはふたりしかいない。
 私生活でも黒海はかわいがっていることだろう。
 取組が決まったときはどんな気持ちだったろう。
 グルジアの相撲ファンは熱狂しただろうか。
 日本にいるグルジア人はどうだったろう。在日のグルジア人てどれぐらいいるんだろう。
 ぜひとも知りたいものだ。明日のスポーツ紙にも載るだろうか。場所後の相撲誌を楽しみに待つか。

 ネットでやっとひとつ見つけた。通訳をしてやったり。いい話だ。

黒海、先輩の面目=大相撲名古屋場所8日目

 黒海が同じグルジア出身で入幕2場所目の栃ノ心と初顔合わせ。
 得意の右上手から投げを連発し、20歳の後輩に動き勝った。栃ノ心の来日当初は、通訳の役割も含めてあれこれ力になった。
 今場所前のけいこ場でも胸を貸しており「いやあ、気合が入った。あいつは腰が重いし力が強い」。先輩の面目を施してホッと一息。
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_date1&k=2008072000185



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 ○豪風 ●露鵬

 20センチ近く身長差がある。豪風がもぐりこんで両差しになるが、極められるのではないかと心配になる。だがそこから休むことなく果敢に攻めて寄り切った。29秒の熱戦。

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 把瑠都の凋落

 把瑠都が肩越しに上手を取る形。朝赤龍が内にもぐる。以前なら、ここから把瑠都のとんでもない怪力相撲が出た。だがケガをしないよう、今それはない。もぐった朝赤龍が寄るが、把瑠都がこらえる。すると朝赤龍はまえみつを取りなおして、寄る。これはこらえきれない。躰が浮いてしまう。朝赤龍の勝ち。
 怪物と怖れられた把瑠都がただのひとになったのをしみじみと感じる。誰ももう怖れていない。技能派の力士はもう把瑠都攻略法を完成させている。
 把瑠都はこれからどうなるのか。ただの幕内力士のまま終るのか。

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 安馬、快調!

 安馬が稀勢の里を相手にせず一方的に勝つ。1敗で白鵬を追う。今場所の対決は盛りあがる。
 稀勢の里は2勝6敗。先場所10勝したが、これでまた大関への足掛かりは失われた。

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 全敗ターン

 全敗で負け越したのは玉春日、北勝力、若ノ鵬の三人。
 玉春日は11枚目。十両陥落の危機がある。それはいいのだが、そのことで引退するのではないかと心配だ。まだまだ現役でいて欲しい。
 北勝力は前頭2枚目。この人はむかしから大勝ちと大負けの繰りかえし。今場所全敗しても下に落ちたら、また大勝ちして上がってくるだろう。

 若ノ鵬は入幕五場所目で初の負けこし。しかも全敗だから派手だ。
 が、庇うひとはいない。北の富士も「今まで勝ってきたことのほうが不思議だからね」と辛口。私も同感。体力のあるロシアの青年(十七からだからまだ少年か)が、相撲擬きを見様見真似でとっていたら、ここまで来てしまったという感じ。今場所はそのツケを払わされている。先場所、負け越すと思ったがしぶとく変化技を出して勝ち越した。しかしごまかしはそこまで。今場所は上位に負けつづけている。でこれは当然の場所。だれもがここで壁にぶつかる。ここをすんなり行ったら怪物になる。
 今日は琴奨菊。一気に内にもぐってがぶる。圧勝。
 来場所から若ノ鵬が目覚めるかどうか、興味深い。ロシア人らしい激しい気性だから、負けつづけは相当悔しいはずだ。性根を入れかえるといいが。

 私はこのひとの相撲にまったく魅力感じず、当然ながら興味もない。
 十七で来日して相撲を始め、二十歳でもう入幕五場所目、負け越しなし、前頭筆頭、大鵬に似たそこそこのハンサム、という経歴は、人気爆発でもおかしくない。だが相撲ファンのあいだでも評価は低い。見ているひとは見ているのだと感じる。

 好きではないけれど、若さと体力に将来性があるのは確か。「史上最年少入幕」の可能性まであったのだ。だけど今のままでは「第二の露鵬」で終りだろう。それでも幕内と十両を行ったり来たりすれば高級取りだ。
 どうなることやら。

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 魁皇復調!

 安美錦が変化し、足を飛ばし、もぐり、魁皇に仕掛けるが、魁皇がことごとくはね返す。土俵上を烈しく動く。最後は力つきた安美錦を掴まえて寄り切った。
 場内大歓声。アナも絶讃。魁皇、満足げに天を仰ぐ。安美錦、精根尽きはてた表情。すばらしい熱戦。魁皇、まだまだやれる。23秒。

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 琴光喜、辛勝

 地元の別会場に300人の琴光喜ファンを集め、大型プロジェクターを用意。舞の海と小泉エリがそちらに出かけて、琴光喜特別応援会。いくら琴光喜の地元とはいえNHKがこんな偏ったことをしていいのだろうか。ちょっと疑問に思った。むろん私に公共放送は不偏不党であれなんつう考えはない。どうでもいい。ただちょっと「名古屋場所だから琴光喜応援」というのがやり過ぎのように思える。あらかじめインタヴュウされると決まっている人達の予想通りの応援コメントがNHKらしくて白ける(笑)。
 でも愛知県出身の幕内力士って琴光喜だけなんだと知る。そうか、他にいないのか。まあ盛りあがることは悪くはない。

