04/1/6
 真冬の冷え具合


 深夜。起床。
 PCに火を入れる。冷え具合にうっとりする。現在室温10度。CPUの温度は38℃と36℃、HDDは10℃だぜえ! 

 しばらくするとCPU温度であるTemp2,3は50度に、ケース内温度であるTemp1は30度に上がる。単に真冬に金属機械が冷えているだけだ。こんなことに感激するってのも(笑)。でもAthlonMPの発熱とそれが二つのDualCpuで悩まされている身には、こんな凍えるような夜にこれを見るのは唯一の楽しみ。
 一時間も作業をしているとケースに触るとほんのり暖かい。夏場は不愉快なそれすらもいとしく思う冬の夜。



 パソコン冷え具合(04/1/9)
 朝六時。今朝は今冬いちばんの寒さ。寝ていて解った。いつもの布団で寒くて目覚めたのである。
 寒暖計を見ると8度。室温が10度を切ったのは初めてだ。こりゃ寒いと言いつつ楽しみはCPU温度。電源を入れる。最初Temp3が9度だった。初めての温度である。なんとなくうれしい。バカ丸出し。
 これで2時間後、かじかんだ指がやっとまともに動くようになり、Temp(ケース内温度)が28度、HD(ハードディスクの温度)が30度になる頃、朝の一仕事終了となる。
04/2/10
 牛丼パソコン

 この言葉を初めて聞いたのはちょうど一年前ぐらいか。なぜかいきなり流行りコトバのようにパソコン雑誌で連発されるようになった。意図するところは「牛丼のように安くて、誰もが手軽に買えるパソコン」の意らしい。IntelのセレロンやAMDのデュロンという安いCPUを使った5万円以下の激安値段パソコンの形容に使われていた。それでもメモリも128メガあったりして一人前の性能を持っているのだからたいしたものだ。むかしからのパソコンをやたら高級なものとして持ち上げ、周辺機器や小物まで高い値段に設定する傾向を苦々しく思っていた身には、こういう価格破壊は大歓迎だった。数年前、アメリカで1000ドルパソコンというのが話題になった。なかなか日本には普及しなかったがやっとその時代になったわけである。とはいえパソコンに関してのみ高級志向のぼくには直接的には縁のない話だった。懐具合は相変わらずお寒いが、それでもやっぱりこういうものを買うことは今後もないだろう。応援しているけれど。

 いまもこの安物パソコンの傾向は続いている。いいことだ。しかしこの誰の造語なのか「牛丼パソコン」という言いかたは使命を終えた。狂牛病騒ぎで牛丼販売が中止となる今、これは「二度と手に入らない絶滅寸前のパソコン」の意になってしまう。もしもまた牛丼が復活したとしても、一頓挫あったから、「なにかあって絶面寸前になったが、再び復活したパソコン」の意になってしまうだろう。そんな複雑な使いかたはされないから終ったコトバになる。最初から決してうまいネーミングだとは感じなかったから惜しいともなんとも思わない。パソコンという無機質なものと食い物が結びつかずうまい連結とは思えなかった。さらにいえばセンスの悪いコトバだと思った。

 それはぼくが牛丼になじんでいないからでもあるだろう。先日スポーツ紙で読んだかなざわいっせいの競馬コラムに「わしの主食である吉野家の280円牛丼がうんぬん」とあった。内容は「それすらも我慢して馬券につっこむぞ」というもので、生活感を売り物にする彼にとって、節約の形容としてすなおに出てくるそれだけ身近な食い物なのであろう。世間の感覚もそうなのかも知れない。ぼくが同じ意図で書くとしたら、「いつものラーメン、ギョーザにビール中瓶一本のビールを我慢して」とでもなる。ラーメンのほうが身近だ。牛丼は、秋葉原で年に数回食うぐらいでしかない。その理由を考えてみたら、ぼくにとって飯とは、酒と一緒にゆっくり食うもので、いわば一気にわしわしと流し込む牛丼は縁が薄いのだった。それとあの固定された椅子も嫌いだ。牛丼そのものは嫌いではなく、牛ザラにビールはうまいと思うのだが、なかなかのんびりそれを出来るチェーン店もない。そういう食い物ではないのだろう。店としても回転率勝負だからのんびりされてはたまらない。そんなぼくが秋葉原で食うことが多いのは、いつも歩き回るそこにある食堂がそれぐらいだからで、そしてまた秋葉原を歩き回るときのぼくは普段とは違い、お得意様を一軒でも多く訪問しようとする営業マンみたいになっているから、酒抜きで一気に食う飯として牛丼の意図とぴったり合うのだった。

