2005

05/3/12
 千葉県知事選──正藏襲名

 あすは千葉県知事選である。連日ライブドアの話題が新聞を獨占していたから本来はもっと耳目を集める話題なのにずいぶんと引っ込んでしまった。きょうなんかスポーツ紙の一面がみなニッポン放送とライブドアの裁判の結果である。スポーツ紙の一面にホリエの顔がでっかく載るのだから奇妙な時代だ。
 森田健作の応援に東京、埼玉、神奈川の知事がかけつけた。この結束力の価値はおおきいだろう。魅力的だ。千葉だけおいて行かれても困る、と思う。ふつうは。ドウモトを選ぶ千葉県人がなにを考えているのか私にはわからない。対してドウモトのほうは、どこだっけ、東北とか関西の知事がかけつけていた。あと都知事選で負けたヒグチケイコが来ていた。応援合戦は森田の勝ち。どっちがどれぐらいの差をつけて勝つのか。開票結果が楽しみである。
 森田は埼玉県知事選に出るつもりだった。それを山崎拓に断念してくれと頭を下げて頼まれた。苦しい時に助けてもらい唯一恩義を感じている政治家だった。あの断念の時の涙は嘘ではあるまい。今回勝つとそれはそれでドラマチックになる。千葉の住居は山武郡だというから成田の近く、千代田牧場のあるあたりか。千葉県知事になったら福岡までヤマタクの応援に行くのだろうか。

 こぶ平の前代未聞の大々的なお練り(パレード)をする正藏襲名も明日だ。まだまだと思っているうちに来てしまった。
 これに関する私の意見は以前も書いたけれど、正藏という名跡は林家のものなのだから他人がどうこう言うものでもない、になる。初めてこの話を聞いたときは正直なところ一瞬こぶ平にはまだ早いとかもったいないとか思ったのだが、すぐにこっちの考えに落ち着いた。じいさんの名を孫が継ぐ、それだけである。
 彦六が一代限りで正藏の名を借りたときの経緯は、真相は藪の中だが、円満な貸借ではなくヤクザの恐喝もどきだったという話もある。五十四歳で正藏が逝ってから一年も経っていない時だ。三平にはまだ力がなく貧乏でもありそれを拒めなかった。すくなくとも正藏夫人がまだ喪も明けないうちにそんなことをされて悔しがったのは事実のようだ。そうしていま孫がじいさんの名を継ぐ。すなおに祝ってやろう。
 正藏も三平も享年は五十四である。じいさんも父親も五十四で死んでいる。こぶ平はこのことをかなり強烈に意識しているだろう。
 もうだいぶ前、上野鈴本の席亭から襲名の打診があったとき香葉子未亡人は時期尚早と拒んだという。今回は二度目だった。席亭というのはめでたい話題で落語会に活を入れたいと願っているからこういうことが大好きである。志ん生の「びんぼう自慢」を熟読して学んだことのひとつにこの「寄席の席亭の豪毅な人柄」がある。襲名披露をしなさいといってポンと出してくれた金を飲んじゃうんだものなあ(笑)。かなりの旦那気質じゃないと寄席の経営なんてできないようだ。

 あすはひさしぶりに寝て曜日にしよう。
 桜花賞トライアルはラインクラフト。本番でも本命だからここは負けてもいいけど。でもエンドスウィープ産駒だからここを勝って本番で負けるのかな。連闘のサンデー産駒がどんな走りをするか楽しみだ。
05/3/13
 森田健作惜敗!──千葉県知事選
 こういう場合常識的にはドウモト再選と見出しを附けるんだけどアサヒシンブン的に自分に都合のいい見出しにしてみた(笑)。
 深夜に讀賣新聞のサイトに繋いで知った。森田が勝つと思っていたから意外だった。どうやらまたも明暗を分けたのは創価学会だったようだ。こわいね。自民党と民主党の力が接近すればするほど公明党の価値が上がる。「文句あるならあっちに着くぞ」と言われたら逆らえない。差は1万票。ドイタカコの秘書出身のドウモトババアに共産党や社民党、民主党が肩入れするのはわかっていた。やはり決め手は学会票だ。

 自民党から七十以上の候補者が出ると老齢老害を連発するアサヒシンブンだがドウモトには一切それは言わなかったのには嗤った。この辺のご都合主義がアサヒやキョセンは同じである。
 差はたった1万票である。自民党が党の候補とし腰を据えて森田を応援していれば簡単に勝てた。首相自ら応援に赴くべきだった。選挙下手な政権である。大阪と千葉はダメだ。(でも森田は江本よりははるかにマシだが。)