 これまた若の里がよく攻めて充実の一戦となった。最後はなんとか琴光喜が引きおとして勝つ。やっと勝てた、なんとか勝てたと、安堵の苦笑。29秒の一戦。
 しかし若の里が寄ろうとするのを琴光喜が顔面掻きむしりのようなことをして防ぐのは醜悪。ありゃ反則だろう。

 と思ったら、最高の写真が見つかった。
 こちらから拝借しました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_date1&k=2008072000185

 これを琴光喜は何度も連発した。若の里のコメントが聞きたい。怒ってないのか。
 しかし相撲も奥が深い。こんな手もあるとは知らなかった。

琴光喜が大相撲名古屋場所1敗をキープし、勝ち越しに王手をかけた。
若の里に対し立ち合いで不得意な左四つの体勢となり、右腕をはね上げられて土俵際まで後退。
何度も寄られたが、3度にわたって相手の顔面を右手でこすりあげる抵抗を見せ、最後は逆転の引き落とし。九死に一生を得た大関は「9分9厘負けたと思った。みんなも思ったでしょ?」と満面の笑み。
驚異の“顔面ウオッシュ”については「必死ですよ。今、冷静に見たら笑ってしまう。恥ずかしいな…」と照れ笑いだった。(サンスポより)


 いや、琴光喜の満面の笑みとか恥ずかしいじゃなく、問題はやられた若の里の方の気持ちなんだが。

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 琴欧洲、また相撲が小さくなってきた

 琴欧洲が栃乃洋を相手に、焦らずじっくりと相撲を取って寄り切った。26秒。だけど琴欧洲の缺点として言われるように、あまりに相手に合わせすぎている。栃乃洋は強豪だし、黄金の左がある。慎重になるのはいいが、不調だった先々場所のころのように、長身をたたんで頭を点けるような形になったりする。心配だ。
 今場所をとにかく無事に乗りきり、綱取りも白紙にもどったということから、来場所の相撲が勝負になる。

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 締めは張り差し

 今日は十両の片山の、あの売り物の四股も見たし、熱戦の続いたすばらしい中日だった。しかし結びは、またも白鵬の右の張り差し。下品。ちいさな豊ノ島の顔を横綱が張ってどうする。テレビを消す。どうしようもないな、このバカは。

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 ブログの更新時間

 ニッカンスポーツの相撲の欄に「ブログ新着」という欄があり、相撲関係のブログのリンクと共に、更新時間が記されていることを知った。いちいち力士のブログのURLに行かなくても、ここから行けるのか。知らなかった。

 私の知っている普天王と琴奨菊のふたつのブログの更新時間を見てみると、若ノ鵬をがぶって破り、星を4勝4敗の五分にした琴奨菊は、17時59分更新。これは噂されるように、帰りの車中からケイタイで更新したのだろう。
 一方、最新の更新としていちばん上に載っていたのは普天王。深夜の2時過ぎに更新。昨日やっと初日が出たが、今日も千代大海に負けて1勝7敗。更新する気力がなかったのだろう。それでも楽しみにしているファンがいるからせねばならない。午前2時という時間が普天王の悩みをあらわしている。
 九日目  平幕優勝特集

 今日のトピックスは平幕優勝。二回した琴錦、いま浅香山親方が向こう正面のゲスト。水戸泉、貴花田、貴闘力らの映像が出る。いつ見てもこういう特集は楽しい。
 重婚騒動とか悪いことばかりしていた琴錦はいま「浅香山」。まったく知らない。だいたいこの人、親方株をどうしたんだっけ、と思う。すぐに調べられるのがネット時代。

 2002年に甲山(かぶとやま)を譲ってもらう予定が御破算になり、2002年9月までになんとかしないと角界引退の危機となる。
 若松を借りる。若松といえば朝潮だ。若松部屋だ。目出度く高砂に出世したから、このときこれは富士錦がもっていたらしい。今はあの不細工な朝乃若とか(笑)。これを借り、一年後には栃ノ海が持っていた「竹縄」を借りる。この竹縄の今の持ち主は栃乃洋なのだとか。栃乃洋は引退したら竹縄親方になるわけだ。
 2007年に竹縄を返し「浅香山」になる。この浅香山の持ち主は魁皇だとか。魁皇が引退したら琴錦は困るわけだ。
 これだけ転々としていれば私が覚えきれないのも当然。

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 外人力士の礼儀

 栃ノ心は負けて下がるときのお辞儀がいいかげん。露鵬などに見られるふて腐れたような態度。あれはよくない。親方はきちんと指導しないと。栃ノ心の親方って誰だ? 栃ノ心は春日の部屋か? いま春日野親方って誰だ? 元横綱栃ノ海、中立親方あたりから智識が止まっている。

 やっぱり春日野部屋か。「栃」の字が附くから春日野部屋とは限らない。でもこれはそう。親方はいま栃乃和歌。
 中立引退、竹縄親方だった栃乃和歌が部屋を次いだのは平成十五年とか。そういや「春日野親方栃乃和歌」は何度か見ている。でもすぐには出て来ない。ただ、じっと考えれば(笑)、春日野部屋を次ぐ「栃」の字の幕内力士を考えればいいわけだから、思いつきはしただろう。脳のためには苦しんで考えた方がいいらしい。考えたくない(笑)。

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 玉春日は元気だ!