 さて今後の牛丼はどうなるのだろう。狂牛病がひといきつけば今まで通り復活するとして。しかしあの病気が絶滅できるものであるかどうか。
 テレビのニュースを見て知った。あの松屋を、ぼくは数年前からしか知らなかったのだが、1970年代から操業していたという。とはいえどこでも見かけるようになった大発展が近年であるのはここ十年だろう。一昨年だったか、蒲田で人に道を聞いたら、「松屋の隣」と言われた。松屋とはぼくにとってデパートだったのでとまどった。「蒲田に松屋はなかったよなあ」と考えた後で、牛丼屋のことかと連想したのだった。それまで松屋で牛丼を食べたことはなかった。ぼくにとって牛丼とは吉野家だった。
 吉野家を応援する。牛丼は400円のものであった。それをこの時代に280円に値下げした感覚はすばらしい。一度倒産を味わっている会社でもある。個人的には、初来日した妻が初めておいしいと言った日本食(?)であることが印象深い。この苦境を乗り切って欲しい。って、これじゃ「コトバ」のコーナーじゃなくて単なる「牛丼の思い出」だなあ。
2/14

 ハードディスク換装──初期不良

 まったくもって不快で寝苦しい夜だったが、一夜明けて午前10時、さあてハードディスクを初期化して、換装するかと元気も出てくる。
 すると認識しない。ジャンパーの設定を換えたりするが変らない。耳を当てるとカッチンカッチンとねじ巻き式の目覚まし時計のような音がする。いかにもハードディスクが回転しようとするのだがどこかが壊れていて引っかかっているような音だ。購入したT-Zoneに電話する。そういう音がするのでは初期不良の確率が高いと言われる。宅急便で修理センターに送ることにした。よって今は元通りの環境で書いている。あたらしい環境になるか失敗して動かなくなるかといくつかの形を想定したがまさか初期不良とは思わなかった。数日後にもどってきてからの作業再開を楽しみにしよう。

 昼、ハードディスクをT-Zoneへ宅急便で送る。もどってくるのは何日後か。まずはこの改装が済んでからだ。

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 ホームページ作業はなし。不思議なもので今までと同じパソコン環境が順調に存在しているのに、あたらしい大きなハードディスクに変るはずだったのにと思うと、それにするまでなんとなくやる気が起きない。あと何日後になるかわからないがハードディスクがもどってきてからにしよう。 (2/15)

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 ハードディスク到着(2/16)
 午前10時。宅急便がチャイムを鳴らす。もしかしてと思ったが、いくらなんでも早すぎるかと思い直す。すぐに階下の母に呼ばれる。ぼくのハードディスクだった。土曜の昼に送り、日曜午前中にあちらに着いた。日曜の昼に代わりの品を発送して、月曜の午前にこちらに着いた。ベストのパフォーマンスである。えらいぞ、T-Zone。

 しかし開けるとき、一抹の不安がよぎった。
 以前、買ってきたばかりのアルプス電気の新品プリンターを、どうにも印刷ができないのでどこか問題があるのだろうと修理センタへ送ったことがある。すると「こちらでの試験の結果は順調に動きます。缺陥はありません」とそのまま送り返されてきた。なんとか使いこなそうと努力したのだがどうにもならない。結局5万円も出して買ったそれは、一度も使うことなく廃品とした。ぼくはそれをモノとの相性と考える。ぼくの技術にそれを使いこなせるだけの力がなかったのは確かなのだが、一方でまたそれまで十数年プリンターを十台以上使用してきてそんなことは一度もなかったことも事実なのだ。
 以後アルプス電気の製品は一切買わなくなった。元々愛用していたCANONとうまくいっているからこの件に関してはもういいのだが、困ったことにこれ以降そういう修理センタに送ることを怖れるようになってしまったのである。これはこれで心の傷か。

