2007
12/12
 橋下弁護士、大阪府知事選に出馬!

・タレントとしても活動する橋下 徹弁護士(38)が、一度は否定していた大阪府知事選への出馬に向け、関係者との調整に入り、12日、出馬会見に臨むことがわかった。

 橋下氏は、自民党の関係者から一度は出馬の打診を受けたものの、5日に「出馬する意思がまったくない」とするコメントを発表していた。
 しかしその後、橋下氏は、自民党の有力議員と接触し、今週に入り、出馬に向けた意欲を示し、関係者との間で、府知事選出馬に向けた調整に入った。

 橋下氏は、コメンテーターなどとしてテレビ番組に数多く出演し、プライベートでは、7人の子宝に恵まれていることでも知られている。
 橋下氏は、2006年に「ベストファーザー賞」受賞した際には、「あいさつしない子には、頭をたたいてます」と語っていた。

 そんな中、にわかに持ち上がった大阪府知事擁立の動き。
 その動きは、本人からの不出馬表明により、いったんは立ち消えとなりかけたが、その際、同じ弁護士仲間で、先に政治の世界に足を踏み入れた丸山和也参院議員は、「まだ30代ですからね、いくらでもこれからチャンスはあるだろうし、彼自身は政治に関心を持っていると思いますから、やっぱり、まだ踏ん切りがつかないんじゃないですか。本当に出るんだったら、応援しようと思ったんだけれども」と話していた。
 http://headlines.yahoo.co.jpl


------------------------------

 私は橋下弁護士と思想的に近いのでこの出馬を支持する。今のオオタなんていう女などよりよほどいい。あんなのに八年もやらせている大阪はなにを考えているのか。
 明日の出馬会見からしばらくはお祭り騒ぎだろう。夕方、「出馬はまったくありえません。初めて聞きました。2万%ありません」と言っている12月6日の映像が流れていた。一週間前「2万%ありません」と言っていた人がいきなり出馬では突っ込まれるだろう。なんと弁明するのか。
 確実に当選するというので西川きよしの名が取りざたされていた。家族の反対で出馬しないとコメントが出ていたが、これも対戦相手が決まり楽勝となったら出てきたろう。彼などより橋下弁護士のほうがずっといい。

「行列」で知ったころは、受け狙いのへたなギャグを言ってはすべっているという軽薄な若手弁護士というイメージしかなかったが、テレ朝等での硬派番組に出ると極めてまともなので見直した。その点、フツーの人より昼間のワイドショーをよく見ているので自信を持って言い切れる。(その分、夜のドラマ等はなにも知らないが。)
 今も覚えているのは、テレ朝の昼の番組に出たとき、憲法改正に関して、自民党と民主党の大半が賛成し、国民もこれだけ賛成しているのだからもう社民党や共産党の反対は無視して改正に踏み切ってもいいのではないかと発言したことだ。アサヒシンブン解説者等がおろおろしつつ反論していた(笑)。ああいうおもしろさは生番組ならではである。

「たかじん」での発言も貴重だ。関東にネットされていないそれをインターネットのお蔭で見られるのだからうれしい時代である。「橋下弁護士の対抗馬に、民主党は安田弁護士を立てたらどうだ」という意見があった(笑)。実現しないか?

 つまり「情報」ということで言うと、私が「行列」しか見ていなかったら、このホームページのこの箇所に、「ハシモトという髪を染めた軽薄な弁護士が大阪府知事選に出馬とか。大阪には他に人材はいないのか。なさけない」と書いていた可能性も高いのである。そしてまた世間にはそういうイメージもまだまだ強いのであろう。
 在宅仕事なので、真っ昼間に主婦しか見ていないようなワイドショーを見ていると罪の意識を感じることがある。いや罪の意識じゃないな、なんていうんだろう、「おれ、なにやってんだろう」的な惨めさである。それでもこんなことになると、自分は「行列」だけじゃなく橋下弁護士の真っ当な意見の部分を知っていると誇りたくなる。すくなくとも「行列」しか見ていなくて彼を判断する人よりも私は正当だろう。

