02/ 一太郎話



 だいぶ遅くなったが一太郎12のVersionUp版を買ってくる。一太郎は全然使わないが、やはり大阪弁の入力もできるようになったというATOK15の魅力には逆らいがたかった。個人的な事情を書くとATOK14に細かな不満がいくつかあったからである。

 それは前回購入したのがBIAVOICEと組み合わさった「VOICEATOK」だったからかもしれない。音声入力など全然やらないのにでているとつい買ってしまうのだから我ながらあきれる。実際ATOK14として使用しているだけでエンコードすらしていない。細かな不満とはたとえば暗証を必要とする加入しているサイトにつなぐとき、暗証の記入の際、英数半角になっていなかったりするのである。あの*****になってしまうやつだからこちらはわからない。正しく入力しているのに何度もエラーと出て、他のペイジで確認してみるとカタカナ半角だったりした。これがVoiceATOKのせいなのかどうかわからないが、ATOK15にすれば直るのでないかとかってに期待して買ってきた。さてどうなるか。

 これがATOK⑮になって初めて導入された大阪弁入力装置「話し言葉関西」である。「表現」として選ぶ窓の中に、「一般」「話し言葉」とならんで「話し言葉関西」というのがある。
 大阪弁を誤変換することなく、かなりに正確に自由に変換する例がネット上でもいくつも報告されている。大阪方面の人にとっては待望の機能のようだ。ぼくは関西人ではないしまだ使っていないが、この「話し言葉」という入力法がかなり便利であることは前々から実感している。

 たとえば「そうなんだよね」というのは、正しくは「そうなのだよね」だ。だけどほとんどの場合、話し言葉のやわらかさを出すために「の」ではなく「ん」になっている。ぼくもそう使っている。これを理解しているIMEと理解できないIMEの差は大きい。ぼくはコトバを仕事とする人で、MS-IMEで不満を感じない人はかなり鈍感な人だと思っている。だけどそれは比較した上での感想で、元々IMEというのがパソコンを買ったらついてくるものと思っている人にはこんなことを言っても通じないけれど。

02/2/21
日記ソフトを探す
(02/2/21)

 ここ一週間ほど、ずっと「インターネット用、日記ソフト」を探していた。フリーソフトとシェアウェアで二十個ぐらいダウンロードして試したろうか。「帰国したらすぐにアップするといいつつ、一週間経ってもまだアップしない。いったいなにをやっていたのか!?」と思われるだろうが、そういうことをやっていたのである。

 なかなかのすぐれものもあったが、みな帯に短したすきに流しで気に入らない。問題は二つ。
 ひとつはやはり有料だけあって圧倒的にシェアウェアのほうがよい品が多い。がお金を払うまでは機能制限になっている。これにしようかなとかなり気に入ったやつに、お金を払うまでは五日分しか記入できないのがあった。当方はこの二月分の日記をいますぐそれを使って作り直したいのだ。お金を払って正規版を使いたいが、オンラインで払うのにぼくのクレジットカードは使えない。郵便振替なんてやってたらまたしてもアップが十日ぐらい延びる。それで諦めた。そのソフトがいわゆる「一ヶ月間無料お試し」の形式だったらこのペイジはそれになっていた。

 もうひとつは、基本用途としてぼくとは合っていないこと。どうやら日記ソフトとは、日記だけのホームページを作ったりする人のためのものが多いようだ。ぼくのように自分でこういう形で記入するタイプには、あまり必要とは言えない。つまりテキストで書いた後、html形式に直してアップするものがほとんどで、その変換の楽さ加減がそれぞれの売り物になっている。でもぼくのようにいきなりこうしてhtmlで書きアップしているものにはかえって面倒なだけだ。もしもぼくのホームページが、友人とか使用人によって管理されていて、ぼくはゲストとして「毎日更新の日記」のような形で参加するだけなら、日記ソフトは重宝するだろう。調べてみると、有名人のホームページにはそんな形が多かった。ぼくの場合、すべてを自分で仕切るのが楽しくてやっているのだから--なにしろ仕切ってさえいればネットにアップしなくても満足しているぐらいだ--本来の用途として不向きになる。

 多大な徒労を経て現在の『作業記録』の形になった。当初からこういう形にしようと自分でひな形を作り、ああでもないこうでもないとやっていた。どうにもデザインに満足できないある日、「そういえば日記ソフトってのがあったな」と思いつき、探し、試して、一週間を過ごした。結局、日記ソフトを探す以前から模索していた形式にもどって落ち着いたのだから、この一週間はまったくの無駄となる。とはいえ毎度の結論だが、そのことによって日記ソフトを理解し(主立ったものはぜんぶ試した)、ちょいと意見を言えるぐらいの知識を身につけたからこれはこれで悪いことではない。と思うことにする。
03/4/28
『ホームページビルダー』考

 最近『ホームページビルダー』で出来ることはだいたいやってしまった(つもり)ので、そろそろ『DreamWeaver』に移ろうかと考えたりする。

 考えようによっちゃ『DreamWeaver』&『Fireworks』をVersion3,4,Mxと持っていて、当然のごとくその使用法を解説した本も6冊も買っているのに(1冊3000円以上だから本代もばかにならない)、未だに使っていないことのほうが異常だ。考えようによってじゃなくどう考えても異常か。本棚の飾りとなっている『DreamWeaver 上級テクニック集』なんて背表紙を見るとむなしくなる。いまだに初級なのになんでこんな本を買ったのだろうと。だっておっさんにはこのソフト、むずかしいんだもん。

 最初にこれしかなかったら今頃バリバリ使いまくっていたのだろうけど、ちょうどインターネットが一般的になり、個人のホームページ開設がブームの頃だったから、百花繚乱と出そろった。ソフトウェアおたくだからして同時にいくつものソフトウェアを購入して使用感を試す。その中であまりに『ホームページビルダー』が使いやすく親切に出来ていたものだから、いつしかこればかりなってしまった。そういう人って多いだろう。やりたいこともそれで十分に表現できたし。その意味じゃさすがにベストセラーソフトなのである。

 その間も『DreamWeaver』で作ったホームページを見るたびに、かっこいいなと思うことしばしばだった。慣れれば何を使って作ったかわかるようになる。
 時にはフリーソフトを使ってタグ打ちで作ったかっこいいものも見かけた。たいしたもんだと思う。やる気さえあれば金なんかかけないでこんなすごいものが作れるのかとため息が出た。でもこれは今更そっち方面の技術習得は面倒と結論しているから素直にあきらめられる。とてもじゃないが文章の合間にあんな記号を打ち込んではいられない。早打ちだからその気になればマスターできるだろうが、文章だけを書けば自動でhtmlファイルに変換してくれるホームページ作成ソフトがあるのだから、今更勉強する気にはなれない。なによりあの記号交じり文はプログラム文であり、情の文章とは無縁のものだ。技術系の文章ならともかく。
 私の要は『DreamWeaver』を使いこなせるかどうかである。