 せっかく買ってきたのに使っていないハードディスクがいくつかある。接続すると一発でつながり順調に動いてくれるものもあればうまく認識せず、なにをどうしてもダメなので新品のままほってあるものだ。時折もしかして、とまたつないだりする。動かないものがほとんどだが、なぜかたまに動き出したりするものもあるので、未だに思い出したようにやることがある。ひとりもので稼ぎはみなそういう個人消費に使える立場だからいいかげんなのである。買ってきた新品のハードディスクが動かないからといって、ついてないなのひとことで放り投げる人もそうはいまい。

 今回ぼくにはせっかく買ってきた160Gのハードディスクがうまく動かないからとほっておくだけの餘裕がなかったのでひさしぶりに修理センタに送った。すぐにもどってきた。あまりにそれが素早かったものだから、ぼくはまた「こちらでのチェックでは異常は認められません」だったのではないかと怖れたのだ。アルプス電気のプリンタの場合も、もどってきてからまたカセットテープタイプの印刷インクを各色セットして(そういう特殊なプリンタだった)何度もやってみた。だけどあちらでは順調に動くというそれをどうしてもぼくは使いこなすことができなかった。さっさとあきらめ、EPSONのプリンタを買い、それがうまく動いたものだから気にしないようにしたのだが、心の中ではちょっと異色の写真画質プリンタ(当時これが出始めだった)をまともに使いこなせなかったという傷が疼いていた。
 ひさしぶりに修理センタなるものに買ってきたばかりのものを缺陥品ではないかと送り、あまりに素早くもどってきたものだから、またも「こちらでは異常は認められません」と書かれた紙片と共に送ったのと同じ品が入っているのではないかと怖れたのだ。だったらぼくはまた「ハードディスクひとつ使いこなせない」という傷をしょいこむことになる。

 ちょっとどきどきしながら開けた。すると銀色の袋に入った封を切っていない新品のハードディスクが出てきた。通信欄には「ご指摘のあった異音を確認しました」とある。ほっとする。これであれが初期不良品であることは確かになった。
 が、まだ安心はできない。要はぼくのパソコンとの相性である。接続して動くまで安心はできないのだ。前回の品も接続するまではまともだったのに、なにかの関係でぼくのパソコンから高度の負荷をかけられそれでイカれた可能性もある。接続して電源を入れるときは「たのむぜ」と祈るような気持ちだった。
 起動画面で無事160Gと認識された。安心のため息が出た。
 きょうはこれのフォーマットからOSインストール、ソフトウェアのインストールと丸一日の作業になる。無事に機械が動いてくれればそんなのは楽しい作業だ。


 パソコン復旧への道のり
 ハードディスクがもどってきて、きょうは一日中復旧作業をやっていた。面倒だけれど楽しい。
 深夜には一部を除いてほぼ復旧した。一部とはすなわちネット部門である。モデムが認識されない。その他は復旧したのでホームページ作業をやってみる。ハードディスクは音が静かで、アクセスが体感できるほど早くなった。OS再インストールによっていくつか気になる問題が発生しているが、それはまたまとめて書こう。ともあれ形的には成功しスッキリした。
2/17
 ハードディスク初期化──ATOK苦労話
 今回ドライヴコピーソフト「Norton Ghost」がうまく作動せずOS移植がうまくゆかなかった。OSのクリーンインストールになるとドライヴァーの入れ替え等設定が面倒になる。今現在のデスクトップ環境もかなり練り上げたもので完成度は高い。なにしろいじくり回すのが大好きな凝り性だからかなり凝っている。それをまた一からやり直さねばならない。するかしまいかだいぶ迷ったが「CにOS、Dにアプリ、Eにデータという30Gハードディスク3台構成」が「C,D,Eとパーティションを切った1台の160Gハードディスクにまとまり速くなる、しかも70G増量」という環境を今すぐ体験したいという誘惑に勝てず踏み切った。
 できあがりに期待する楽しみがあるとはいえわずらわしい作業が多かった。Net関係の接続が毎回一頓挫あり苦労するのも読み筋。この接続設定がいちばん面倒だ。それらの不具合が生じるのは覚悟の上だったが、いざ出来上がってみたら、予想外のうんざりするような事態がもちあがった。ATOKである。