------------------------------

 三十八歳の府知事が誕生したら反対勢力も燃え上がる。自民党をバックにどこまで思い切ったことが出来るか、楽しみでならない。短命に終ろうと思い切り強権政治をやってもらいたい。大阪市立大学に代表される大阪のサヨクも、「あんなチャラチャラした男に府政をまかせていいのか」とマイナスイメージを強調してつぶしに来るだろう。大阪の在日朝鮮人パワーとはどう対処するのか。
 挌闘技の番組として見た場合、ひさびさにわくわくするおもしろさである。つまり、西川きよしではそれがない。ノックにも。

 しばらくはこのネタを追うことになるだろう。さてどうなるか。民主党の「獨自候補」が誰になるか楽しみである。まさか辛坊が民主党からってのはないと思うが。声を掛けられているようだから、あったら幻滅である。彼の主張と民主党は相反する。ともあれこれからの展開が楽しみだ。ミルコとヒョードル戦決定以来のワクワク感。

------------------------------

◎都知事選の黒川氏

 そういえば今年春には都知事選があって盛り上がったのだった。あれが盛り上がったのは「黒川紀章の出馬」がおおきい。「自民党対民主党=石原対アサノ」という構図の中で、黒川氏の言いたい放題はおもしろかった。
 あの人は高名な割りにテレビ的なメディアには登場しない人だった。私も雑誌ではたびたび見かけたが肉声を聞いたのは初めてに近い。結果として、死を知っていたがゆえの最後のパフォーマンスのようになってしまった。
 先日『文藝春秋』の若尾文子の追悼文(といってもインタヴュウ構成だが)を読んだ。あの都知事選出馬がなかったら、彼の死は「一般人にはあまり馴染みのない高名な建築家の死」で終ってしまったろう。若尾文子も舞台が主の幻の女優のようになっていたし。それが有名芸能人の死ののように話題になったのは都知事選出馬があったからだ。あの時期の政治への参加は、自分という建築物を一般大衆に披露するという彼の仕掛けとするなら鮮やかな演出だった。自分の死によって彼は若尾の名も高めていった。見事だと思う。

12/13
 記者会見

「2万%ない」から見た目もガラリ!橋下氏、低姿勢出馬会見

 タレントで弁護士の橋下(はしもと)徹氏(38)が12日、来年1月の大阪府知事選(10日告示、27日投開票)への出馬を正式表明した。大阪市内での会見では、トレードマークの茶髪や色つき眼鏡を封印する変貌ぶり。出馬否定から一転した背景に、番組で共演する“関西のご意見番”歌手のやしきたかじん(58)とタレントの島田紳助(51)から後押しがあったことを明かした。

 心境を表すかのような“変身会見”だった。午前10時、大阪府庁の会見場にはふだんのラフなスタイルとはまったく違う橋下氏が現れた。

 髪は黒く、カラーレンズの眼鏡もなし。濃紺のスーツにえんじのネクタイ。100人以上の報道陣が詰めかける中、約2時間も話し続けた

 5日に出馬が報じられた際は「2万%ない」と否定。一転しての出馬だが「(政党から)要請を受けて断ったら38歳の自分としては生意気なので、当初から話はなかったとコメントをした。ウソといえばウソだった」と釈明。「収録済みの番組や、裁判など継続中の仕事の調整がつかなかった」と説明した。

 最終決断は前日11日。再度出馬が報じられ、出演番組の司会を務めるやしきたかじん=顔写真=と紳助に電話で相談した。たかじんからは「今しかない。行け」、紳助からも「ええんちゃうか」と背中を押されたという。

 外見のイメチェンには「茶髪やサングラスは私を支持してくれる人へのアピール。でもこれからの私の立場は多数決。知事職は反対する人の税金も使うのだからスタイルは変えなくては」とキッパリ言い切る。

 自民、公明両党が同氏を推薦する方向で調整しているが、選挙戦について「党の推薦も何もないので、タレントに応援要請しないとは今は言えない」「一緒に府政への思いを述べて頂ける方には応援をお願いしないと乗り切れない」などと、たかじんら著名人動員を示唆した。

 質問に対して持論をとうとうと語る冗舌さは変わらない。午後にも別に会見を設定し、合計約4時間の異例のロング獨演会。今回の「否定↓一転出馬」への厳しい批判も意識してか、「同世代から50、60代の男性にすこぶる評判が悪いとの認識もある」などと、とにかく低姿勢に徹した。“ニュー橋下”を強調するイメージ戦略か。選挙戦は事実上、始まっている。

