2002~2003


02/4
私のパソコン



 今の私の仕事環境。つい先日、液晶ディスプレイを机の上に置いていたらどうも首が凝る。それで以前使っていたCRT埋め込み式ラックをまねて、写真のように位置を低くし見下ろす形式にした。効果覿面。改善の努力はすべきだね。
 この液晶の台になっているのは自作一号のケース。かの有名な「ソンチアTQ700Limited」。まあなんの役にも立たないよりはまし。道具は使われてこそだ。今でも「どこかで手に入らないか」と書く人がいるぐらいの名器(ケースにも名器があるらしい)だから、そのうちまた自作機で復活するかもしれない。とはいえ、ミドル、マイクロ、フルタワーと作って来た私は、CPUもセレロン、PenⅢ、AthlonMPのDualCpuと経験したので自作願望はもうおなかいっぱい。いったい自作四号はどんなものになるのだろう。今のところ予定なし。

 両脇にスピーカー。これ、液晶の隣にでもぶらさげたほうがいいか。小物オタクなのでスピーカーも十種類ぐらいもっているが、これはあの大嫌いな大外れPC、富士通FMVの附属品。数万円出して買ったものもあるのになぜか無料のこれが気に入っている。よかったねFMV。魂は死なず。あ、キイボードもまだ大切にしているぞ。

 キイボードは先日購入以来のお気に入り。溺愛しているIBMのSpaceSaver。
 左下端に見えている黒い影はCAMEDIAのデジカメ。UltrsZoom700。
 64メガフラッシュパスも写っている。失くさないよう頭に鈴を附けてます。
 ティーカップに入っているのはダージリンの茶。もうミルクで淹れるチャイには飽きたのでストレート。コースターは雲南で買ってきた藍染め。
 ひっくりかえっている赤いのは、やる気が出るというので買ってきたトルマリンのリンゴ(笑)。う~む、効果があったのかどうかは怪しい。赤は人を昂奮させ、やる気にさせるというのだが、どうも不確か。
 ペン立てにはいろんなものが入っている。私のオタク的なものの最初は、文房具かもしれない。とにかくシャープペン、ボールペン、蛍光ペン(これが世に出たのはあたらしい。私が学生の頃にはまだなかった)と、好きだわなあ、我ながら。

 ま、見て欲しかったのは、それらもろもろではなく、黒地に白字の画面の液晶(これ、目が疲れないので長文を書く物書きの基本ですね)と、縦書きの文章。エディターは『QXエディター』。最高です。そういえば、「心からの感謝を込めて」という、自分が世話になっているこういうソフトウェアに感謝する「イープン日記」の一文も早く書かないとなあ。

 あ、それから小物オタクだからして(机は小物じゃない?)、こういうパソコン机もずいぶんと買った。そうか、私にとっての「小物」とは値段なんだね。二万円程度で買えるものを私は小物と呼んでいるらしい。
 この机はわりと有名な品なので、「店で見たことあるぞ」と思う人もいるだろう。飽きっぽい私がもう三年も使っているから、これはホンモノの優れもの。もしもこれがあれやこれやで薄汚くなっても、もういちど同じものを買いたいとまで思っている。ほんとだねえ、書いていてあらためて思ったが、何事にも飽きやすく、これといって不満がなくても、なんかあたらしいものが欲しくなってしまう私が、まったく不満を感じることなく三年も使っている(いやいやこれからもまだまだ使うぞ)机ってのはすばらしい。実は座り机でまったく同じものが隣にある。椅子に座ったり、座椅子に座ったり、移動しつつ書いているが、それですばらしい文章が書けると言うものでもないらしい(笑)。
 と、そんなことを書くつもりの項目ではないので、急いで本題。(ここまで02/4)
03/5/7
OS再インストール
(03/5/7)


 明け方、自作三号が立て続けにフリーズするようになった。再起動してもすぐにまたカタまってしまう。原因はある。はっきりしている。反省したがもう遅い。

 先日再インストールしたばかりだし、夏まではだいじょうぶだろうと高をくくっていた。ダウンロードしてProgram Fileに入れたソフトのコピーをまだとってなかった。ハードディスクをフォーマットし再インストールしたら消えてしまう。私の場合、CディスクにあるProgram Fileを重用していない。気に入ったソフトはAplと名つけたDディスクに入れる。それでもダウンロードしたばかりのときは、あちらもProgram Fileに入れるかと尋いてくるから、そのまま入れてしまう。合格点を出したらDディスクに移す。合格点を出したがまだ移してないものがいくつかあった。あたらしく使い始めた「風」という名のメイルソフトで受信したメイルもCディスクにある。それに未練があり再インストールを思いとどまっていた。
 なんとか直らないかと苦心する。それでも二度ほどWin2kの「修理」を実行したがよくならないので決断した。起動Cディスク30ギガをフォーマットして再インストール。いったい何回目だろう。