 玉春日、高見盛との熱戦に敗れて九戦全敗。でもいい相撲。勝ち星はないが相撲は取れている。引退なんて考えないでくれ。まだまだ取れる。

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 把瑠都、ほんのすこし片鱗

 把瑠都が鶴竜に両差しになられたが、軽々とそれを振りまわして吊りだす。両差しで寄ってきたのを、くるりと体を入れかえたので、「つり出し」という気はしないが、決まり手はそうなっていた。
 体力の違いを見せつけた「怪物の片鱗」なのだが、どうにも相撲に覇気が感じられず大ファンとしては不納得。

 でも把瑠都の土俵から下がるときのお辞儀はいつも丁寧。外人力士の中では群を抜いて丁寧できれいだ。いつもそれを見るたび、把瑠都ファンである自分を確認する。

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 朝赤龍、巧い!

 相手は栃乃洋。1分を超える長い相撲。でも膠着はない。ともに動きまわった。力も体力も上の栃乃洋を、朝赤龍が、あらゆる手を使って後略し、落城させた感じ。最後は決まり手は「上手出し投げ」だが、投げを打ちつつ寄り切った。栃乃洋も粘ったが、休みなく手練手管を尽くしてきた朝赤龍の前に力つきた。最後はアナが思わず「朝赤龍、巧い!」と叫んでいた。

 このひと、稽古では本当に強いらしい。本場所でも13勝したこともある。でも続かない。朝青龍騒動のときなどしばしばインタヴュウを受けるが(高砂部屋に取材に来たマスコミに捕まってしまう)、そこでも性格のよさが見える。朝青龍なんぞとはぜんぜん違う。出世して欲しいのはこっちなのだが。憎まれっ子世に憚るとはよくいったものだ。

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 安美錦、強い

 安美錦が雅山に喉輪で電車道。強い。このひと、ふしぎなお相撲さんだ。
 押し相撲も身についたらまだまだ強くなるだろうなあ。なんつっても、目の細さがいい。「男の目には糸を張れ」だ。

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 稀勢の里、強い

 稀勢の里が強い相撲で琴奨菊を抛り投げた。なんでこんなに強いのに今場所は三勝留まりなのか。

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 安馬、痛恨の敗北

 バカの方、いや若ノ鵬が変化するのは見えていた。仕切り板に早めに手をつき、躰を揺すって、いかにも闘志剥きだし。わざとらしい。「こりゃ、変るな」と思った。
 見事な垂直跳び(笑)。いや狙いとしては、垂直に飛び、突っこんでくる安馬の背中を叩いての八艘跳びのような形にしようと思ったのだろうが、安馬はそれを読み切り、垂直に飛んだそこにすでに喉輪を当てた。バカの方、棒立ち。安馬完勝のはずだった。だが腰が入りすぎてしまったのだろう。もぐりこみすぎだ。そこにデカいのの体重がかぶさってきた。浴びせたおしという予想外の敗戦となる。
 バカノ鵬に反省はなし。ガッツポーズ。どんなものだと意気揚々。恥ずかしい。
 向こう正面解説の琴錦(浅香山)が、「あれは八艘跳びですか?」と正面に尋いてくると、解説の栃東が応える前にアナが「垂直跳びですね」と即答。笑った。

 バカノ鵬、勝利のガッツポーズ。サンスポより。

 さて、今日の初勝利で調子に乗ったバカノ鵬が、これからどんな相撲を取るか、これはこれで注目(笑)。
 しかし安馬、あれに引っ掛かったのならバカ! ですむが、見事に読みきって喉輪で攻めただけに、この負けは惜しまれる。でも上位に強い終盤戦に期待。

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 龍二さんの引き技

 千代大海が一気に魁皇を土俵際まで持って行く。魁皇、懸命に耐える。いつしか足が揃っている。あぶないと思った瞬間、龍二さんの引き技炸裂。魁皇、転げる。まさに「押して、押しきれないと引く」龍二さんの真骨頂。
 でも下品なモンゴル人横綱の張り差しばかり見て不愉快なので、そんな龍二さんの引き技にすら好意的。

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 琴光喜、二敗目

 琴光喜が普天王にはたきこまれる。どちらのファンというわけでもないが、昨日のNHKの特別扱い、連日手拍子が起きるような地元の声援、それでいて昨日の顔面掻きむしりのような、みっともない相撲、から、私はあまり琴光喜に期待はしていなかった。
 足が流れていた。負けて当然。普天王も良く残った。会場は静かに白けムード。磐石の白鵬と星ふたつ差では、いくら名古屋が熱くなろうと逆転はあり得ない。御愁傷様。