 あこがれる一方でまた「獨特の『DreamWeaver』臭さ」に反感を持ってもいる。どんなかっこいいものも連続すれば倦きが来る。ワンパターンに見えてくる。
 なにもかも『DreamWeaver』一色にする気持ちはないが、それでもトップページをあの線の細い洒落た感じの『DreamWeaver』でデザインしたい、という気持ちは強い。その内やるだろう。だいたいこういうふうに書いたことは間違いなく実行している。思いついたとき、寝転がって読む程度だが、何十回もそれを繰り返しているから、次第に理解しつつはある。なにしろやりたいことの99%を『ホームページビルダー』で出来てしまい、その使いかたに慣れているから、残りの1% のためだけに感覚を切り替えるのはむずかしい。気にはなりつつももういっぽ学習意欲が希薄だ。
 人に頼る気はないが学ぶつもりはある。ラオックスや石丸で「ソフト学習会」をやっている。「一太郎教室」「エクセル教室」等、丸一日の講習で授業料は一万円ぐらい。あれに『DreamWeaver』の回があったら行きたい。てなことを考えていると東京にいないとと思えてくる。


「『ホームページビルダー』で出来ることはだいたいやってしまった」と書いたら、同じく『ホームページビルダー』を使っている人から、あれもこれもやっていないではないかと抗議が来るのではと考え、いちおうできるけどやっていないことをいくつかやっておくことにした。 動いているホームページがあまり好きではない。わずらわしい。シャレたデザインのあっさり系が好きだ。
 先日2ちゃんねるの「こんなホームページは嫌いだ」のようなコーナーを読んでいたら、「一時流行ったマウスポインターにくっついてくるやつ」ってのがあり、だよねえとうなづいてしまった。2ちゃんねる用語で言う禿同(ハゲドー=激しく同意の略ですね)ってやつか(笑)。そのホームページを開くと、マウスポインターに風船だのヨーヨーのようなものがくっついてくる。最初はカラフルだし、おもしろいなと思うけど、いつもいつもくっついていられるとわずらわしくてしょうがない。振り切りたくなる。振り切れない。それがいやで行かなくなる。ああいうのはやっちゃいけないなと思った。やってもいいけど期間限定にすべきだろう。一ヶ月で止めるとかね。

 もっと嫌いなのが音楽。あれは止めて欲しい。誰もに好まれる音楽なんてありはしない。いやそれ以前に、いきなり音楽が鳴り出したら驚く。だいたいにおいてヴォリュームは大きめになっている。デスクトップならスピーカーのヴォリュームを絞ればいいが意外にノートは面倒だ。私の場合だとFn(ファンクションキー)を押しつつF11を押すのかな、たしか。でもそんなことをしてはいられない>と、うるさくてしょうがないから、急いでそのホームページを閉じる。作者は音楽でもって訪問してきた人を楽しませようとしているのだろうけど逆効果の場合も多い。もしもやるなら、トップページで音楽をOn,Off出来るようにしておくべきだろう。

 タイ関係のホームページで、開くといきなりタイ国歌が流れてくるのがあったが、あれもやりすぎだと思う。私はタイ国歌が音楽的に大好きだけど、かといってそのホームページを開くたびに聞きたいとは思わない。というか、いきなり大きな音で国歌が流れてきたので瞬間的にそのホームページを閉じてしまい、いまだにそれがどんな内容のホームページなのか知らない。
 ラーメン屋に入り、店のおやじが銜え煙草でラーメンを作っていたら、注文せずに出てきてしまうように、トップページから大音量の音楽が流れてくるホームページはすぐに閉じてしまうので、まだ読んだことがない。
 もしかしたら私も自分の作った歌をインストにしてアップするなんてことをやるかもしれない。その場合も、音楽のコーナーに飛んでもらい、そこから聞きたい人だけがクリックして聞くように設定したい。押しつけはいかんよね。

 そんなわけで「チェンマイ雑記帳のトップページ」に、「地図を走り抜けるソンテオ」を入れた。これぐらいは作れる。一応売りとしては(笑)、市販の素材集の自動車ではなく、自分で撮ったチェンマイの街中を走る黄色いソンテオを使った。私の「ホームページにおける動き」はこれぐらいが限度になる。これ以上はわずらわしい。これもそのうちわずらわしいと感じたら削る。とりあえず、「『ホームページビルダー』で出来ること」として卒業前にやってみた。
03/6/2 ホームページデザイン考(03/6/2 )
ホームページのデザインをあれこれ勉強して思うのは、くどくなくアッサリ系がプロの仕事であるらしい、ということだ。もちろん制作ソフトは圧倒的に『DreamWeaver』である。
 ホームページで出来ることの基本と限界は誰でももうわかっている。よって今の時代、プロに金を払ってホームページを作ってもらおうとするのは、まったくホームページのことを知らない人よりもむしろ、自分たちでは出来ないプロのデザインテクニックを駆使してもらおうとする人のほうが多いだろう。金を払ってプロに望むのは、飽きの来ないデザイン、さすがと言える凝った部分になる。結果としてそれは曲線を活かした淡色系のアッサリ型になるようだ。さりげなくPhotoshopやIllustratorを使わないと出来ない部品が組み込まれていたりして、さすがプロだなと思うものも多い。ただし、どこもみな同じような、らしきデザインになっている。
 それはまあ今現在のプロの仕事として、それが流行なのであろうし、世の中そういうものだから横やりを入れる気はない。それでよしとしよう。

 それらに接して、「かっこよさのために、見やすさ、操作しやすさがないがしろにされている」と思うことが多い。淡色系のスッキリしたデザイン、小さなボタン、おしゃれな雰囲気……。この「淡色系、小さい」がおしゃれであるらしい。でもその分、ボタンが小さかったり、わかりづらかったりして、扱いにくい。
 ここにおいて「無骨な実用性」を必要と感じる。いわば電卓が小ささを競って時計やペンにまで附くほど小さくなったけれど、結局は手のひらにあった打ちやすいサイズが最後の勝者となったように、あるいは、思いっきり情報を詰め込もうとした新聞が、逆に読みやすい大きな活字を導入して、一ページあたりの情報量を減らすようになったように、だ。

 そんなことを思ったのは、はじめてサトシのお店のホームページに出かけた時だった。とてもおしゃれでかっこいいサイトだった。淡いグリーンが基調である。以前の居酒屋だったらサトシが自分で作ったホームページで押し切ってしまったのだろうが、今の店は女性中心のおしゃれな店らしいから、プロに頼んで作ってもらったのだろう。掲示板に書き込もうと思ったのだけど、場違いなおやじが親しげに登場したら、結果としてあらしになってしまいそうなので自重した(笑)。