 先日からまたUSB接続のフラッシュメモリを認識しなくなって困っていた。やるべき時期だったのかもしれない。
 慣れてない人ならたいへんな作業もここまで回数を重ねると淡々としたもの。午前八時に始まって午後三時に復活。OSの再インストールのみは簡単だが、とにかくソフトウェアがたっぷり入っていて、カスタマイズしてあるので、ドライバーのインストールがややこしい。たとえば『ホームページビルダー』や『一太郎』(は実質使わないからATOK)をアプリケーション専用の30ギガディスクに入れてあり無事であっても、結局はCディスクのOSと関連づけをしなければならないからわずらわしさは同じだ。それなりのカタチになるまで何度再起動したろう。

 それでもこんなことをたびたびやっているのはデータファイルがデータディスクとして別個に30ギガを使っているからで、もしも再インストールでこれが消えてしまうとなったら目の前が真っ暗になってしまうだろう。そんなことをしたことがあったろうか? ない、な。コレに関しては、転ばぬ前に常に杖を用意していた。データさえ無事ならなにが起きようと平気だ。最近じゃもうOS再インストールなんて日常的になってしまった。98のころは毎回腹立っていた。なぜならそれはあっちの責任だからである。2kに関しては自分が悪いので逆恨みすることはない。

 原因は、昨夜、「ソフトウェアCPUクーラー」をダウンロードして入れたからである。レジストリをいじられてしまった。
 OS再インストールで調子がよくなった。しばらくは懲りたのでよけいなソフトウェアは入れない。
03/4/19
パソコンのスピーカー
(03/4/19


 昼。パソコンのスピーカーを替えた。今まで使っていたのはRolandのやつだった。たぶんデスクトップのFMVに附いてきたものだと思う。(FMVにRolandはついてこないか? とすると根本的な勘違いになる。ミュージ君か。)
 最近たいして音楽を聴かないし、聴いても小さな音だからそれでよかった。それがここのところパソコンから常に音楽を流しっぱなしなので、もうすこしいいものに替えようと思ったのだ。替えたものもRolandだが、これは「ミュージ郎」に附いてきたものだから、外見もひとまわり大きく、つないだら、確実に音がよくなった。その気ならもっといい環境にも出来る。ミュージ郎に凝っているころ買ったSONYのかなりいいものがある。でもすこしかさばるし、そこまでする必要はないだろう。今だって目の前のスピーカーは目盛り3ぐらいだ。

 音楽を聴きまくっていて、再生機械に物足りなくなる、という順番が本筋なのだが、ぼくのように、再生ソフトの小物から音楽を聴き、スピーカーを交換する、と、こんな逆のパターンもあっていいだろう。

 いまBeatlesの「Long&WindingRoad」が流れている。適当なBGMとしてもうなんども聴いた曲なのだが、クレジットを見てJorge Bensonなのだと気づいた。いわれてみれば間奏のギターは彼そのものだった。「Love Jazz」とかそんな寄せ集めアルバムを聴いていると、肝腎のこういうことを見逃すからよくない。いわゆる「音楽を知識として蓄積」しようと思ったらこういう聴き方はしないほうがいい。酒場での物知りにはなれない。

 ただもうぼくの場合はそんなところから卒業したというか退学になったというか、気持ちよくなれる音楽ならロックもジャズも、演歌も民謡も、ウグイスの鳴き声も風の音も、みんなもうどうでもいいことなので、こだわる気がない。「こだわる」のが若さだから、これは達観とも言えるし、すでにもうリングを降りたとも採れる。どっちでもいいや(笑)。

 でもこういう十年近く前のスピーカーがいい音を出してくれる(=製品として現役)のを確認すると、またしてもほんの数年でなんの役にも立たなくなってしまう高額なパソコンの無常さを感じる。
03/5/15
OS普及率
(03/5/15)


 パソコンのOS使用率で、やっとXPが98を抜いて普及率ナンバーワンになったとか。アメリカからのニュース。
 XPが35%、98が25%とのことだ。合わせて60%。ぼくとしては残りの40%がどうなっているのか知りたいのだがそれは書いていない。もどかしい。ぼくの大好きなWin2000は、Macは、Linuxは、どういう割合なのだ。