 深夜、普天王のブログに行ってみる。普天王のブログでは何時に書きこまれたかわからない。ニッカンスポーツから調べる。すると「午後六時半」だった。さすがに昨日の深夜二時と比べると早い(笑)。

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 琴欧洲、堅実

 琴欧洲が豪栄道の動きをよく見て、ゆっくりとした相撲。これでいい。慌てることはないのだ。己の実力、体力に自信を持ってとればいい。先々場所、ひどかったのはバタ足だ。あれがいちばん良くない。とにかく落ちついてとれば結果はあとから附いてくる。
 アナも解説の栃東も、これでいいと口を揃えていた。

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 ○白鵬 ●若の里

 平幕で赤丸急上昇の白鵬がどうしても勝てないのが若の里だった。六連敗。その後五連勝するが、若の里が十両に落ちて対戦がなかったこともあり、未だに通算成績は六勝五敗で若の里が勝ち越している。

 今日は白鵬、まともな立ちあい、上手で軽々と投げすてた。まともに立ちあえよ。張り差しなんて下品なこと、やめろよ。そうすればもっと品格がつくから。
 十日目
 ○北大樹 ●猛虎浪

 十両の8勝1敗同士の一戦。北大樹がうっちゃりで勝つ。ふたりともあまり大物感はない。

 ○栃ノ心 ●岩木山

 栃ノ心は負けたときだけじゃなく勝ったときもお辞儀がおざなりだ。栃乃和歌は基本の礼儀から教えねばならない。

 ●高見盛 ○露鵬

 大好きな高見盛が大嫌いな露鵬に負けた。最悪の展開。ビールがまずくなる。

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 勇み足かと思ったが!

 若ノ鵬が稀勢の里を攻めたてて勝つ。が、すぐにもの言い。アナが爪先が出ていましたねと言えば、北の富士は爪先どころか一尺も飛びでていたと笑う。お恥ずかしい話、私はいいかげんに見ていたのでこの勇み足が解らなかった。解らなかったのは私と本人のバカノ鵬ぐらいか。

 昨日あんな相撲で勝ったが、今日は攻めて勝った相撲が負けになる。これぞ天罰だとほくそ笑む。
 ところがビデオを見ると、アナも北の富士もあれれとなる。たしかにバカノ鵬は勇み足をしているのだが、そのとき稀勢の里の俵に載った踵もまた土に着いているのだ。じつに微妙。ほぼ同時。

 審議の結果、軍配通り若ノ鵬となった。ざまあみろとならずに残念だったが、ただ相撲は完全に若ノ鵬のものだったから、そんな意地悪な見方は止めよう。だらしない相撲で勝ちを拾ったのならともかく、今回は堂々と勝ったのだから。



 ところで昨日の相撲はそれなりに話題になったようだ。2ちゃんねるの芸スポ板にもスレが立った。
 そこに「変化してなぜ悪いのかわからない」と書きこんだ人がいた。つまらない人がいるもんだと思ったら、そのあと「バカノ鵬 本人登場」と叩きまくられていた(笑)。まともな相撲ファンが多くて助かった。

 まあ相撲スレが立ったら、それなりに相撲好きでないかぎり関わらない。さすがにそこに書きこひとはみな、相撲好きであり、それなりに通のようだった。

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 ○琴欧洲 ●若の里

 白鵬が若の里に六連敗していたことはよく覚えているのだが、それは今場所五分にした。いや未だに五分と驚くべきか。
 ところが記憶の缺落で、琴欧洲もまた若の里には分が悪く、未だに7対1であるとは知らなかった。まだ1回しか勝っていないのだ。今日勝ってやっと2勝目。
 関脇に定着し毎場所10勝していた頃の若の里がいかに強かったかである。だけどどうしても12勝、13勝があげられず大関にはなれなかった。そして白鵬との一番でのケガ。十両陥落。「運」を強く感じる。いや肝腎の時に12勝、13勝があげられなかったのだから実力か。

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 ○栃乃洋 ●千代大海

 栃乃洋が強い相撲で千代大海を突きおとす。それでも千代大海はまだ三敗。史上最多12度目の角番脱出は確実か。

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 ○琴光喜 ●安馬

 安馬が後ろ向きになってしまい琴光喜の完勝。昨日の負けが尾を引いているようだ。でも十日目で安馬が7勝3敗ってのはいい方だろう。

 いよいよ明日は白鵬戦。白鵬も全勝優勝できるかどうかの大きな一戦。安馬が乗りに乗っているのではなく連敗で気落ちしているのは白鵬に都合がいい。でも安馬はなんでもできる。さてどうなるか。

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 白鵬十連勝

 張り差しさえやめれば何の不満もない横綱なのだが。

 十一日目  舞の海と錣山の解説

 今日の大相撲中継のおもしろさ、魅力は正面解説の錣山、向こう正面解説の舞の海、ふたりの掛けあい、その適確な指摘の魅力に尽きる。

 愛弟子の豊真将が負けることに対して錣山の厳しい意見。というかこのひとは勝ったときも誉めないけれど。それでいて心配げに取組を見ていたりして好感度アップだったりする(笑)。