 とてもおしゃれでかっこいいとは思うが、サトシらしさの出ていない、ごくありふれたプロの作ったデザインであるのもたしか。とはいえそれが目的であり、本人の願いは「サトシらしさ」なんてものを隠すことかもしれないから、これはよけいなお世話だけれど。

 プロのデザインするホームページってのは、素人の技術力が上がり、あるいは素人用のホームページ作成ソフトがより充実し、今はまだプロのものになっているテクニックが誰でも出来るようになったとき、またひとつ大きな転換を迎えるように思う。
 ここにおいて「そのときにはまたプロは素人のずっと先を行っており」との反論がありそうだが、そういうものでもあるまい。たしかにそのときにはプロは、もっともっと先端の動画技術をマスターしているかもしれないが、サトシのお店のような、お客さんとのコミュニケーションのためのホームページが、なんでもかんでもそんなものを必要とするとは思えない。時速100キロ出ない自動車では困るが、かといって200キロ出る必要もないようにだ。

 ホームページの個性というのは、今のサトシの店のホームページレヴェルを、店主のサトシが気楽に作れるようになった頃(簡単に作れるソフトウェアが普及した頃)、あらたな展開を見せるような気がする。最後は主催者のセンス勝負になる。今はそれ以前の基本技術が売れる時代だから、まだまだ黎明期なのだろう。
03/5/17 ブラウザーSleipnir(03/5/17)


 『週刊アスキー』の「おすすめフリーソフト」で推薦されていたタブプラウザー{Sleipnir}をダウンロード。「最強の呼び声も高いタブブラウザー」のコピーに惹かれた。格闘技ファンだけに「最強」ってのに弱い。

「タブブラウザ推奨委員会」というホームページに行ってみたら、数多くのタブブラウザを紹介しているそこでも「最強」と推奨していた。わくわくしつつダウンロードして解凍する。かつては熱心にこういうものを探しては試していた。Donutで満足してからすっかりしなくなっていた。今も満足しているのだが、興味をそそられての浮気である。果たしてどんな使い心地か。楽しみである。
 開いてみた第一印象は、デザインがすっきりしていてかっこいい。だいたい評判のいいものに共通する要素だ。かっこいいデザインは大切である。

 同じくDonut一族の中でいちばん軽いというDonutLをダウンロード。LはLightの略らしい。アナログ通信だから軽ければ軽いほどいいのだけど、でもこれは没。
 Donutからあまり使わない機能を削ったライト版なのだが、検索窓がなくなってしまっている。今のぼくのインターネット使用法は、自分のファイルに入れる企業製品の写真を探してくることがメインだから検索窓は必須。これはゆずれない。

 さてこの最強の呼び声高いというSleipnir(どういう意味でしょう? 辞書にはありません)が最愛のブラウザーとなるのかどうか。




これ、文句なしに「最強のブラウザー」ですね。すごいです。大おすすめです。詳しくは「心から感謝を込めて」に書きますが、すばらしいソフトです。感心しました。(03/6/24)

03/5/10
Netscape話


 ひさしぶりにNetscapeをダウンロードした。ヴァージョンは7。むかし(といっても数年前か)はこういうブラウザーも有料で買っていたんだよなあと感慨にひたることがあり、ふいに「いまネスケはどうなっているのだろう」と、思ったのだった。ウインドウズかマックか、インターネットエクスプローラーかネットスケイプか、二者択一。プロレスなら馬場派か猪木派のような、そんな時代だった。

 30メガをアナログでダウンロードだから何時間もかかった。ダウンロード完了して自動解凍し、かってに常駐したまではよかったが、なんと完全リンクされているのが朝日新聞である。トップページに網羅されているニュースをクリックするとasahi.comにつながる。こんな気持ちの悪いことはない。私は国賊売国奴アサヒシンブンが大嫌いなのだ。

 かといって設定を変え、asahi.comを消して、自分の気に入っているものをホームページに指定し、ネスケをデフォルトブラウザに、と、そこまでやる気もない。ブラウザーはいま愛用しているDonutPで満足している。かつて購入したこともある長年さわっていない有料ブラウザのNetscapeが、今はどうなったか見ようとしただけだ。いや、使いやすかったらしばらく使ってみようと、それぐらいの気持ちはあった。それがこの体たらくである。アサヒシンブンと結託しているブラウザなど金をもらっても使う気はない。
 不快になってすぐに削除した。せっかく何時間もかけてダウンロードしたのに。なにやってんだか。


 
 大のマックファンであるバカサヨクのカリヤテツ(自虐史観偏向の『美味しんぼ』原作者)は、『美味しんぼ』の中で、主人公のヤマオカシローにマックを讃歌させ、ヒステリックにウインドウズをこき下ろさせていた。人は好きずきだからそれはいいのだが、どうにもそのヒステリックな態度は異様だった。どうやら彼にとって、大好きなマックの普及率が低く、大嫌いなWINDOWSなんてものが世の中の主流であることが腹立たしくてしょうがないようだ。これってマック派にはよくある傾向で、ぼくはマックは好きだが熱烈なマックファンは苦手である。
 なるほど、マックは、プラウザーはネスケ、ニュースはアサヒと、カリヤ好みだったのだ。主人公ヤマオカの就職しているモデルもアサヒシンブンであり、敵対するよくないシンブンが讀賣なのである。まあよくもわるくも一貫はしている(笑)。
 よくわかりました。二度とネスケは使いません。

 マック使いの基本は映像関係と音楽関係だ。PC初期の頃、いかにすぐれていたことか。それはよくわかっている。その分、値段もとんでもなく高かったが。
 ぼくはもともとパソコンを音楽を作る道具として導入したからマック派になる可能性は高かった。ぼくの周囲の連中にもマック派は多かったし、いまだにぼくをマック派と思っている知人もいる。もちろんそれは親しかったらすぐに判ることだから、メールのやりとりすらもしていない取り敢えず知りあい程度のひとだが。

 初対面の人にはマック派でしょうと言われることも多い。ぼく自身もおしゃれなデザインのマックは大好きだった。元々大のナンバーワン嫌いである。マックの存在は好ましかった。だけどあれはどうにも日本語入力が貧弱だった。日本語入力がメインの私にはマックをメインにするほどの餘裕はなかった。今はマック用のATOKまで出たりしているからそんなこともあるまいが。

 もしもマック使いになっていたらネスケとアサヒの連携に苦しめられたことになる。これはこれで正解と思うことにしよう。心の一部にあったマック派への転向が完全に断たれた夜だった。





 すこしまえ、アジア関連のサイトでは先駆者として名高いラフー今永さんのホームページを覗いたら、制作環境をWinからMacに替えた(もどった)ことを誇らしげに宣言していた。サイトはMacを駆使した完全な動画中心となりアナログモデムのぼくにはついてゆけないものになっていた。動画や豊富な画像を読みこめないのだ。かなりかっこいいサイトである。つくるのたいへんだったでしょう。すごいなと思った。