★橋下氏に聞く

 ――出馬の経緯は

 「大阪市長選の際に声を掛けてもらい、機会があるならやってみたいと思うようになった。出演番組の調整が難しかったが、紳助さんに『ご迷惑おかけするかもしれません』と言ったら『ええんちゃうか』と。たかじんさんにも『今しかない。行け。番組のことは全部オレが責任を持つ』との一言をいただいた」

 ――知事として何をしたい

 「重点テーマにお金をつぎ込み、大阪を特徴づける。企業を呼び込み人を呼び込み、とにかく子供が笑うというテーマに沿っていきたい。石原(慎太郎)さんのパクリといえばパクリだが、駅前保育の施策には感動した。府民参加のマラソンもしたい。大阪が明るくなる畑を耕し、種をまいて水をやりたい」

 ――確信的にウソ(出馬否定)をついたのか

 「うそではない。仕事の調整がつくまで出馬できないのは間違いではない。二転三転と言われればそうかもしれないが、それは手続き上のこと。大阪を変えたいという気持ちに変わりはない」

 ――マニフェストは誰と協力して作るか

 「お願いしているのは堺屋太一さん。ある弁護士を通じて堺屋さんとお会いして、知事選出馬に至る人間関係のきっかけができた」

 ――これまでの生き方は品行方正ではない?

 「若いころのやんちゃ事を隠すつもりはない。大阪を明るく元気にしたいというのは他の候補者より優れていると思う」

------------------------------

12日朝10時に記者会見ということで、午後と夕方のワイドショーを楽しみに見た。意外だったのはどこも大きく取り上げたがそれがみな短かったこと。5分もない。出馬表明と出ないと言っていたことの釈明、シンスケ、たかじんとのこと、そのあとすぐに会見場をあとにする姿になった。どの局も同じである。その5分のあいだには北村弁護士、丸山弁護士らのコメントが入っているから彼自身の露出はすくない。だから私は橋下弁護士が、まだマニフェストも決まっていないことから、とりあえず出馬表明だけして手短に会見を切り上げたのだと思った。ところが13日になって上記のような記事を読むと会見は2時間、午後からもやり、質疑応答を含めると4時間のワンマンショーとなっている。

 たぶんそれはマスコミの不偏不党の原則に則った偏らない取材姿勢ということなのだろう。実際すでに立候補を表明している共産党の弁護士の模様は何も伝えられていない。今回橋下のついでに名が出てやっと名前と顔を知ったようなものだ。共産党候補のことは特集せず橋下ばかりやったら偏向報道になるし、芸能ニュース扱いになる。それでも朝青龍問題をこれでもかというぐらい詳しくしつこくやっているのに見慣れていたから、あまりにあっさりしていることに愕いた。政治絡みだとこうなるのだろう。実際やればやるほど橋下の宣伝になるから控える気持ちはわかる。

 記者会見を見て感じたことはそれに尽きる。

------------------------------

============================================

 テレ朝の字幕──奇弁

 テレ朝の朝のワイドショーで橋下弁護士の記者会見の模様を流していた。最近は聴覚障害者のためか異様にスーパーが入る。ヴァラエティ番組での強調はおもしろいけれど、すこし出し過ぎのような気もする。

 出ないと言っていたのに出馬したことを問われた橋下弁護士が「キベンと言われればそうかもしれませんが、府政にかける情熱で」と語っているとき、「奇弁と言われれば」と字幕が出ていた。奇弁というコトバは知らないけれど、この場合適切なのは詭辯であろう。すくなくとも前後から判断して橋下弁護士が言ったのは「詭辯」についてである。

 このごろではこんな言葉もあるのかと辞書を引く。私の持っている数冊の辞書に「奇弁」は載っていなかった。推測するに、奇妙な弁舌というような意味なのだろうか。そういうコトバがあってもいいと思うが、橋下弁護士の言ったのは「詭辯」についてであり、それとは関係ない。「奇妙」と「弁舌」を出し、「妙」と「舌」削除して、「奇弁」を作っていま書いている。こんなものを辞書登録する気はない。