 残念ながら今日も豊真将は負け。どうも寺尾の解説日とは相性がわるい。
 アナの「よく稽古はしていますよね」に、「稽古はしますけど、考えていないから進歩がない。量をすればいいというものではない」との厳しい意見。舞の海も同調。



 ふたりが絶讃したのは豊ノ島。そういう考えた稽古をしているとか。また、舞の海が豊ノ島を、背は低いけれども、力が強いと、その肉体的資質を讃えていたのが印象的だった。
 その豊ノ島は、自分よりふた回り大きい稀勢の里を、舞の海の意見を裏づけるような力で持って行く相撲で勝つ。「稀勢の里の躰に、豊ノ島の性心があれば無敵」と舞の海。今度は錣山が同調。

 稀勢の里は張り差し。バカである。
 バカ青龍が連発した張り差しは、バカ白鵬が真似をする以外はたいして流行らず、日本人力士は影響を受けなかったが、唯一その影響を受けて流行に走ったのが稀勢の里である。それが若いってことなんだろう。ヴェテランと呼ばれる力士でこの張り差しに走った日本人力士がいないことはうれしいことだ。

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 把瑠都、変化

 出島相手におおきな把瑠都が変化。なさけない。出島は「出る出る出島」でまっすぐに来る。それこそ把瑠都もまっすぐ行くべきではないか。なんとも言いようのない虚しさ。
 把瑠都の変化に出島は倒れなかったが、躰が泳いでしまい、あっけなく送りだされる。だめだ、こんな相撲では、把瑠都。
 それでも土俵の外に出そうになる出島の腹に手を出して落ちないようにするなど、把瑠都の性格のよさが見えたのがかすかな救い。



 北の富士以来の十両全勝優勝を懐かしく思い、Wikipediaに行ってみる。
 初十両の時、12勝3敗で準優勝。このときの優勝が豊ノ島だった。懐かしい。迷いの中の把瑠都と、わが道を行く豊ノ島、対称的だ。

 十両全勝優勝を成し遂げたのは、北の富士、栃光、豊山。横綱一人、大関二人。四人目の把瑠都は、このまま低迷なのか。

 今日で7勝4敗だから、勝ち越しはするだろうが、まったく大物感のない、覇気のない相撲。こまったなあ。

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 北勝力、若ノ鵬に勝つ(笑)

 北勝力が若ノ鵬にのど輪。すぐに引く。バカノ鵬、落ちる。
 北勝力、初日。長く暗い十日間だったことだろう。
 解説の錣山が「私も十二連敗したことがあるんですけど」と語っていた。
 
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 千代大海、琴光喜に勝つ

 十八番の引き技に、琴光喜、足がついて行かずばったり。
 場内どっちらけ(笑)。
 千代大海、これで勝ち越し。角番脱出。また安心して負け超せる。



 龍二さんのすばらしい開脚写真は、
http://www.jiji.com/jc/p?id=20080723201347-7031686より。
 時事通信の相撲ニュースは、こういう写真入りで楽しい。



千代大海 12度目のかど番で勝ち越し

大相撲名古屋場所11日目、史上ワーストとなる12度目のかど番で勝ち越しを決めた千代大海は開口一番、「いやー、疲れた。脱出できた」と安堵の笑みを浮かべた。

館内には“琴光喜コール”が起きたが、回り込みながら攻めを残し、逆転のはたき込みを決めた。「完全にアウェーだったけど、テレビの前で自分を応援してくれている人がいると信じていた。最後は無我夢中だった」と心境を明かした。

12日目は全勝の白鵬に挑戦。「勝ちたいね。8番勝ったし、総決算のつもりでがんがんいきたい」と意気軒高だった。(スポニチより)


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 白鵬、安馬に完勝

 これで白鵬全勝に二番手は四敗。いやはやひどい場所だ。
 全勝か、誰かが土をつけるのか。
 ただ、白鳳優勝は朝青龍不在の場所に多く、これはイメージ的に損。今場所みたいに明らかに逃げたのに、なんとなく留守狙いのように思われる。
 前々からしたいと口にしていた名古屋での初優勝はうれしいことだろう。

 十二日目  豊響三敗

 テレビを点けたままPCに向かっていたら、幕内前半戦なのに「これで今日の白鵬の優勝はなくなりました」と言っている。どういうこっちゃと確認に行くと、豊響が三敗を守ったからだった。全然意識していない力士だった。
 これから白鵬が連敗して行くと三敗同士で豊響と決定戦。そして豊響優勝ということが数字の上ではありうるわけだ。なるほどね。

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 把瑠都、豪快

 高見盛との一戦。高見盛が内にもぐり、いい態勢になるが、大きな把瑠都が振りまわして吊りだす。もろに体力の差が出た一戦。
 高見盛も大好きなだけにあまり素直にはよろこべない。こういう豪快なのを大嫌いな露鵬や若ノ鵬に出せばいいのだが。

 それでも連敗スタートから、なんとか勝ち越した。勝ち越しインタヴュウでうれしそうな顔を見せていた。先場所五勝十敗と十五日間出場では最悪の成績だっただけに、今場所の勝ち越しはうれしいだろう。

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 豊真将、惜敗

 豊真将が栃乃洋に攻められながら、土俵を二周するぐらい、引いて引いて粘った。最後は逆転の投げ。
 ところがすぐにもの言い。二周のあいだにどこかで足が出たらしい。長い確認作業。カメラはそれを捉えていなかった。ちょうどそのあたりで行司が蔭になっている。
 結果、逆転負けだった。栃乃洋は最初から軍配に不満げだった。わかっていたのだろうか。

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 豊ノ島、うまい!