 一昨年の夏、チェンライのメーコックビラに泊まった時、常連から、つい先日ラフーさんが来て、アサヒシンブンに旅の話を書くのだと鼻息荒く語っていたと聞いた。彼らからすると、自分達と同じ経歴の旅好きのラフーさん(かつては一緒にいいこともわるいこともした仲)が、あの天下の(笑)アサヒシンブンに書くほどに出世したことは我が事のように誇らしく、同時にまた声高にアサヒシンブンを連発するラフーさんが、すこしばかり煙たかったようだった。

 ぼくがここに書きたかったのは、「マック→ネスケ→アサヒシンブン」という関係が、ぼくの嫌いなものであり、イコール、だからぼくとマックは合わない、ということである。それは逆にアサヒシンブン大好きのラフーさんにとっては、好きが三つ重なることになるから、ラフーさんはMac生活を満喫していることだろう。

 友人に、父が自衛隊で、思想的にぼくと近いのがいる。彼の愛用しているのはMacである。いつもasahi.comを読んでいるのだろうか、それでストレスはたまらないのだろうか。今度尋いてみよう。(03/5/15)
03/11/21 『大辞泉』を使えるようにするソフト

 パソコン上で使う辞書として、いくつかある中からぼくがもっとも気に入って愛用していたのは小学館の『大辞泉』である。
 それがいつからだったか使えなくなった。インストールして使おうとすると「地域の設定を日本にしてください」と出る。コントロールパネルから「地域のオプション」に行ってみるとちゃんと日本になっている。なんどやってもだめだ。困った。

 そこで考えたのは「これはWindows2000」に対応していないのではないか、ということだった。もしもそうなら小学館の『大辞泉』のサイトに書いてあるはずだ。なにかをDownloadして使えるようになるもよし、もしもそうでなくても、「申し訳ないがWin2kやXPには対応していない」と書いてあれば、それはそれで納得する。

 探してサイトにいって見た。しかしどこにもなにも書いてない。ヒジョーに不可解な気分のまま今日まで来た。CD辞書『大辞泉』が使えなければどうしても中心は同じCD辞書の『広辞苑』にならざるを得ない。しかしこのサヨクがかった『広辞苑』が私は大嫌いなのだ。
 辞書は必須ソフトだ。一日に何度も使う。最重要のソフトである。いまパソコンに入っている国語辞典はマイクロソフトのBookShelf(国語辞典は小学館)と、この『広辞苑』だけだ。あとは類語辞典。
 BookShelfは複数の辞書が入っていて便利だが、すこし頼りない。実際には英語は『英辞郎』で引いてしまうことのほうが多い。国語辞典としてはものたりない。畢竟、大嫌いな『広辞苑』を多用することになる。やるせない憤懣がたまっていた。



 そして今日、またも未練たらしく『大辞泉』をインストールする。半年ぶりぐらいか。この未練もかなりのものだ。先日OS用のハードディスクを変えたから、もしかしたらと期待したのだ。パソコンなんてちいさなことでガラっと変ったりする。なにかの都合ですんなりとまた利用できるのではと期待した。

 が、かわらなかった。相変わらず「地域の設定で日本語にしろ」と出る。しているのだ。ためいきつきつつ深夜、またも未練たっぷりにネットで『大辞泉』を検索する。こんなことをしてもむだなのに。
 すると、やってみるものである。今までの疑問がすべて氷解し、山の向こうから希望の朝日まで射してきたのだ。

 使えない『大辞泉』を使えるようにするキットがフリーで開発されたという。行ってみた。冒頭を読んでひっくり返った。

《小学館「大辞泉」CD-ROM(1997刊)はWindows3.1およびWindows95用のWin16アプリケーションであり、 WindowsNT / 2000 / XP では実行することができません。当ToolkitでEPWING化することで、各種OSやPDAで大辞泉コンテンツを活用することができます。》

 そうだったのか。16ビットアプリであり、32ビットのWin2000では使えなかったのである。Win2000を導入したのはいつからだろう。2000年ぐらいか。そのときにもう使えないことは確定していたのだ。なのにそれから3年、半年に一度ぐらいの割合で「なんとか『大辞泉』を使えないものか」とインストールしては削除を繰り返してきたのだった。なんとも自分の間抜けぶりに呆れた。

 だがこれはやはり小学館が「『大辞泉』はWin2000,XPでは使えません」とホームページに記すべきだったろう。ならさっさとあきらめていた。それがすなおにインストールでき、立ち上げようとすると「地域の設定を」と出るものだから何度も何度も問題はこちらにあるのかと未練たらしくいじくっていたのである。
 しかし考えるほどにヘンな話だ。使えるような修正プログラムを発表してもいいし、あらたに対応したものを発売してもいい。その場合VersionUp版として旧商品をもっている者にはすこし安くしてくれれば喜んで買った。なのになんの表明もないのだから不自然である。

 このツールを使うと『大辞泉』が使えるようになるらしい。ありがたいことだ。『大辞泉』が復活すれば『広辞苑』と縁が切れる。

 と喜んだのだが、どうも説明を読んでいる限りにおいて、このTool Kitの使いかたが、すっかり頭の固くなってきたぼくには難しいのである。なんとかがんばって使いこなしたい。
 それにしても、辞書というものに編者の明確な思想的思惑が込められていて、合わないものはとてもじゃないが使えないのだなんて、むかしは考えたこともなかった。『広辞苑』を引いていると従軍慰安婦なんて造語を始め、まるでアサヒシンブンを読んでいるようで不快でたまらない。早く縁を切りたい。
04/2/23
 Green Browser──まだまだあるスグレモノ

 インターネットエクスプローラから始まり、いくつも代わってきたブラウザはDonutで最後と思っていた。すべてに満足していた。改良型のDonutPがメインとなったが同じようなものだ。この辺はパソコン関係の文章にまとめた。Netcapterのこととか。まったく初めてあれでタブブラウザなるものを知ったときはそのあまりの使いやすさに感激したものだった。今時ここを読んでいる友人にインターネットエクスプローラを使っている人はいないと思うが、まったく違う。すぐに換えましょう。知らなかったらなんでも聞いてください。懇切丁寧にご説明します。

 パソコン雑誌で「最強のブラウザ」と賞賛されているSleipnirをDownloadして使い始める。その時点ではDonutPから代わるとは思っていなかった。しかしこれがさすが「最強」と謳われるだけあってすばらしいものだった。ここでもう本当にこれ以上あたらしいブラウザを使うことはあるまいと思った。

 ところが2ちゃんねるのパソコンソフトウェア版でGreen Browserなるものが出たと知る。外国製だが日本語化もされているらしい。あたらしいものらしくタイでらいぶさんに買ってきてもらったPCソフト集「QuichPC 67」にも入っていた。