【附記】
 96万票ずつ取り合って最終的に6千票差だって。なにやってんだ自民党! もったいない。
05/3/14
 森田健作惜敗──下馬評との格差

 きのうの午後六時、相撲中継が終ったあとのNHKニュースを楽しみに見た。千葉県知事選のことをやると思ったからである。ところがどうでもいいような傷害事件等を伝えたりするのにいっこうにこの話題に触れない。どうやら午後九時まで投票時間があり開票はそれからだったかららしいが、それを抜きにしても今回の千葉県知事選は話題として取り上げられることがすくなかったように思う。都知事選がいかにおおきなニュースだったかを覚えているから面妖であった。日本の首都の東京と千葉では立場が違うが、それでも埼玉県知事選の時でももうすこしニュースを見た気がする。今回覚えているのはスポーツ紙で読んだ都知事、埼玉県、神奈川県知事が森田の応援に駆けつけたことぐらいだった。それだけそれは全国的ニュースになる価値があったことになる。

 きのうは見たくても見られないニュースだったがさすがに今朝は早朝の番組からTBSやテレ朝が大きく扱っているのでたっぷり見ることが出来た。結果をこんなに伝えるならその前にももうすこし情報を伝えて投票率をあげるようにし向けることもマスコミの仕事であろうと感じた。
 それで知ったのだが今回のおおまかな下馬評は「ドウモト現知事がダブルスコアで圧勝」というものだったらしい。だから6千票まで詰め寄られたのは想定外のことであり「森田候補大善戦」になるのだとか。TBSでもテレ朝でもそう解説者が口にしていた。とするならドウモトを応援するTBSやテレ朝がこの話題に触れなかったことは納得できる。報じることは投票率アップにつながり、それはチャレンジャーに味方するからである。ドウモト圧勝ならその日までなるべくしらんふりしようとの見解だったのだろう。そう解釈するならきのうまではしらんふりしながら結果が出たら朝からドウモトが勝ったと大はしゃぎしているTBSとテレ朝の態度には合点が行く。大阪のオータフサエがドウモトの応援に来ていたのを初めて知った。朝から気分の悪い顔を見た。

 百歩譲って、自民党が政権を握っているのだから進歩的な都市圏(?)では革新系が知事になるのもバランス的にいいのかも、と思ったりする。そしてまたあらためて東京都民の感覚の正しさを思う。ただこれは驚異的な三百万票を取った石原都知事にそれだけの魅力があるからであってこのあとはわからない。鳩山邦夫あたりが跡を継ぐのか。このままでは大臣にもなれないし、とまた舛添が挑むのだろうか。それもそれでおもしろいが。
 と考えていたら、冷静に振り返ればあのNHKの誰だっけ、イソムラだったか、ああいうのを候補に立てて、あれが銭湯に行ってお年寄りの背中を流すなんてくだらないパフォーマンスだってあった。都知事選も褒められたものではないか。石原さんも当選してからの実蹟で評価されているのであり出馬当時は洞ヶ峠と様子見を非難されたりした。終りよければすべてよしで現実を美化するのはやめよう。

 それにしてもだ。千葉県知事を押さえることは大きな大きな要所を確保することであったろう。自民党の無策ぶりが残念でならない。森田はあんなに健闘したのに。でも都政がミノベが財政をボロボロして去ってから保守に振りもどしたように、保守王国の千葉もドウモトを経て、また健全な保守王国にもどるかも知れない。そのためにはこの八年間はいい勉強になるだろう。それにしても森田、もったいない。
05/10/14


マドンナ議員の英語力



外国人記者も絶賛…

自民新人マドンナ、英語講演小泉シスターズ勢ぞろい!! 衆院選で初当選した自民党の片山さつき(46)、佐藤ゆかり(44)、猪口邦子(53)の3氏が13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会でそろって講演。しかも英語オンリーで通訳ナシ。「マドンナ・オブ・リフォーム」(改革のマドンナ)はさすが国際派だ!サンスポより

 リアルタイムで見た。昨日は国会中継もあり忙しい(?)一日だった。夕方には楽天のミキタニ社長のTBS株取得の記者会見も始まるし、たいへんである(笑)。

 三人ともよどみなく英語を話し、専門用語の飛び交う立派なものだった。そういう自信があったからこそ出席したのだろうが。
 そんな中、私には、片山の英語はいかにも頭のいい日本人が身につけた日本人的なクセのある日本人英語に聞こえた。一方、佐藤の英語はコロンビア大学、ニューヨーク大学で学んだ在米経験の長いさすがのものに思えた。