 ぼくは今後も2000を使ってゆく。使ってゆかざるを得ない。能力には完璧に満足しているから「ざるをえない」なんて表現はあたらないが。
 その基本は「XPが1台1OS」だからである。あんな3万円以上するものを4台のパソコンにひとつずつ買う気はない。Win2000ならひとつで済むのである。

 2000も先日パソコンショップで見たらまだ38000円で売っているバリバリの現役である。しかしこの38000円は価値があった。いったい何度再インストールしたろう。すり切れるほどだ。そう、レコードだったらすり切れていた。でも光学だからそれがない。ありがたいことである。

 このニュースを読んだ後、そういうことをやっているだろうと含み笑いしつつ2ちゃんねるのパソコン板を覗いたら、やっぱりやっていた。タイトルにこの「XPが最も普及」をあげ、2000愛好者が「2000最強!」と大暴れ(笑)。当然「出た、2000オタ!」ってXP愛用者からの非難も続出していておもしろい。「Win95ですが、なにか?」なんてのある。「MS-dos3.1です」ってのはギャグだろうなあ。もってるけど。
 ぼくも間違いなく2000オタ! である(笑)。「あと5年は使うぞ」ってのもあった。心強い。ぼくもあと5年は2000で行く。

 XPを導入しないのは2000がいま最も安定しているOSであり、能力的にも問題なく、前記したように自作派にはXPは向いていないからであるが、感覚的にもXPのデザインは好きになれない。なんだろう、原色が強く、あくどい。盗作と言われている。どっからあんなセンスの悪い色合いを盗んだんだ。

 MSの次世代OS発売は2005年だそうな。新OSの開発名はロングホーン。といったらスタン・ハンセンのテキサス・ロングホーンを思い出すが、それはともかく、それまで十分にWin2000でやって行けるだろう。XPのデザインがよくないとはよく指摘されていることである。ロングホーンはもうすこしまともな色合いにしてほしい。でもこの「1台1OS」の流れは止まらないか。どうしよう。そのころにはもう自作を卒業しているかもしれないが。

 Just Systemが「Linux用一太郎、ATOKの発売を決定。開発に着手」とか。そうだ、三年ぐらい先にはその手がある。うまく行けばWin2000からLinuxへ移行できるかもしれない。



 上揚のようなWinOSの写真を挿入しようとMSのホームページへ行ったら、XPと2000はあったが、もう98はなくなっていた。95の無料保証がなくなったのは今年だったか。まだ98はやっているようだがもう消滅は時間の問題だろう。2000もたいせつにされるとは思えない。なによりXPは「1台1OS」なのだから他のOSとは利益率が違う。MSからするとすべてのユーザーがXPになるのが理想に違いない。そう思えば、98もまた古き良き時代の名残なのかと懐かしく思った。(5/18)


 後日知った知識によるとXP、98に続く三番目はだそうでそれが13%ぐらいあるらしい。Meは98の改良だから(改悪という噂もあるが)、98一族でならまだXPより多いことになる。このニュースに関し、「今まで98がいちばんだったことにおどろいた」という感想を見かけた。私も同意見である。とはいえXPはいかにもMSのがめつい商売根性丸出しだから、思ったより普及が遅れたのは当然だろう。私にとってはユーザーリソースの限界が小さく、固まってばかりいた大嫌いな98だが、世の中には、98にこれといった不満もなく、うまくつきあえている人も大勢いるわけだ。それはそれでいいことだ。すなおにうらやましい。私もマルチタスクというのか、いくつものソフトを同時起動して作業する味を覚えなかったら98でよかったのだろう。Ms-dosの時代にはAplはひとつだけ起動するものだった。
 2000オタとしては、どれぐらいのシェアか知りたいのだが、MacやLinuxよりも下であるらしい。まあ98とXPのつなぎみたいになってしまったから当然だろう。オタとしては、シェアがちいさいのはけっこううれしいことなのだ(笑)。(03/5/27)
03/6/6
『作業記録』のLogo
(03/6/ 6)


 この『作業記録』のという画像とか、ここからの文を抜粋したのような画像を、フロッピーディスクをベースにした画像で作り直した。
 今までのこの種のものはみな「ノート」や「本」の画像を基本にしていた。のようなのが代表になる。日記だとか雑記帳のイメージでそうしていたのだろう。しかし考えてみたら紙にはもう長年書いていないのだから、これはおかしいとなる。厳密にはフロッピーディスクですら日常に使用している記録メディアではない。かといって正しくハードディスクやフラッシュメモリの画像にしたら、こんどは絵面からなんのことか意味が通じない。それも問題だ。あいだをとってフロッピーディスクにしてみた。人からみたらどうでもいいことだろうが、こんなことの充実にちいさなしあわせを感じる。そういう性格。なんか満ち足りた気分(笑)。