 サイトに行ってみる。日本版をDownloadした。するとこれ制作者も後出しだから今までのソフトのいいとこばかりをとったと書いているように、じつにセンスのいい使い勝手のよいスグレモノである。思わず「デフォルトで使うブラウザ」に設定してしまった。

 こういうのの好みは人それぞれだ。Sleipnirはとても多機能らしい。おそらくぼくはその能力の十分の一も使っていないし、これからもきっと使いこなせないだろう。むしろネットを有効活用していないぼくには宝の持ち腐れになる。シンプルなDonutをさらにシンプルにしたDonut-L(ライトですね)でちょうどいいのだが、このGreen Browserはデザイン的にも魅力がある。しばらくはこれを使おう。

 こういうすばらしいものをフリーで提供してくださるかたには感謝感激で手を合わせたくなる。あ、Green Browserは寄附大歓迎とかで割合強要していたな(笑)。とにかくおすすめですのでぜひ一度使ってみてください。いいブラウザです。アドレスはこれ。
http://www.morequick.com/indexen.htm
04/2/26
 CPU使用率100%の怪
──『ホームページビルダー』とノートンユーティリティ


 OSを再インストールしたばかりなのでなんだか小さな不具合が連続している。ノートンユーティリティでも解決できない問題が生じたのでひさしぶりにネットで解決法を検索した。まだ解決はしていない。が、だいたいが不具合といっても実際的な支障はない。起動するたびに××がないと注意されるのが不快なだけだ。なにかDLLが足りないらしい。そのわずらわしい指摘を止めさせようとネット検索していた。すると同じ状況の人がいた。有名な不具合らしい。期待できるかと思ったが先輩方がこぞってその人にアドバイスしているのが再インストールしなさいだった。もうしたくない。したばかりだ。よってこの問題は無視。その辺のこちゃこちゃした問題をいちいち気にしていたらこの缺陥だらけのウインドウズやらとつきあえないのも事実。そう割り切ることにした。

 その検索過程で興味深いものに行き会った。といっても興味深いのはぼくだけの問題なので期待するとがっかりする。
「『ホームページビルダー8』を使うようになったらいつもCPU使用率100%になってしまった。のろくて困る。7の時にはなかったのに。IBMに電話したらノートンを削除しろと言う。まだしていないがアタックされていると警告が連続するこのごろ、ノートンを削除するのも不安だ。使用環境はPenⅢの1G、メモリは512M」との書き込みがあったのだ。最近の話である。

 ぼくは『ホームページビルダー7』で、PenⅢ、メモリ1ギガが常にCPU使用率100%になってしまい、とても実用に耐えないので今のDualCpuパソコン製作を決意したのだった。それに苦しんでいたころはやっとPen4が出たばかりでPenⅢ1Gにメモリ1ギガは最強に近い環境だったのである。なのに『ホームページビルダー』を使うとスタックしてしまうのだから、今思えば別のことを疑うべきだった。いわばあまりに非常識な事態だった。しかし単純なぼくは、そのときのほぼ最高環境でもダメならより究極のDualCpuにするしかあるまいと決断したのだ。いやきっとそんな理由をつけて前々から憧れていたDualCpuパソコンを作りたかったのだろう。

 その後DualCpuパソコンを作ったらCPU使用率100%は解消され快適に動くようになった。すっかりことのことを忘れていた。今もこの人が重くて困っているという『ホームページビルダー8』も問題なく動いている。なんでも8は使用環境としてメモリ256メガを要求しているらしく(覚えていないや、そんなこと)、当時と今は状況も違ってPenⅢ1Gは今や貧弱なCPUだから、この人は「7の時は問題なしだったのに8になったらこうなってしまった」と、問題発生を自分の非力なパソコン環境のせいにして納得しようとしているのである。

 そうじゃない、とぼくは言い切れる。まだPenⅢ1Gが最強のCPUだった時代にこの人よりも多いメモリ1ギガを積んで動けなくて苦労したのだ。しかも『ホームページビルダー』のヴァージョンは彼が支障なく動いていたという7である。これは断じてCPUの力の問題ではなく「『ホームページビルダー』とノートンユーティリティの相性」に原因がある。彼が書いている「『ホームページビルダー』でファイルをUPしようとするとCPU使用率100%になってしまい、動かなくなってしまう。タスクマネージャーで見ると応答なしになっている。でもしばらくするとファイルはUPされ元の状態にもどる」もぼくの場合と同じだ。今回の不具合はあきらかに『ホームページビルダー』とノートンのケンカから生じていると言えそうだ。なにより『ホームページビルダー』の製作元であるIBMの担当者がそう言っているのだから何か深刻な問題があるのだろう。

 当時ぼくもこう思った。「大勢の人が『ホームページビルダー』でホームページを作っている。その中にはぼくのパソコンよりも非力な人も多いはずだ。その人たちが皆こういうスタック状態で苦しんでいるとは思えない。いったいこれはどういうことなんだろう」と。とにかくあまたあるソフトの中で『ホームページビルダー』だけがおかしかった。それ以外のソフトではパソコンは数字に見合っただけの働きをするのにホームページ作りの作業をすると途端に役立たずになってしまうのである。あのころも探せばその答は見つかったのかもしれない。あるいはIBMに電話していればノートンとの相性も聞くことが出来た。ネット嫌いと電話交渉嫌い、NECの98時代からのノートン愛用者、前々からあこがれていたDualCpuパソコンを体験してみたいという欲求、いくつもの要素が絡まってぼくはこの問題の正解を知らないまま通り過ぎていた。気の毒なのは(とぼくはこんな考えかたをしてしまうのだが)実力を発揮できないまま能力診断をされた自作二号だったろう。まともなら『ホームページビルダー7』なんてPenⅢの500Mhz、メモリ256メガでもスイスイ動くはずである。動かねばならない。あんなに重くて遅くてはソフトとして成立しないだろう。売れるはずがない。なのにベストセラーだ。だからそれは、ぼくの状態が異常だったのだ。ぼくの場合はノートンシステムユーティリティ全体をインストールしていたからそれでかなり重くなっていたはずである。今度自作二号からノートンを全削除して、それで『ホームページビルダー』を使ってみよう。
03/12/8
『ホームページビルダーVersion8』の能力

──縦書きについて




『ホームページビルダー』Version8の実験 『ホームページビルダー』Version8が発売になった。極力もうこういうのには踊らされまいと思っている。なにより現在のこれらの売りは、動画の編集が出来たりすることなのだが、私の場合それらとはまったく無縁なのだ。いま現在使用しているVersion7の目玉機能である「ウェブアニメーター」「ウェブヴィデオスタジオ」も起動したことすらない。WinXPを拒みWin2Kの愛用者でいるように、ここはひとつ新バージョンに走ることなく、なにか必要とする機能のついたVersion9か10が出るまで7のままでいようと思った。それはVersionUpどころか6.5という6のミニ改良版ですから出たらすぐ買ってしまうぐらい企業の言いなり男にとっては、7ではなくあきらかなVersionUpである8が出たのに買わないのだから、大いなる進歩なのだった。
 なんて思ったのもほんの数分のみ。新機能として「縦書き編集機能がついた」と読んだらもういけない。ホームページの全文章を縦書きに直し、縦書きで統一された自分のホームページを夢見ていそいそと店に走っていた。