 若ノ鵬にすばやくもぐりこみ、ふた回り以上もでかいあちらが覆いかぶさるようにして攻勢に転じようとするところに足を飛ばす。決まり手は外掛け。うまいなあ。小兵力士が大型外人力士をやっつける。まさに相撲の醍醐味である。

 解説からは、「若ノ鵬は脇が甘すぎる」と厳しい指摘。
 相撲の奥深さに触れた若ノ鵬の精進に期待したい。(ぜんぜん触れてなかったりして。)

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 魁皇、幕内勝ち星歴代三位に

 昨日、幕内勝ち星が大鵬に並んだ魁皇が今日も勝って、三位になった。747勝。あとは千代の富士の807勝、北の湖の804勝。千代の富士まで60勝。一場所9勝6敗として、7場所あれば追いつける。あと一年とちょっと。可能か、無理か。

 魁皇自身は、偉大な横綱ばかりだからと記録に誇りも執着も見せない。私も無事是名馬の記録であり大鵬や貴乃花よりも偉大とは思わない。
 だがここまできたら、政治力横綱の千代の富士の記録を破って欲しくなってきた。もしも抜かれても、千代の富士は自分とは中身が違うと気にしないふりをするだろうが、何でも一番でないと気に入らない彼は、内心は不愉快でたまらないはずである。ここまで来たら、がんばれ魁皇。

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 九重の解説

 その千代の富士が今日の解説。
 いつもつまらないと思うのは、アナが大横綱大横綱と気を遣いすぎること。千代の富士ファンでない私からすると白けること甚だしい。

 解説のおもしろさと充実が現役時代の地位と無関係なのはおもしろい。

 しかしいつ見てもこのひと、下品だな。
 理事長を狙っているのに人望のないのがよくわかる。

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 安馬のとったり

 安馬がとったりで琴欧洲に完勝。うまいものである。とったりをやられると逆らえない。腕があぶない。しょうがないか。

 十三日目  ○玉鷲 ●光龍

 ふたりともモンゴル人力士。でも玉鷲は顔も体付きもかなり日本のお相撲さんぽい。
 玉鷲は玉春日のつけ人だったとか。十両筆頭なので勝ち越すと入幕できる。これで7勝目。光龍はいま3勝10敗で十両落ち濃厚。でも5勝して、もっと大きく負け越した人がいたら助かる可能性もある。その上位にいて大きく負け越している陥落候補が玉春日だったのだが、なんとか3勝をあげた。このままだと陥落をまぬがれそうだ。

 ○旭天鵬 ●把瑠都

 これ、見逃してしまった。ちょっと用事をこなしているときの一番だった。なんともタイミングが悪い。決まり手は吊り出し。旭天鵬がどんな感じで吊りだしたのだろう。(けっきょくこの日はダイジェストを見られなかったので、この一番は幻となってしまった。)

 ●普天王 ○若ノ鵬

 いい相撲だった。思わず普天王がんばれと声援する。残念ながら負け。でも正面からの相撲だからバカノ鵬を貶すのは止める。
 解説陣もみな、「今場所で相撲の奥深さ、むずかしさを学んでくれたらいいのだが」と口にしている。

 ○安馬 ●朝赤龍

 互いの技術の攻防を尽くしたいい相撲だった。私はモンゴル人力士が好きだけれど、こんな見事な一番がモンゴル人同士であることには、やはり日本人力士がんばれと言いたくなる。安馬10勝目。大関への足掛かりが出来た。

 豊ノ島、関脇に!

 小結豊ノ島が朝赤龍を破って9勝目。前に出るいい相撲だった。これで関脇琴奨菊の負け越しているから来場所の関脇が確定した。今場所は初日で朝青龍を倒し、さらに大関二人を破って三連勝なのに、その後星は伸びなやんだ。一時は五分になった。これでもう三勝は確実だ。

 169センチの小兵ながら、実力のあるいい相撲を取る豊ノ島の関脇昇進は目出度い。愕いたのは時津風部屋からは「1978年の藏間以来」とか。それ以来か。30年ぶりだ。それに「藏間って関脇まで行ったのか!?」とも思った。

 先日把瑠都の成績を調べたとき思い出したが13勝2敗で十両優勝もしている。そのときその2敗のうちのひとつが把瑠都がつけたのだった。

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 小結の座は?

 稀勢の里の陥落で小結の座が空く。本来なら安美錦の復帰だが彼も負け越し。星取表を見ると、二枚目の朝赤龍の復活か。五枚目の把瑠都より上の連中もみな負け越しなので、把瑠都も筆頭になるだろう。

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 白鵬、全勝しろ!