 不思議でならないのは普通のIMEは「きべん」と打って変換すれば自然に「詭辯」になる。「奇弁」とするほうがむずかしい。このスーパーを挿入している人はなんでこんな奇妙な文字を打ったのだろう。意図的なのか? おそらく「詭辯」という言葉を知らなかったのだろう。それと機械の問題だ。

 テレ朝の深夜ヴァラエティ番組で、タレントの言う言葉をその場で画面下段のスーパーに変換してゆくことがある。「尻取り選手権」等。その変換が歯痒い。まるでむかしのワープロだ。ローマ字入力の単漢字変換で奇妙な文を作ってゆく。まちがって入力され、直されつつ書き込まれてゆくのだが、その二歩進んでは一歩下がる進行が信じがたいほどレヴェルが低い。まだるっこい。PCでATOKを使っている当方からすると一瞬で出来ることだ。なんであんなにバカなFEPを使っているのかと理解に苦しむ。それほどひどい。画面にスーパーを出す機械は今もあのレヴェルなのだろう。最新のテレビ局の現場でなんでそんなに機械のレヴェルが低いのかわからないが。

 今回も橋下弁護士の発言を聞きつつ担当者がスーパーを作った。するとその機械は「キベン」と打っても「詭辯」とは出ない。「キベン」のままだ。それで担当者が、「キベンとは奇弁かな?」と思い、「キ」を単漢字変換で「奇」に「ベン」を同じく「弁」にして、「奇弁」なる珍語を作ったのだろう。同じテレ朝だから同じ機械なのかもしれない。
 テレビ局のやったこととしてはかなり恥ずかしい。

------------------------------

 目次の「奇弁」は赤字にした。こんな字を使う人と思われたくない。でも最新の『広辞苑』には載っているのかな(笑)。

 と、ここまでは調べものをせず自分の感覚で書いた。このあとインターネットで検索して以下のことを知る。

 また、ATOKは「奇弁」なるコトバを変換できないと思いこんでいたが変換すると知る。変換候補の一覧にあった。さすがまともな言葉はなくても時代にはおもねるATOKだと呆れる。何度も書いているが、「もーにんぐむすめ」と入れて変換すると「モーニング娘。」と「。」附きで変換されることになんの意味があるのだ。もっとやるべきことがあるだろう。

 「奇弁」とはすでに流通していることばであるらしい。だが私の持っている辞書になかったようにかなりあたらしいものであろう。私は『広辞苑』は第四版を使用している。最新版のように不用な流行りことばを収録してなくて気分がいい。これには載っていない。


============================================



き‐べん 【詭弁・詭辯】

道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。「―を弄(ろう)する」
《sophism》論理学で、外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法。
[補説]
1 は「
奇弁」、2 は「危弁」とも書く。
[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]


 くだらねえ(笑)。「奇弁」だけでたまらんのに、なんだ「危弁」て(笑)。「アブナイ弁舌か」。使いたくないことばである。
 Win98時代に高い金を払って買ったCD-ROM『大辞泉』がWin2000以降に対応せず使えなくて残念だったのだが、こんなことが載っているなら使えなくてけっこうだ。でも正規の紙の辞書には載っていなかったのではないか。この「補説」なるものはインターネット辞書としてあとからくっつけられたような気がする。

------------------------------

http://members.jcom.home.ne.jp/w3c/kokugo/paper/yomiuri.htmlより引用

しかし常用漢字だけでは表現できない場合があり、このような時には常用漢字以外の漢字(表外字)を含む語は「安堵→安心、ほっとする」「諧謔→ユーモア」「詭弁→奇弁」「燻製→薫製」のように、わかりやすく言い換えたり同音の常用漢字に置き換えたりしています。

さあ、ここから讀賣新聞の──否、「日本新聞協会に加盟する各紙」が共同で行ふ──堂々の「奇弁」の始まりである。

「わかりやすく言い換えたり」──「安堵→安心、ほっとする」「諧謔→ユーモア」の事を指すのだらう。だが、安堵よりも安心の方がわかりやすいだらうか。「諧謔を弄ぶ」を「ユーモアを弄ぶ」と言換へられるだらうか。