 すでに「縦書き変換ソフト」を使って商業用に発表した文章の再掲は縦書きにしている。これらの便利なフリーソフトで提供してくださる皆さんには感謝しきりなのだが、能力的にはもう一歩ものたりない。以前も書いたが、それは横書きを縦書きに見えるように並べ直しただけなので、一文字でも削除したり加筆したりしたら全部の並びが狂ってしまう。私のような手直しが好きなものには(まあ私に限らずホームページ上の文章には誤字脱字が多いし手直しは誰でも必須だろう)あまりに使いづらいのだった。それともうひとつ、見た目が美しくない。これも重要だ。なんかよれよれしていて横書きよりもずっと見てくれが悪い。あれはなんとかならんだろうか。それは下記の横書きの「縦書き」と縦書きの「縦書き」の見栄えからもわかる。
 フリーソフトのそれは無償で提供された一種のアイディア作品だった。今度は違う。商品として『ホームページビルダー』が搭載した機能なのだから当然それは文章の手直し自由自在のはずであり、見た目も横書きと同じだけの美観を持っているはずである。商品紹介のところに掲載されている縦書きのページもかっこいい。ついに、やっと。店に向かう私はいつしかスキップしていたかも知れない。

 わくわくインストールし、どきどき起動し、はらはら使用して、いま思う。「なんじゃ、こりゃあ」である。
 上のオレンジ色(もとい、みかん色)がそれで作った第一号になる。これだけ見ると新機能なのだがそうではない。『ホームページビルダー』にはウェブアートデザイナー(通称WAD)と呼ばれる機能がある。Logoを作るアプリケーションだ。これは2ちゃんねるのパソコン板での論争において、いつも結論は「『ホームページビルダー』は初心者用、本格的なものを作りたいなら『DreamWeaver』」と決まっていたのだが、唯一例外として、「でもあのWADは最高に使いやすく便利だ」と、『ホームページビルダー』をボロクソに言う『DreamWeaver』派からも絶賛されるものだった。私のホームページにLogoが多いのもこれが使いやすいからである。Logo作り専用のソフトウェアを使っていたりもしたが、今ではこれ一本になった。客観的に見てすぐれていて使いやすい。

 そのWADで作るLogoは横書き文章の見出しにする横書きのものだが、一文字ずつ改行してゆけば縦書きも作れる。原理は「縦書き変換ソフトウェア」と同じである。「縦書き」というLogoを縦書きで作りたかったら、





 と、改行を多用すればそれらしくなる。
 まことに残念ながら今回の『ホームページビルダーVersion8』の新機能とは、それを使いやすくした程度だった。今までの機能でそれを作ろうと思ったら、横書きにした文章を文字の数だけ改行してそれふうにしなければならない。それが一発で出来るのだから便利な新機能ではある。ただそれで「縦書き機能=これであなたも縦書きのホームページが作れる」と言えるものかどうか……。

 多量のテキスト文章を貼ろうとしたら出来ないようになっていた。理由はこれが画像ファイルだからであろう。そんなことをしたら一枚が何十メガにもなってしまう。あくまでもこれは「縦書きの見出しを作る程度の機能」なのであって、縦書き文章のホームページのためのものではない。
 便利ではあろう。商品紹介や写真のキャプションなど、デザイン的に今までよりずいぶんと便利になるはずだ。なんのかんの言おうと私も重宝してゆくはずである。でもちょっと期待しすぎただけに……。
06/11/23 ほどよい新鮮味

 ソフトウェアオタクだった。関心を持ったものはなんでも買った。ずいぶんと無駄な金を使った。期待して買い、使って気に入ったものは十にひとつもない。
 1998年頃からタイで違法コピーのCDを買うようになった。これでだいぶ助かった。といって違法コピーソフトを無料で使ったという意味ではない。あれは英語版だし英語嫌いの私は使う気にならない。現に使ったモノはない。あれのお蔭で無駄な買い物をしなくなったのだ。違法コピーの英語版で雰囲気が確かめられる。そうして気に入ったものを買った。ノートンのVersion Upなどがその代表になる。違法コピーCDに収められた英語版で確かめてから日本語版を購入した。思えば私はノートンをNEC-98時代から使っている。長い長いつきあいだ。この話をすると、「えっ、そのころからあったんですか!?」と驚く人が多い。今じゃアンチウイルスソフト、というかインターネットセキュリティソフトとして知らない人がいないぐらい有名になった。当時はユーティリティソフトが主だった。必ずパッケージに自分の写真を使っていた。ノートンが人名であることすら知らない人も多くなった。

 AdobeのPhotoshopやIllustratorを私は買っていない。買いたいと思いつつ自分には使いこなせないだろうと思った。猫に小判だろうと。なにしろ安価なPhotoshopのLE版だって手に餘していた。そっち方面はあまり興味がないようだ。でも買いたい。機能制限版のリミテッド・エディションだから燃えないのであって高価な本物を手にすればその気になるのではないかと思ったりする。それさえあれば写真加工に凝るのではないかと。
 違法コピーCDから英語版をインストールし雰囲気を知る。すなおにあきらめられた。そっち方面には興味も才能もないと。でなかったら今頃使えもしない高価なそれを本棚に並べていたろう。ソフトウェア寄せ集め違法コピーCDの価値は絶大だった。

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 タイで入手するソフトウェア寄せ集め違法コピーCDのお蔭でだいぶ無駄な買い物が減った。とはいえ「日中自動翻訳ソフト」のような日本語関係のモノはそこにはない。大枚はたいて買い、なんの役にも立たずに放り投げたりもした。
 それに、2kを使っている時代、XP-Proがシリアル附きで入っていたから興味を持ったが、いくらなんでもタイ語VersionのOSを入れる気にはならなかった(笑)。だいぶお世話になったが私の場合その程度である。100バーツの違法コピーCDはそこまでのものでしかない。英語圏には、ああいうもので極楽PCライフを送っている人がいるのだろうか。もしもすべてが機能したなら、たしかにたった100バーツのCD一枚で何百万円分の高額ソフトウェアが使い放題になる。私は英語が嫌いだから遠ざけてしまったけど、もしもそうでなかったら、たしかにあれ一枚でAdobeやmacromediaの高額ソフトが使い放題なのだ。私は買いはしたが直接的な恩恵はなにも受けていない。後ろめたいものだから受けてなくてちょうどいい。