 白鵬が13連勝で優勝決定。あとは全勝するのみ。

 正面が舞の海。向こう正面に竹葉山。勝負に到る前、アナがここまで12日間の白鵬を問うとふたりとも百点満点と言う。
 竹葉山はともかく舞の海のこれにはがっかりした。

 意味のない張り差しで棒立ちになったときなど、かなり厳しい意見を言っていたはずだ。結果12連勝でも、舞の海には「全勝ですが、ぼくの評価としては80点。それは立ちあいの無意味な張り差しとかですねウンヌン」と厳しいことを言って欲しかった。
 竹葉山も、白鵬が以前よりも早く土俵に降りて柔軟体操を始めたり、したのものに指導したりと、姿勢のよさを誉めていたのは解るが、唯一叱れる師匠として、まだ苦言を呈してもよかったはずだ。

 今場所の白鵬は結果こそ13連勝であり、力が離れているからあぶない場面はなかったが、決して満点の相撲ばかりではない。辛口舞の海と師匠竹葉山の甘い採点には失望した。

 さて、全勝できるか。課題はそれだけだ。13日目の優勝決定は白鵬にはよくない。以前も千代大海の休場で優勝が決まったら、そのあと負けたということがあった。全勝して欲しい。せねばならない。

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 しかし今場所は朝青龍の見え見えの敵前逃亡もあり、つまらない場所だった。
 琴欧洲はしかたない。まだまだ課題は多い。いきなり今場所綱取りでもあるまい。
 朝青龍は稽古不足による衰えが始まっている。巻き返しはあるのか。もともと資質として白鵬の方がはるかに上だ。このままだと逆転はかなり難しい。まあ自滅だから、どうでもいいけど。

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 先場所の星取表

 をコピペ忘れたことに気づく。把瑠都の先場所5勝10敗の中身を確認したかった。スポーツ紙からコピーして掲載しておくことを忘れないようにしよう。
 ここに書いていることは、いわば「覚えていること」である。覚えていないこと、描き忘れたことを、星取表から思い出すのが楽しい。
 十四日目
 ○把瑠都 ●豊響

 すくい投げで把瑠都が勝つ。これで9勝。立派なのだけど、期待が大きいので相撲内容が物足りない。

 ○安美錦 ●若ノ鵬

 安美錦が下手投げで勝つ。安美錦は今場所負け越し。このひとの強さと弱さが興味深い。もっと注目してみてみよう。

 安馬、二桁!

 安馬が豪栄道を小手投げで破って二桁10勝目。これで大関への足掛かりを作った。関脇琴奨菊、小結稀勢の里が負け越す中、立派である。明日は把瑠都。どんな相撲になるのだろう。
 負けた相撲では、白鵬は完敗。これはしかたない。それでもここのところ五分の星をあげている。琴光喜戦は惜敗。これも諦めるとして、なんと言っても悔しいのが若ノ鵬戦での負け。この星は痛かった。もったいない。
 課題は琴奨菊戦。完敗が続いている。だいの苦手。なんとかしないと。


 ○魁皇 ●琴欧洲

 今場所の琴欧洲は10勝5敗でいいと思っていたが、ここで魁皇に負けてしまったので明日は厳しいから、9勝6敗の線が濃厚。綱取りを狙った大関のクンロクは恥ずかしい。でもそうなりそうだ。

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 白鵬14連勝

 優勝が決まった翌日だからポカがあるのではと心配したが、しっかり琴光喜を上手投げで投げすてた。あとは明日の琴欧洲戦だけ。琴欧洲にも先場所に続くいい相撲を見せてもらいたい。全勝成るか!? 

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 この日は4時から5時半までテレ東「ハッスル」の特番があった。くだらないのたけど、遊びに撤している分、新日を見るよりはまだまし。
 先日、新日を見ていたら、イスで殴るシーンがあり、そこからカメラは場内を映し、リングにもどると額から流血していた(笑)。クロネコの死後、誰がカミソリ係りなのか知らないが、いまだにこんなことをやっている。だったらインリン母さんと闘うボノちゃんを見ていた方が割りきれる。
 これを見ていたので相撲がいいかげん。でもそれは私よりも相撲の方の問題。

 今後白鵬はますます充実して行くだろうから、その他の力士ががんばらないと土俵は盛りあがらない。それはみんなで白鵬を倒せというのではない。白鵬は毎場所全勝優勝して欲しい。それに一敗で続く何人かがいなければならないということだ。老頭児(ロートル)大関には期待できないから、それは琴欧洲であり、安馬になる。
 千秋楽
 千秋楽は取組時間が早い。四時にもう幕内の取組が始まっている。

 玉春日が腰痛で休場。3勝12敗で十両落ちのようだ。まだまだがんばって欲しい。どうなるか。

 ●黒海 ○木村山

 黒海がはたき込みで勝ったがもの言い。もの言いの意味が解らないアナに、素速く舞の海が「マゲを掴んでいたのではないか」と指摘。もちろん私もなんでもの言いなのか解らなかった。ビデオで見ても、ちょうど向こう側で解りづらい。
 結果、黒海の反則負け。本人もわかっていたのか納得のような顔をしていた。

 しかし新入幕の木村山、来場所十両の山本山とか、本名から取る気楽なしこ名が増えてきた(笑)。本名でも輪島、出島あたりは様になっていたが。
 不思議だったのは霜鳥だ。どういうしこ名なのだろうと思ったら本名だった。いまは鳥を鵬に替えている。