 ユーザー辞書はこまめに保存してある。外部メディアにも二重三重に登録してあるから言えることだが、十数年かけて積み重ねてきたユーザー辞書が消えたらやる気がなくなる。最も大切なものだ。
 真っ先に「一太郎」(は使わないけれど)を入れて日本語環境を構築する。ついでATOKユーザー辞書を入れる。これで元通りのはずなのだがそうではない。何万回何十万回と打ち込まれるたびにATOKが自動学習して覚えてきた私好みのことをすべて忘れきっているのだ。真っ白けである。それはハードディスクを初期化したときのいつものことであり覚悟していたのだが今回はどうも様相が違う。どういうことなのだろう。

 いつもの初期化したときと同じように、せっかくATOKの辞書から削除し、いらないようにしたものがまたもどってしまっている。たとえば正しくは誤字になる「付属」を削除し正しい「附属」だけにしたのだがそういうことばがまたもどってしまっている。とはいえこういう比較する文章を書くときには助かる。ぼくの辞書には「付属」はないから作らねばならないのだ。
 たとえば一般的な「言いかた」ということばをぼくは「言いかた」と書く。これは高島俊男さんの影響なのだが、「方」という字は「ほう」と読むときにのみ使うようにして「方」で代用される「かた」はひらがなで統一したのだ。その辺もまた作り直しになる。高島さんの「としお」も、使用頻度から真っ先に「俊男」が出るようになっていたがデフォルトである「敏夫」にもどり、「俊男」まではなんども変換キーを押さねばならなかった。やはりATOKの環境だけは初期化してはならないようだ。反省である。

 しかし今回はそういういつもとはまた違ったへんな傾向があるのだ。たとえば「こうぎ」である。私にとって「こうぎ」とはふつうの日本人であるからしてまず「抗議」である。そう変換させようとして打っている。なのに「高誼」と出るのだ。「せんそう」は「戦争」であろう。なのにこのATOK「船艙」と出るのである。こんなもの船乗りでもなきゃめったに使わない。なんでそれが最初に出てくるのだろう。いま「しんせき」と打った。もちろん「親戚」である。「ちかくのしんせき」と書いたのだ。なのに「真蹟」と出る。おかしいぞ、これ。なにがあったか(笑)あきらかに狂ってしまっている。どう考えても私が出そうとしたモノよりこれらが使用頻度が高いとは思えない。

 その他、ものすごく使いづらい。どういうことだろう。いつものよう半角英数字を「無変換」を押して出そうとしても出ない。「半角全角」を押すとそうなるとわかった。なんだ、これ? 丸二日ぐらい不愉快なままいじっていて、やっとそれが「MS-IME仕様」になっていたからだと気づいた。たしかにインストールのとき「MS-IMEからユーザー辞書を引き継ぐ」のボタンを押していた。MS-IMEなんて使ったことないし、OSを整備してゆくのに真っ先に削除するものだから辞書を引き継ぎたくても引き継げないのだから関係ないと軽く見ていたのだ。ユーザ辞書はフラッシュメモリから読み込んだが、設定の段階でキイボード操作をMS-IME仕様にしてしまったらしい。よってこの問題はなんとか解決した。
 これから時間を掛けてまた磨き上げてゆかねばならないが、上記のような(うわあ、いま「蒸気」って出た)「高誼」「真蹟」とつきあってゆかねばならないのかと思うとうんざりする。