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 気に入ったソフトはVersion Upのたびに買い換える。『ホームページビルダー』はそのひとつだった。出るたびに買う。いまも思うのだが6.5は買う必要がなかった。6の次の7ならともかく、なにか不都合があっての6.5なのである。だけどその当時は不都合があったらしいから買わねばならないと即断していた。その不都合がなんなのか改良点がなんなのかも知らずに。
 というわけで私の本箱にはズラズラズラと『ホームページビルダー』が全バージョン並んでいる。私はそれを普通と思っていた。

 インターネット世界で同じソフトを使っている人の書き込みを読むことにより、自分のようにすべて買いそろえるのはむしろ少数派なのだと知った。ほとんどの人は、たとえばバージョン6を使っていたなら、7が出ようが8が出ようが自分の作りたいと思うホームページ作業に不都合が生じない限りそれを使い続けるのだと知る。当然だ。それが正しい。なんの不便もないのだから。そうして「こういうことをやりたいが、それは今持っているものでは出来ない。最新のものでは出来るらしい」となったとき、新しいものを買うのである。
 私は新型車が出るたびに乗り換える人を否定し、世界に類のないほどこまめにモデルチェンジする日本車の企業姿勢をいぶかっていた。ヨーロッパ車の獨自のフォルムを長年大切にする誇りを貴び、イギリスやアイルランドで出会った「もう二十年も乗っているのに故障しない。ニホンのカローラはほんとうにすばらしい」と語る人たちの感覚を支持した。なのにパソコンのソフトウェアでは同じ事をしていたのである。

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 『ホームページビルダー』のバージョン9を使っていた。一昨年暮れ新発売の製品である。ここまでは新発売のたびに購入して全バージョンをもっている。そのときにやっと上記のことに気づき、昨年暮れ10が出たとき、今回は我慢してみようと思い購入を見送った。長年「出たら何も考えずすぐに買う」が習慣だったからこの我慢はけっこうつらかった。
 この辺の新製品の新機能はみな近年好まれている(らしい)映像的なものである。アニメーション機能のようなものだ。私はそんなものは使わないから不要である。企業サイトのFlashもわずらわしくてしょうがない。実際私の作っているホームページは『ホームページビルダー2000』(1999年発売)で充分だろう。いやさすがに2000では無理か。でも6で充分だ。買い換える必要などない。何が新しくなっているかはカタログでわかる。私に10は必要ではない。買わないことにした

 でも気になってならない。そんなときIBMのホームページから体験版がDownload出来ると知る。試用期間は一ヶ月。機能の一部に限定がありインストール後30日を過ぎると使えなくなる。早速Downloadしてみた。
 するとすぐにいくつかの便利な点に気づいた。私は新機能を使わないのにVersion Upのたびに買いそろえてきた企業に振り回される典型的バカユーザーである。だがその分長年長時間愛用しているヘビーユーザーだから「使用者としては一流」でもある。毎日何時間も使っているから「ここはよくできている。でもここをこうするともっと便利なのに」のように小さな長短所に気づいている。新バージョンはアンケートハガキ等で知らされるそういう不満を考慮して作られる。10の新機能にはまったく興味がなかったが、たしかにそれは新バージョンであり、私が「ここのところがちょっと使いづらいんだよなあ」と9で感じたいくつかのことがキチンと直されていたのだった。

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 以下はヘビーユーザーのみの細かな指摘。読むほどのことではない。いや書くほどのことでもないのだが、こういうのって改良されてそれが当然になったら私も確実に忘れるから書いておくことにした。よほどの『ホームページビルダー』愛用者でない限り、何を言っているのかすらわからないだろう。

 たとえばリンクを張るとき、「リンクの挿入」をクリックしてその項目に行く。ファイル名を選び、さらに文中の書き込んでおいた「ラベル」につなぐ。そのとき、「ファイル」「URL」等いくつもの項目が表示されているので、「ラベル」の項目が見えなくなっている。「表示項目一覧をマウスですこしスライドさせ」て「ラベル」を表示させる。それからクリックする。
 ほんとにほんとに小さなことだ。だが私のように文章を書いたら目次からファイルにリンクを張り、そのファイルの中のラベルにつなぐことがホームページ作りの基本である者には、文章を書いたときに毎回やる作業である。だからそのたびに「表示項目一覧をマウスですこしスライドさせ」るのが煩わしくなり、「ここを直してほしいよなあ」と思うのだ。それは簡単に出来ることだ。各項目の幅を縮めてもいいし、横一覧になっているものを縦に配置すればいい。

 同じく。
 私はいつも『ホームページビルダー』で10個ぐらいのファイルを同時起動している。いきなりそれをするのではない。最初はまず非公開の私的な日記を書いている。それからホームページのTopPageを開き、あれこれやりだす。「電脳」でコンピュータのことを書いているとき「ああ、忘れないうちにアレを書いておこう」と「報道」を開いて書き出したりする。そうこうするうちにいつしか10ものファイルが開いている。こういうのは「順番にひとつずつクリアすればいいではないか」と言われそうだが、この思いつきであっちに飛びこっちにもどりが楽しみで私はホームページを作っているようなものなのだ。つまりこれが楽しみの根源なので譲るわけには行かない。もしも『ホームページビルダー』がひとつのファイルしか編集できず、もうひとつを編集するためには現在のファイルを閉じねばならないとしたら、私はかなりしらけていた。ここまで愛用もしかなったろう。

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 ということで思い出す。Ms-Dos時代はそうだった。ワープロソフトを使用しつつ辞書ソフトを開こうと思ったら一度ワープロソフトを閉じねばならなかった。同時にふたつのソフトは使えなかった。だから当時の私の机には国語辞書や漢和辞典、英和、和英の辞書がいつもおいてあった。
 Ms-Dosでこれが同時に出来るようになったときの感激は今も覚えている。『章子の書斎』で文章を書きつつ『光の辞典』を同時使用した。そうしてWINDOWS時代になり、95から98のあたりで「マルチタスク」は常識になる。しかしこんどはユーザーリソースの壁が立ちはだかり、いくつもソフトを同時起動するとすぐにフリーズした。そしてそれがやっと2kで解放された。2kこそはまさに私にとって待ちかねたOSだった。
 私は今も世に多い98が好きだという人とは感覚が合わない。それはパソコンの使いかたの違いなのだろう。ごくふつうに使う人にとっては98もそこそこ満足できるOSだったのだろうとは思う。だが同時にいくつものソフトを起動し、あっちの作業をしていたかと思うとこっちにもどり、という使いかたをしたかった私にとっては、それをするとすぐに固まってしまう98は最低のOSだった。ユーザーリソースの壁がない(厳密にはあるが)2kと出会い私はマルチタスク環境を手に入れた。よりそれを楽々としたいがためにDual CPUパソコンを自作したりした。
 最近デュアルディスプレイにしたので、文章を書くエディターや『ホームページビルダー』を目前のディスプレイに開き、辞書類は右手のサブに表示している。これまた長年マルチタスク環境としてあこがれてきたものだった。