「同音の常用漢字に置き換えたり」──「詭弁→奇弁」「燻製→薫製」の事を指すのだらう。實は「詭弁→奇弁」には前段階があつて「詭辯→詭弁→奇弁」と云ふ3段階の「置き換え」が行はれてゐる。まづ、「辨辯瓣」を「弁」一つに纏める事は、言葉の意味を不明瞭にするもので、「わかりやすく」したとは言へない。また「詭→奇」では意味が異なる。「詭」の意味は「いつはる。あざむく。だます。」である。「奇」では「めづらしい。すぐれてゐる。不思議な。思ひがけない。」とあつて、やつと「いつわり。」の意が出てくる。嚴密にはこの二つの文字は別の意味を表す。或は「奇」は「詭」よりも意味が廣く、曖昧である。結局、「詭→奇」の「置き換え」は、一つの字に澤山の意味を持たせようと云ふもので、言葉の意味を不明瞭にするものであると言へる。「燻製→薫製」では、「薫」に「いぶす」意味がないのだから、完全に別の意味になつてしまふ。


------------------------------

 なるほど、私の使っている古い『広辞苑』や小学館の辞書には載っていないが、今の新聞ではむしろ「奇弁」のほうが主流なのですね。すると新聞社やテレビ局の機械ではむしろ「詭辯」ではなく「奇弁」と変換されるようになっているわけですか。勉強になりました。最近新聞読んでないからな。これを知ってますます読む気がなくなった。

 テレ朝の機械も「詭辯」と変換できないのではなく「キベン」と入れたら「奇弁」になるように設定されているのか。まあ関わりたくない世界。
 引用させて頂いた文にあるように「」と「」は意味が違う。「詭辯」と「奇弁」は異なる。橋下弁護士がしゃべった「キベン」は明らかに「詭辯」についてでであり、「奇弁」ではない。最悪でも「詭弁」にすべきだったろう。

 私は高島俊男さんがおっしゃる「大和言葉はかなで書け」にしたがっている。古くは本居宣長から始まり、福沢諭吉翁も同じ考えである。
 同様に「本来の漢語は正しく書け」とも思う。改良が上手な日本人が獨特の漢字単語を作るのはよいことだ。中華人民共和国の「人民」も「共和国」も英語を訳して日本人が作った単語である。本来の中国語にはなかった。今流通している漢字単語の半分は日本人の創造といわれている。漢字の御本家中国は日本人の作った用語を用いないと自分たちの国名すら名乗れないのである。

 改良好きの日本人のセンスはそれはそれでいいと思うが、無意味な文部省の字数制限にしたがい、「奇弁」なる新語を造り出す感覚は首肯できない。いや「奇妙な弁舌」という意味で「奇弁」があってもいいが、本来の「詭辯」の意味を「奇弁」に置き換えてしまう強引なチカラワザは認められない。それこそ「奇弁」であろう。
 いやな世の中である。画数がすくなく書きやすいから、これからますます「キベン」の主流は「奇弁」になりそうだ。せめて「詭弁」までは護りたい。「詭」は「ごんべんに危ない」だからさほど難しい漢字ではあるまい。

------------------------------

 北朝鮮による拉致被害者は、事件が表面化したころ、新聞では「ら致」とカナ漢字混在のみっともない表記だった。「拉」が常用漢字になかったからである。もともと「手偏に立つ」という簡単な字だ。やがて「拉致」と表記されるようになった。やれば出来るんだ。
 「詭弁」の「詭」がどうなのか知らないが、常用漢字にないから「奇弁」と奇妙なことばに置き換えるよりは、「詭」の字を使えるように運動することの方が正しい発想だろう。

「零戦の思想」という考えがある。「最初に器の大きさを決め、そこに課題の能力を詰め込んで可能にしてゆく方法論」だ。今ならさしずめ「ウォークマンの思想」か。対してアメリカは最初に能力を決めて始め、器の大きさは出来上がるまでわからないと発想と言われる。

 憲法がそうだ。憲法はいじらない=器の大きさは変えない、を前提に、無理矢理拡大解釈、曲解、こじつけをして自衛隊は合憲か違憲かとやっている。あんなもの違憲に決まっている。勝者が敗者に二度と軍隊は持ちませんと誓わせ押しつけた憲法だ。合憲のはずがない。同じく海外派遣も。
 憲法という腐った枠をまず破壊し、自衛隊を正規の日本国軍とする発想になぜ行かないのだろう。