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 ○将司 ●高見盛
 青森同士の対決。新鋭の将司にヴェテランの高見盛。切り返して将司の勝ち。
 高見盛のパフォーマンスもこれでまた二ヵ月見られないのかと思うとさびしい。ほんとに貴重な存在だ。

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 ●豊響 ○露鵬

 10勝5敗で敢闘賞受賞の豊響だが簡単に露鵬にはたき込まれる。今まで2戦2敗。これで3戦3敗となった。しかし舞の海も指摘していたが、露鵬のこれは読めたのではなかったか。なんとも残念な負けである。

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 ●栃ノ心 ○普天王

 栃ノ心の勝った相撲だったが同体で取り直し。結果は普天王の勝ち。流れとしては栃ノ心に気の毒。もの言いがつかなければ栃ノ心の相撲だった。でもこれも勝ちきれなかった自分の責任。
 まだ二十歳。上半身が薄くて下半身が充実という外人には珍しいタイプ。お辞儀の丁寧ささえ学べば期待大の力士。

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 ○雅山 ●朝赤龍
 押して押して押しまくる雅山。それに耐える朝赤龍。すばらしい熱戦。しかし最後は朝赤龍が引いて負け。「根負けしたね」と北の富士。安易に引かなかった雅山がえらい。今日の一番。
 雅山は数年前の押して引く千代大海みたいな頃より、むしろ今の方がまっすぐに押している。えらい。

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 ○若ノ鵬 ●栃乃洋

 7勝7敗の栃乃洋。勝ち越していれば三賞候補にもなっていた。
 若ノ鵬の張り差し。そのあともやたら両手を振りまわすようなチンピラ相撲。そこからはたき込まれて栃乃洋が落ちる。なさけない。朝青龍を負かしながら負け越しになってしまった。ましてこんなチンピラ相手に、内容もチンピラ相撲なのに栃乃洋が負けてはいけない。

 バカノ鵬は4勝11敗。さて来場所はどうなるか。すこしは心を入れかえてこい。

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 ○把瑠都 ●安馬

 把瑠都がのど輪を狙ってきた安馬を、右おっつけから浮かせて突きだす。空いている小結の座は東五枚目の雅山9勝6敗の雅山と西五枚目の10勝5敗の把瑠都の争い。これで把瑠都小結確定か。
 来場所、どのていどの相撲が取れるのか。横綱大関総当たりの地位になる。気魄を見せてくれ。楽しみだ。

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 ○豊ノ島 ●千代大海

 殊勲賞受賞の豊ノ島はこれまで千代大海に4戦4勝。豊ノ島には白鵬や琴欧洲と同じように、あるいは、稀勢の里等とはちがって「千代大海の壁」はなかったらしい。すばらしい。
 千代大海渾身の突き押しをちいさな躰で耐える。耐えて逆襲。身体を反らせてのど輪に耐えると、逆に上手を取って一気に持って行く。強いなあ。感動的だ。これで 10勝5敗。

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 ○白鵬 ●琴欧洲

 白鵬、いい相撲だった。琴欧洲も巻きかえから意地を見せた。だが腰の位置が違う。白鵬はよく割れていて、低い。
 先日竹葉山が言っていたが、白鵬は長身なのに腰が低い。よく割れている。それを舞の海に質問されると、腰を割らせることは入門の頃から言っていたと応えていた。それに舞の海が「長身なのにあの腰の低さはすばらしい」と讃えると、「最初はそんなに身長がなかったから」との応え。なるほど、 176センチの時に教えておいたことが192センチになって役立っているわけだ。この辺、最初から長身だった琴欧洲とは違う。
 全勝優勝は立派。不満もあるが、抜きん出て強いのは事実。角界関係者もみな絶讃。今日もアナも北の富士も頭をつけて死に物狂いの朝青龍とはちがって、誉めっぱなし。
 さあて、剣が峰のバカ青龍はどうなるのか(笑)。
 総論  白鵬時代の始まりと、どこもかしこも絶讃。私は立ちあいに不満があるが、今場所がみな強い勝ちかただったのは事実。だが、力が違うから勝てただけであって、万全とか磐石とかではない。

 期待は琴欧洲、安馬、豊ノ島だが、バカ青龍が何を思っているか(笑)。

 一度スポットライトを浴びたひとは、その味が忘れられない。まして朝赤龍は、ライヴァルに恵まれた貴乃花、曙、武蔵丸らとはちがって、ひとり横綱で好き放題をしてきた。いわば親の愛情を獨占し、わがまま放題のひとりっ子のようなもの。
 それがここで石もて追われるような状況は我慢できまい。モンゴルでの事業、ASAグループも大成功でもう一生遊んで暮らせる。だけどこのままでは終りたくあるまい。かといって今のままでは白鵬には勝てない。全勝優勝する白鳳のしたで、12勝3敗の横綱になってしまう。これはこれで来場所以降の展開が楽しみだ。




壁紙とGIFはhttp://sports.kantaweb.com/より拝借しました。
感謝して記します。

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