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 2kでもXPでもVistaでも、一度に『ホームページビルダー』で10個のファイルを開くとCPU負担はかなりのものらしく、同時に辞書ソフトをいくつもオープンし、インターネットラジオで音楽を聴いたりしているから、CPU使用率はいつも100%になってしまう。だがタスクマネージャで見てみるとそのうちの60%は『ホームページビルダー』が食っており、それは起動しているファイルを10から3に減らすとすぐに下がる。メモリを1792MBにしてから(何度書いてもこの数字は恥ずかしい。もうすぐ素直に2GBと書けるはず)だいぶ楽になった。CPUをデュアルコアにすればもっと楽になるだろう。

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 思い出話に寄り道してしまった。本題にもどって『ホームページビルダー』の改良点の話。
 10ものファイルを同時起動し、あっちに飛びこっちにもどりが私のホームページ作りの最大の楽しみである。私は起動しているホームページの右端に「ページ一覧」としてそれを表示させている。ところがこの「編集中のページ表示」が「ファイルの属性」「ドキュメントアウトライナ」という項目と三位一体なのである。画面の右端に5センチ程度の幅でこれを表示させていると、「属性」と「ドキュメントアウトライナ」だけで肝腎の「編集中のページ一覧」が見えない。8センチ幅ぐらいにすれば見えるのだがそりゃデカすぎである。本文の欄がちいさくなってしまう。私は「属性」も「ドキュメントアウトライナ」もめったに使わない。毎回必要なのは頻繁に切り替える「ページ一覧の表示」だけなのである。で、この場合もマウスでちょいとスライドさせて「ページ一覧」を表示させ、その中のファイルを切り替えることになる。これももう一日に何十回もやる作業だから「ちょいとスライドさせて表示させ」が面倒でたまらない。なにしろデフォルトは「属性」に決まっているので必ずせねばならない。このデフォルトが属性であり換えられないのも不満だ。
 Downloadした10では、きちんとこれが直されていた。スライドさせなくても「編集中のファイル一覧」が見えるようになっていた。たったこれだけでもどれほど楽になったことか。(12月1日発売の11ではさらに進化し、「ページ一覧」が獨自の窓になっている。もう使いもしない「属性」や「ドキュメントアウトライナ」に煩わされることもない。)

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 がぜん10が欲しくなった。クルマで例えるならサイドミラーが電動になったようなものである。いちいち手で直すのは面倒だ。うまく角度が直ったかも運転席までもどらないと確認できない。まして雨の日などたいへんだ。便利である。欲しい。だけど何一つ不満のない今のクルマをそれだけのために買い換える必要があるのか。だいたいサイドミラーの角度直しなんてめったにやることじゃない。そのことのためだけに……。これと同じである。

 一ヶ月の試用期間が切れた。もとの9にもどる。すると今までも感じていた不満だったが、直っている10を体験したものだからよけいに感じるようになった。すぐにでも買いたい気持ちを我慢できたのはこれが一年の半分をすぎた夏だったからである。冬になれば11が出る。あと数ヶ月我慢しようと思った。出たばかりの春だったら迷わず買っていた。元々「2kから、XPは使わずに次のOSを待とう」と思ったのと同じように、9からいくつか飛ばしてみようと思って始めたことだ。欲しいけど10は我慢するのだ。でないと飛び飛びにならない。

 案の定つい数日前、12月1日に11が発売と発表になった。早くもその11がDownloadして体験版が使える。早速やってみた。いまこれは体験版の11で書いている。相変わらず新機能には興味はないが、「痒いところに手の届く親切」がさらにいくつか増えていた。上記したように私が最も多用する「ページ一覧」は獨立表示になり快適至極である。
 12月1日の発売と同時に購入する予定である。新発売と同時の購入は以前なら単なる惰性であり毎度のことだったのだが、10を我慢したことによりたかがその程度のことなのに今から楽しみでならない。
 夕方のビールをうまくするために日中は水分を我慢する、は飲み助の常套手段だが、パソコンのソフトウェアにも同じことがいえるようだ。ささやかな新発見である。

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 まったく同じ事がATOKにも言える。毎回必ずVersion Upのたびに購入してきたがここ二度ほどパスした。『ホームページビルダー』と同じく最新版のATOK2006をDownloadして試したら進歩しているのが如実にわかる。これも体験版なので一ヶ月で使えなくなってしまったが、いま関わっている会社が導入しているので、毎日会社でATOK2006を使い、帰宅して家でATOK16を使うので日々その能力差を知らされることになる。(いま手伝っている会社のパソコン環境はうんざりするほど不満だらけなのだが、ATOKを導入していることだけは評価できる。MS-IMEなら周囲と論争になろうとも自分のATOKを持っていって入れていた。)
 ATOK2006が欲しくてたまらない。でもこれも我慢する。もうすぐATOK2007が出るだろう。それを買うつもりでいる。これは2006が今年2月新発売だったから来年2月か。
 たかがソフトウェアひとつでも思いつきでだらだら買わずほんのすこし我慢するだけでこんなにも景色が明るくなると知った。日々を輝かせるのは工夫次第のようだ。

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 高速通信のお蔭!
 書いていて気づいた。ふたつともADSLが開通したお蔭なのである。昨年夏までダイヤルアップだった私はテレホーダイ(←こういうのをほんとの死語というのだろう)を利用して通信していた。Win2kの15メガ程度のUpを一晩かけてやっていた。思えばiTunesも2年前にmomoさんからCDを送ってもらって使い始めるのだが、当時からappleはDownloadサーヴィスをやっていた。低速通信の私には手が出ずmomoさんがCDを送ってくれるまで使えなかったのだった。

 『ホームページビルダー』の体験版は60メガもある。ATOK2006もおおきい。もしもまだ田舎にいてADSLでなかったならとてもDownload出来る容量ではない。するとそもそもここに書いたことがありえない。そしてまたその因果を考えると、私はパソコン通信のようなことをしていなかったから、他人様から使い勝手、美点缺点のような情報を得ることができず、即断して購入し、結果としてソフトオタクになっていたのだった。パソコン通信をやっていたなら、そういう情報を入手し闇雲に買うことはなかったろう。なるほど因果は繋がっている。とはいえ私は今もパソコン通信をやらなかった自分が好きである。インターネットで関わった厭な思いがすべてパソ通時代の猛者から発しているのだから自然にそうなる。

 ここに書いた「体験版のおもしろさ」「我慢することの意義」等はすべて高速通信のお蔭で実現しているとあらためて確認した。かなめはそっちにある。そういえばDTMソフトも体験版Downloadをやっている。デジタル音源の体験版Downloadだ。これだと300メガ、500メガもあるから手を出さなかった。今度光通信にしたのでやってみよう。
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