 それらの設定ミスを捜していたら、このATOKバーの色を変えられることを知った。凝り性ではあるが子供じゃあるまいしこういうことに凝ってはいない。それでも変えられると知ったのでいつもの地味な灰色からゴールドにしてみた。なかなかちょっと豪華でいいな(笑)。 あとは何色があるんだろう。「マーブル(大理石模様ね)」や「スカイ(空色)」なんてのもあるようだ。まあいつもはタスクバーに納めて見えないようにしているのでどうでもいいが。
 システムは軽快に保つように時々大掃除をしたほうがいい。これからOS再インストールはたびたびあるだろうが、とにかくATOK環境だけは受け継ぐようにしよう。
2/17
 ウイルス感染二度目
 いきなりノートンがウイルスを検知したと報告してくる。だいぶ前に初めて感染し「ウイルス感染初体験」とはしゃぎ気味に《日々の雑記帳》に書いたことがあった。二度目である。気分のいいものではない。なにごとかと思う。駆除した後、その原因を考えた。原因は「Win2k-SP3で接続したから」のようだ。OSの隙間、缺点を狙ってウイルスは作られる。その被害が出たらすぐにウイルス対応ソフト会社はワクチンを作るし、マイクロソフトもOSを改良して対抗する。それがサーヴィスパック4であり、3のままいくつかの製品をDownloadするために繋いだから感染してしまったのだった。たしかあのウイルスは、メイルで送られるとかそんなものではなく、どこかのサイトに繋ぐだけで感染するという恐ろしい新種だった。

 アンチウイルスソフトも最初は対応しなかった。ノートンを最新のモノにUPDateしたら警告を始めたのである。しかし一方、最新のモノにしたはずのMcAfeeは通知してくれなかった。果たしてそのままにしていたらどれほどの被害があったかは定かでないが、すくなくともこの件に関しては、ノートンアンチウイルスのほうが優れていると言い切れる。

 SP3でサイトに繋いで感染したのは失敗だった。かといってSP4はCDでもっていないから繋いでDownloadするしかない。ネットに接続してOSをヴァージョンアップし、ウイルスソフトもヴァージョンアップして感知するものだから、まあこれは流れとして仕方なかったか。おどろいたのは対応方法が考案されたからとっくに絶滅していたと思われたのに、まだまだ現役だったことである。世の中にはサーヴィスパックなんか導入しないってヒトもいるけど、やはりするに超したことはないと思った。
2/18
 早すぎたファイアーウォールソフト
 一方でこれはあきらかに愚だった。ファィアーウォールソフトを早く入れすぎたのである。らいぶさんに買ってきてもらったPCソフトを集めたCDに見知らぬものが入っていたので実験気分で最初に入れた。その製品には問題はないのだが、最初に入れてしまったために関わるものすべてを「こいつを許可しますか」と尋いてきてわずらわしい。なにしろ起動するソフトすべてを尋いてくる。でもそれは家族にまで吠える犬のようで次第になれるものと割り切っていた。任務には忠実なのだ。
 しかし困ったのはネット接続である。愛用しているブラウザー、メイルソフトが軒並みネットを認識しなくなった。繋いでいるのに繋がれていませんと表示し、サイトに接続できませんとブラウザは真っ白けだ。同じ事をノートでやったことがある。やはり手に入れたファイアーウォールソフトを入れたときだった。この場合確実な対処法があるに違いない。なきゃ困る。それは簡単なことに違いない。しかしぼくには出来ない。ノートのときも削除して対応した。今回もそうするしかない。
 削除して、いつものソフトをズラズラっとインストールした後に、このファイアーウォールソフトを入れた。するとそれは大家族のところに後からやってきた子犬のように、誰にも従順なよいこになったのである(笑)。やはり仕上げでいいな、ファイアーウォールソフトは。
2/19
 違法コピーCDの価値──掘り出し物、役立たず
 音楽CD以外にらいぶさんにお願いして買ってきてもらったものに「ソフトウェア寄せ集めCD」がある。市販のユーティリティソフトを集めた違法品だ。チェンマイに行くと気が向くたびに買っている。
 これを使用することには罪悪感はない。というのはこれらはみな英語版であり英語が好きでないぼくは気に入ったものがあったら必ず正規版を購入するからだ。いわば使用感を試すパイロット版である。