 漢字に関しても同じだ。「常用漢字という器」の中で無理矢理工夫している。詭弁の詭の字が使えないから奇弁なんてものを作り出すのは憲法の曲解と同じである。憲法改正の手続きは煩雑だが漢字改正は難しくない。敗戦国コンプレックスで漢字を旧弊の象徴とし、全面的に廃止しようとしていた愚かな時代に決められたのが当用漢字、常用漢字である。なんでそんなものをいまだに大切にせねばならないのか。常用漢字の枠組みを撤廃すればいいのだ。零戦もウォークマンも島国根性が生んだ傑作だが、常用漢字の枠組みはそうではない。そんなものは突き破ればいい。

 前記引用したかたの文は、読売新聞を「奇弁」的な使用者の代表として批判している。読売新聞にこそこの撤廃の先頭に立って欲しいと願う。産經は可能な限り寄稿者の漢字をそのまま使うようにがんばっているのだから。

 産經の橋下弁護士出馬報道

  そんなわけでテレビでは思ったほど橋下弁護士の出馬会見を詳しく見られなかった。ところが意外にもネットの「MSNサンケイ」にかなり詳しく載っていた。「会見の模様」が1から6まで掲載されていたのである。これはこれで異様だ(笑)。

 それは産經が橋下弁護士の出馬(=思想)を好ましく思っているからだろう。私はこういう堂々の偏向が大好きである。最もたちの悪いのはアサヒのように公明正大な振りをしている偏向だ。まあまともな思考力があれば誰でも気づくが。
 さてアサヒの報道はどうだったのだろう。

1/24


 その後、大阪府知事選のニュースは関東ではほとんど流れなかった。テレ朝の昼のワイドショーで、候補者の討論会を一度見ただけである。そしていきなり投票前夜になる。書きまくる予定だったのになにも書けなかった。だってニュースが流れてこないのだから。以下はブログに書いたもののコピー。そのあとも同じく。

---------------



 昨年春、都知事選のことを書きまくったように、大阪府知事選のことをシリーズ?のようにして書こうと思っていた。
 ところが露出そのものが少ない。討論の場もない。東京から見て大阪はそんなに興味のない街なのか。

 大阪ではどうなのだろう。連日ワイドショーで討論したりしてもりあがっているのだろうか。知るよしもない。

 いま海外旅行には行きたくないが、こってこての大阪で一週間ぐらい過ごしたい。大阪は異国だ。

---------------

【附記】

「ニコニコ動画」で検索し、「熊谷陣営が橋下候補を誹謗中傷するビラ配布」という大阪のニュース番組を見ることが出来た。有権者の声もひろってあり、いいニュース番組だった。
 ありがたい時代である。それにしても関東のテレビ局よ、もうすこし流してくれ。

 

1/27

大阪府知事選──街頭演説を見る


 2ちゃんねるの「ニュース速報+」に貼ってあったリンクから、大阪府知事選の街頭演説を見ることが出来た。JanJanというサイトである。感謝。

橋下徹
http://www.tv.janjan.jp/movie/election/osakafuchijisen/080119hashimoto/el0801210285_v_01_2.php
熊谷貞俊
http://www.tv.janjan.jp/movie/shiminkisha/0801128827/s0801128827_v_02.php
梅田章二
http://www.tv.janjan.jp/movie/election/osakafuchijisen/080119umeda/el0801210287_v_01_2.php

ワイドショーでの討論会は二度ほど見たが、質問等を司会が仕切ってしまうのでつまらない。テレビ局の偏向もある。もっとも今回、その偏向に腹立つほどの量すらなかった。大阪府知事選は朝青龍よりも価値がないらしい。なさけない。

私はごく普通の街頭演説が見たかった。候補がテレビ局が用意した質問と制限時間に振り回されない自然の声が聞きたかった。それが叶った。まことにありがたい。橋下のは17分もたっぷりとあり、公立学校の教育に関して語っていた。納得できる内容だった。

熊谷は11分だが、充分に彼の感覚が伝わってきた。
この人、演説へただね(笑)。
相変わらず「ゆとり教育」を口にし、アメリカの教育制度を讃えていた。おかしいわ、やっぱり。学者なのかな。

