露鵬が3日間の出場停止-取組後、カメラマンに暴行
日本相撲協会は16日の理事会で、大相撲名古屋場所7日目(15日)の取組後にカメラマンに暴行を加えた幕内露鵬に対し、8日目から3日間の出場停止処分を決めた。(サンスポより)
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日本相撲協会は16日の理事会で、大相撲の東前頭3枚目、露鵬関(26)=本名、ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ、ロシア出身、大嶽(おおたけ)部屋=を同日から3日間の出場停止、師匠の大嶽親方(元関脇・貴闘力)を3カ月間の10%減俸と処分した。力士の出場停止は1943年に無気力相撲で例があるが、戦後は初めて。
理事会では大嶽親方が、写真記者らに対する暴力行為について「スポーツ人としてあるまじき行為。指導を徹底したい」と謝罪。生活指導部長の伊勢ノ海理事(元関脇・藤ノ川)が各部屋の師匠と力士に再発防止の通達を出した。現行の罰則には出場停止がないが、事態を重く受け止め、特別動議を出して出場停止を決めた。
また、北の湖理事長は「土俵の態度が著しく乱れている。礼儀作法は自覚をもって臨むこと」という厳重注意の張り紙を支度部屋に掲示した。【上鵜瀬浄】
◇通路での立ち止まり取材は禁止
露鵬の暴行を受けて日本相撲協会は16日、愛知県体育館の理事室、審判部室、力士風呂場の前の通路で立ち止まって取材しないよう報道各社に口頭で伝えた。異例の取材規制だが、通路が狭く再発防止を優先した判断という。取材対象となる理事室、審判部室への入室はこれまで通り認めた。北の湖理事長は「力士がすれ違う時に同じ行為が起こってはならない。再発防止はさらに検討する」と説明した。
暴力に対しては「深く反省し、指導する」と話した。処分には解雇、番付降下、給料手当減額などがあるが、出場停止は日本相撲協会の施行細則にない。しかし落ち度のない取材への暴行を重視し、「状況に応じて考えた」と言う。さらに露鵬の成績(4勝4敗)を挙げて「勝ち越しが難しくなる重い処罰」と話した。土俵下でにらみ合った7日目の取組は、千代大海とともに既に注意を受けている。【上鵜瀬浄】
▽露鵬関の話「悪いと思っている」
殴るつもりではなく、悪いと思っている。これからは気をつけたい。(ロシアの)父から電話があり、怒られた。インターネットにサッカーのジダンと並べて、自分の写真が使われていたらしい。場所に戻ったら思い切り相撲を取る。
◆これが施行細則94条、同95条だ
日本相撲協会施行細則94条 年寄、力士として相撲の本質をわきまえず、協会の信用もしくは名誉を毀損(きそん)するがごとき行動をなしたる者、あるいは品行不良で協会の秩序を乱し、勤務に不誠実のため、しばしば注意するも改めざる者ある時は、役員・評議員・横綱・大関の現在数の4分の3の特別決議により、これを除名することができる。
同95条 年寄・力士・行司・職員およびその他協会所属員に対する賞罰は、解雇、番付降下・給料手当減額・けん責の四種とし、理事会の議決により行うものとする。
◆毎日新聞社が協会に抗議
この問題で毎日新聞中部本社は16日、日本相撲協会に抗議した。
同本社の中山義彰編集制作総務が(1)ルールを守って写真取材をしていた記者への暴力は極めて遺憾(2)今後、こうした行為が起きないよう協会の対応を求める--と口頭で申し入れた。これに対し、日本相撲協会の伊勢ノ海理事(生活指導部長)は、毎日新聞社に対し謝罪したうえで、「力士が土俵内外でマナーを守るよう協会として各部屋を指導する」と述べた。毎日新聞 2006年7月16日
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○八日目の相撲
肝腎のことがおろそかになってしまった。観ながら書いていたので文はある。
○雅山 琴奨菊●
土俵際まで押し込み、引いて勝つ雅山の相撲。いつもこれをやるから嫌いだった。千代大海も同じ。
ところがここ二場所、雅山はこの引きをやらず、押した場合も、突っ張った場合も、そのまま押し出した。だから相撲が変ったと応援する気分になっていた。結局はまたこの形になった。
解説の琴錦(竹縄親方)は「不調なときはこんな勝ちかたでもいいでしょう。白星がなによりの薬ですから」と軽薄に語っていた。いやとにかく琴錦、軽い軽い(笑)。
思えば天才力士として騒がれ幕内最年少の時期もあった人だった。結局大成しなかったが平幕で二回優勝している。天分は誰もが認めていた。問題は精神だったのだろう。
ここのところ旭豊、琴ノ若とごく普通に話す親方らしくない親方が連続していた。琴錦になるともうその辺のインチキ不動産の営業マンのよう。いくらなんでも軽すぎる(笑)。
○琴光喜 把瑠都●
把瑠都3敗目。これまたいい勉強になったろう。立ち会いの上手下手。ぶつかった瞬間、琴光喜はうまく中に入っている。どんな形でもまわしを取れば何とかなる把瑠都は右上手にこだわる。つかんだと思った瞬間、はたき落とされていた。左足が流れている。ついていっていない。敗因はあれだ。
琴錦が把瑠都はそんなに重くないと琴光喜と話していたと、自部屋の力士が勝ったものだから勝てば官軍の解説。ああいう大きい人は棒立ちにすれば重心が後ろにかかるのでウンヌンと言いたい放題。けったくそわるい。
把瑠都、来場所琴光喜を叩きつぶしてくれ!