 代表的なのがノートンのソフト類になる。NECのPC98時代からノートンユーティリティを愛用してきた(すっかり忘れていて昨年の荷物廃棄のときに気づいた)ぼくとしては、日本での発売よりも早く不正品として流通する(!)英語版をこの寄せ集めCDで入手することはタイに行く大いなる楽しみのひとつだった。これで最新の英語版を使用し最新のグラフィックを体験して、日本での発売を待つのである。まったくアメリカで英語版が八月に発売になり、日本での日本版発売は十月というとき、九月にバンコクに行くともうこの英語版違法コピーCDがあるのだから早い。
 らいぶさんに買ってきてもらった寄せ集めCDには「ノートンアンチウイルス2004」が入っていた。これはもう日本でも発売されている。ぼくはまだ2003でLIVEUPDATEしているが。どんなものかと楽しみにインストールしようとしたら入らない。これは初めての経験になる。そのことはらいぶさんからもメイルで聞いていた。附属のシリアルナンバでは入らないと。らいぶさんが不慣れなだけでなんとかなるだろうと甘く見ていた。ダメである。どうせ正規版を買うからたいした問題ではないのだが、いま試してみたかったのですこし残念な気もする。

 そんな中、ひさしぶりに当たりがあった。「Virtual Drive 8」である。假想CD-Romソフトだ。どうにもいま使っているものが不安定で困っていた。オタクだからして日本で発売になるすべてを購入し、今のものに確定して何年もが経っていた。さすがに最近では面倒でまたあたらしいものを探して使い始める気になれない。かといって今のこれはダメだ。なんとかせねばと思っていた。
 この製品を見つけたのでダメモトでインストールしてみた。以来安定している。英語版だがなんとか使いこなせるからしばらくお世話になろう。

 Modem Boosterというのがあったので入れてみた。通信速度を速くするのである。こんなのも好きでよく買っていた。なんの価値もない。効果もない。いつもがっかりした。それでも飽きることなく買ったものだった。
 今回の外国製のこれはチェックからして本格的である。ネットにつないで1時間ぐらいあれこれとチェックしていたか。結果はなにもなし。そうだよなあ。アナログ回線をいまさらなにをどうしたって速くはできんでしょ。あまりにチェックが本格的なのでひさしぶりに期待してしまった。

 この「ソフトウェア寄せ集め違法CD」の名は「Quick PC」。らいぶさんに買ってきてもらったのは最新版の67。すでにシリーズものとしてここまで数字を重ねている。2、3ヶ月に一度の割合で出ているか。タイに行くたびに買っていたのでぼくは30枚ぐらい持っている。これはこれで歴史(?)だ。
 30枚も買い続けてきてなにか役立つものがあったかというとまったくない。価値は、自分とは無縁のソフトをのぞき見できたことのみだ。「ことのみ」でも十分すぎることだった。たとえば高級ソフトウェアで有名なAdobeがある。10万円もするPhotoshopやIllustratorの発売元だ。これらをこの違法コピーCDで簡単に入手できる。英語版なのでとてもぼくには使いこなせるものではないが、それでも言葉に関係なく日本版だったとしてもぼくとは無縁なソフトであるとよくわかる。しかしこれで体験してなかったらぼくはIllustratorを10万円で買っていた可能性は高い。知らないからこそ「高いソフトを購入すれば高級なことが出来る」と勘違いしがちなのである。
 そういう意味で、これらの違法コピーCDから、10万円のソフトウェアをただ同然で手に入れたということはまったくないのだけれど、10万円の無駄なソフトを買わずに済んだという恩恵を受けている。



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