橋下の発言。
「ゆとり教育と言っている役人達はみな自分たちのこどもは私立に入れている」は事実。

「熊谷候補は灘中、灘高出身なのに、それを口にせず公立学校の充実を言っている」。そのあと東大のエリートだからね。この辺は公立の中学、高校を出ている橋下に説得力がある。

M先輩が娘さんふたりを私立の中学にいれたあたりでは、まだ私は公立学校の荒廃に関する智識がなかった。公立で充分と思っていた。いまはわかる。学費さえあれば誰だって私立に入れたいだろう。それが叶わない人のために、公立をまともにする努力は缺かせない。
M先輩の場合も川崎の公立小学校がどうしようもなくての決断だった。

明日はもう投票日。こちらでははなはだ盛り上がらない府知事選だったが、投票前日に生の遊説姿を見られてよかった。

2008年01月27日

大阪府知事選──タレントの応援


“必勝”仕事人・藤田まことが橋下氏斬り

 俳優の藤田まこと(74)が23日、大阪府内で、大阪府知事選に立候補している熊谷貞俊氏(63)の選挙応援を行った。
藤田は「もう懲りてるんですわ、ノックさんのおかげで。タレントを知事さんにするのはやめましょうや」と、代表作「必殺仕事人」のごとく対立候補の橋下氏をバッサリ。
強力援護に、熊谷氏も「ホンマうれしい。仕事人の魂、本気の魂を私ももらいたい」と手応えを感じた様子だった。

---------------

 大阪府知事選(27日投開票)まであと2日に迫った25日、各候補は最後の追い込みに入った。

 優勢が伝えられているタレントで弁護士の橋下徹氏(38)を追う元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)の応援には、遠山の金さん役で知られる俳優の西郷輝彦(60)が登場。23日の“必勝仕事人”藤田まこと(74)に続き、対立候補の橋下氏批判を繰り広げた。
 ミカン箱の上に立った西郷は、「今までいろんな舞台に立ってきましたが、こういう小さな舞台は初めて。これじゃあ、桜吹雪も出せねえや」と、右肩を下げて前に出すおなじみの決めポーズで笑いを誘うと、「東京の我々から見ると、冗談みたいな選挙やってるな。いつもそう言ってます」と、橋下氏の出馬を皮肉ってみせた。

---------------

 相手をタレント候補とさげすんでいた人がタレントを応援に呼んじゃいけないよなあ(笑)。

 橋下が東国原と同じようにタレントの応援を断ったのに対し、民主党は熊谷候補応援のために知り合いのタレント総動員。ブーメランが得意の民主党らしい。

 最終日に東国原が橋下の応援をしたという。勝ち馬確定か。開票が楽しみだ。

---------------

【附記】
 下線部分に対する2ちゃんねるの書き込み。

>「東京の我々から見ると、冗談みたいな選挙やってるな。いつもそう言ってます」と、橋下氏の出馬を皮肉ってみせた。

何処が皮肉になってるんだ?
マジで解らないんだけど・・・・・
もしかして前後の文脈ぶった切ってる?

>大阪で大阪を貶したら不味いだろ。しかも東京が上から目線で。

 笑った。プライドの高い大阪府民に「東京では」とやるのは逆効果だ。


1/27

豪華盛りだくさんの時間


  日曜午後十時。

NHK「サンデースポーツ」は優勝した白鵬が生出演。
日テレの「おしゃれイズム」はV6の岡田准一。
TBSの「ウルルン」はタイのスリンの象祭り。
フジの「報道プレミアム」は当選した橋下弁護士出演。
テレ朝は「男はつらいよ」。

何を見るか迷う。
「男はつらいよ」は全作見ているからパス。この吉永小百合がマドンナの「寅次郎 恋やつれ」をいま流すのは、同じく吉永が主演しているあのヤマダヨウジの映画の宣伝のためだろう。共産党色の強い(笑)。

スリンの象祭りは行ったこともあるし、さんざん見た映像だ。なによりヒサモトの下品な顔と声に関わりたくない。芸能界に学会員増殖中だな。

とふたつを切っても、まだ見たいのが同時にみっつもある。
以前なら全局録画して、あとでまとめて見ていた。
やはり時間によっては複数台の録画器が必要だ。
そんなことももうあるまいとすべて処分してしまったのは早まったか。


inserted by FC2 system