戻ってくる把瑠都がかわいい顔で悔しがっている。ほがらかに悔しがっている。この笑顔がこの人の魅力だ。そこが露鵬と違う。
立ち止まっている控えの通路にテレビがあるらしく、勝負の終った力士はみな、そこで自分のヴィデオを見るらしい。そこにいる把瑠都を意識して、アナが「ヴィデオを見せて上げましょう。勉強をしてもらわねばなりません」と笑いながら言う。不快。
今の世の中、みんなこうなって行く。いちばん嫌いなのがフジのアナ。競馬中継などもう音を消す。実況を聞いて不愉快になりたくはない。NHKまでそうなれなれしくなりなさんな。まったくもう何様のつもりだ。力士になれなれしいことがいい中継ではない。
とはいえ彼もまた私の把瑠都に対する気持ちと同じく、ファンであり、いとしくてかわいくてはしゃいでいる、とも言える。でもそこに一線を引くのがプロの仕事だろう。
誰よりも多く把瑠都の怪物性と前代未聞のすごさを口にしていた北の富士が、琴光喜に完敗したのを見て、「相撲はそんなに甘くありませんよ」と一転しての辛口。この人、それが持ち味なんだろうけど、ころころ変りすぎる。
とにかく把瑠都、来場所琴光喜を突き飛ばしてくれ!
○千代大海 白露山●
弟が出場停止になった兄の敵?をうつとおもしろかったがあっけなく負け。
露鵬の問題は、風呂場のガラスを割り、カメラマンを手でなぎ払って結果的にけがをさせたということで完全に露鵬が悪役になってしまったが、私の見解では、土俵下で「なんだ、おら」と言ったという千代大海にも問題がある。しかし露鵬はそのあと、礼をしなかったのが致命的。これは絶対に許されない。
○白鵬 稀勢の里●
白鵬がいい相撲で勝った。左四つ。左下手投げから巻き替えて諸差し。稀勢の里もよくやった。
勝っても負けても不満げなふてぶてしい顔をしている稀勢の里が、寄り切られたあと、すがすがしい「まけたあ」というさっぱりした顔をしていたのが印象的だった。
○栃東 露鵬●
栃東不戦勝で角番脱出。栃東は朝青龍、白鵬に分がいい。後半の台風の目か。
なんとしても今場所は白鵬は勝つだろうが。
○琴欧州 魁皇●
魁皇が諸差しになってしまい(笑)、あっけなく寄り切られる。琴欧州の圧力の強さなのだろうが、アナも解説の琴錦も「諸差しになられたことがないので戸惑ったのではないか」と言って笑っていた。
○朝青龍 安馬●
四つになり、寄り切られるかと思った安馬が土俵際で残り、場内が沸いた瞬間に強烈な右からの下手投げ。安馬ファンとしてはせめてあと数秒、わくわくさせてもらいたかった。
横綱は昨日からまたサポーターを巻いているがいらないだろう。
「右でも左でも投げを打てますからね」と北の富士。
やはり優勝一番手は横綱だ。次いで白鵬。それ以外は問題外。