 猪口、片山が原稿を手にしながら小難しいことを棒読み的にしゃべったのに対し、佐藤はお二人のようにわたしは原稿を用意していないのでふつうのしゃべりことばになってしまうだろうが、その非礼をお許しいただきたいと言ってフリートークで話し始めた。いうまでもなくそれは英語に自信があったからだろう。カメラは意地悪く佐藤がそう言っているときの猪口と片山の顔を映していた。ふたりともハッキリと顔に「ケッ、クソ生意気に」と出ていた(笑)。

 スピーチの途中、猪口がなんだかむずかしい専門英単語を「あれ、なんていうんだっけ」と片山に尋き、片山がそれを教える場面があった。猪口の方が外国慣れしているが片山の方が単語力はあるってことだ。ま、ど忘れだろうけど。
 片山は、自分は東大を出て大藏省に入った、これは日本では典型的な官僚コースになると自己紹介したり(笑いをとるために言ったそうだが)、自分は大藏省でバリバリやっていたのだと経歴を主張した。最近やたら自分は素人ではないのだと前面に出す。そりゃ同じ新人だからと他の有象無象と比べられるのは不愉快だろうが、あまりそれを主張するのもイヤミである。

 というのが私の三人の英語力に対する感想だったのだが、英語力のない私の意見だからあまりあてにはならない。いちばん流暢だと思った佐藤の英語がじつはネイティブから見たら日本人的発音なんて可能性もある。
 今朝ワイドショーを見ていたら、同時通訳等を三十年やっているという専門職の外人に三人の英語を聞かせ、判断してもらうという企劃をやっていた。こういうのも今日だからであって、昨日だとどこでもその映像は流れていたが、まだ「みなさんお上手ですね」という当たり障りのない評価だけである。それを言えるほどの英語力のある日本人もめったにいない。

 その外人は、佐藤をネイティブのような発音であり、原稿なしにあのようにしゃべることがいかに難しいかと手放しで絶賛していた。猪口もうまいけどいくつか言い間違いがあったと指摘し、片山を日本人英語で発音が悪く、日本人が最も不得手とするRとLの区別が出来ていないと切り捨てていた。
 これはなんらかの経由で片山の耳にはいるだろう。三人の中でも最もプライドが高いと思われる片山が逆上するのが目に見えるようである(笑)。でも私なんかでも「日本人英語だなあ」と思ったのだからネイティブから聴いたらかなりのものだったように思う。ああいうのってのはどんなに頭のいい人が努力しても直るもんではないんですな。

「マドンナ旋風」なんて言いかたはアホらしいが、最初にそれをやった社会党はバカ女の数を揃えただけでなんにもならなかった。小渕内閣も三十代の野田聖子を郵政相にしたりして話題作りを狙ったが効果はなかった。もっともこれでノナカの寵愛を受けたノダセイコが自分を女総理候補とかんちがいする悲劇、いや喜劇は生まれたが。
 なんのかんのいって、女がこれだけ前面に出て能力をアピールした政治的場面はなかった。私は女嫌いでなのですこしも好ましくないけれど、小泉首相の方法論がまたひとつ実を結んだことは事実だろう。女政治家というとドイタカコやツジモトみたいなイメージしかなかったからその意味では好ましい。

 私は、じつは小泉首相も女嫌いなのではないかと思っている。というのは、タナカマキコ、カワグチヨリコを外相、南野を法相と重要な閣僚に女を起用し、ことごとく失敗しているのは、どう考えても女の無能ぶりを世間にアピールするための作戦ではないかと思えるのだ。無能な女ふたりのあとだったから町村外務大臣がいかに頼もしく有能に見えたことか。
 女きょうだいの中の末っ子長男であり今も姉を秘書にしている小泉首相だからそんなことはないだろうが私にはそう思えてならない。女には重要閣僚の外相は無理だと世間にしらしめた効果は大きい。それと比すと今回のはプラス効果だ。今回の女起用は後々あらたな局面を切り開いたと評価されるだろう。
 かといって猪口なんてのはかなりサヨク的な発言をしてきたアブナイ人だ。まちがっても重用する人事はしないで欲しい。それがいまいちばんの心配事になる。

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