(6/7)
 ついでだから今、あたらしくメモのマークを作った。
 なかなかかわいいでしょ(笑)。前記、『作業記録』やその他の書き物に関するデザインをフロッピーディスクで統一したと書いたがこれはまた以前と同じ感覚の鉛筆の画像。さすがにネタとして思いついたことや忘れてはならないメモは、紙のメモ帳や壁に下げたマーカーで書くボード(これ、一般になんていうの、通名を知らない)に書いているから、これぐらいはまだ現実的だ。
 下書きのマークも以前のからに作り直したんですけど、気づいてくれました?
03/8/4

CPU温度 ピ~ンチ!
(03/8/4)
 

 夕方メイルチェックのためにDualCpuマシンの電源をいれる。
 しかしこれやめたほうがいいな。ほんとに「近所のたばこ屋にキャデラック」だ。電気代ももったいないし、立ち上がりに時間もかかる。メイルチェックはスタンバイ状態で待機しているThinkPadでするようにしよう。

 電源をいれて立ち上がったせつな、ピーコーピーコーと警告音。まだなにもしていないのにCPUが限界温度なのだ。自動シャットダウンされる前になんとかこの状態を記録しようとprintscreenしたのが左の絵。
 CPU2が68度まで行っている。70度でシャットダウンだ。初体験の異様さは「ケース温度36度」こんなことは今までなかった。それだけこの部屋が暑いのだ。30度を超しているからそりゃケース内はもっと暑い。
 このプリントスクリーンを撮ったのを確認して電源を切る。さてどうしよう。困ったことになった。なんとかこれを使える状態で夏を乗り切らないと。







 これは5月に撮ったもの。CPU2は65度にもなっていて同じようなもんじゃないかと言われそうだが内実はぜんぜん違う。Chassis(ケース内温度)が29度であるように、ケースは密閉した状態で、CPUクーラーファンも回転数を下げている。冷却装置5割稼働の状態なのだ。その気になればCPU2も50度台まで下げられるが、ファンの回転数を落とし静穏状態(それでも普通のモノよりずっとうるさいが)にしているのでこうなのである。餘裕がある。いわばスーツを着た状態。

 一方、上の状態は、真夏用にケースの側板を取り去り、むき出し状態にして、さらには据え置き型扇風機(また名前をわすれてしまった。角扇だっけ)を隣接させて外気を送り込むという荒技まで駆使した冷却装置120%稼働状態なのである。いわばパンツ一丁。それで警告音が鳴ってしまったのだから切羽詰まっている。もう脱ぐものがない。それほど今、この部屋は暑い。一瞬、今夏はもうこのDualCpuは使えないのかと目の前が暗くなった。

 電源を落とし、コード類を引っこ抜いて本体を引っ張り出す。横にしてチェック。フルタワーだからでかい。キャスターで引っ張っているときは軽いが、横にして持ち上げたりすると、いかにバカでかくて重いか痛感する。
 まず、ファンコンに接続していたクーラーファン二個をマザーボードから直に接続し直す。これからは常に全速回転だからファンコン使用の意味はない。
 切ってあった12センチ背面ファンに電源を繋ぐ。最後の強化。また一段とうるさくなる。これ以上の強化は出来ない。これでまた警告音が鳴り69度になってしまうなら、もう今夏のこのパソコンはクーラーを効かせた深夜ぐらいしか利用できないことになる。

 コード類を繋ぎ直す。設置している本体周りに空間を作った。これは効果があるはずだ。壁際に押しつけていたから、いくら空気を排出してもそれがこもるような状態になっていた。さてどうなることやらと電源をいれる。


これが今の状況。この程度を維持してくれればなんとか安定して使えそうなのだが、いまクーラーをいれている。25度設定だ。室温が低い。勝負(?)は、明日の昼間、室温が30度を超えているとき、クーラーなしで稼働できるかだ。
 もしも不可能だったら、膝の上に冷却装置としてアイスノンを乗せ、その上にThinkPadを乗せた夏定番での形態となる。そうなる可能性は高い。なによりこのDualCpuは500Wだからして、クーラーとの併用は電力節約のためにもやめるべきだろう。冬なら暖房も兼ねるからいいが(笑)。

 ぼくは実用主義だ。ガソリンを巻き散らかして走るような大型車にひとりで乗るのは無駄と思っている。シンガポールのそれをやったら罰金だなんて制度がよくわかる。なのにこのパソコンに関してだけその矛盾から逃げられない。

 NECの水冷パソコンが話題になっている。「電源ははいっているのだろうか?」と不安になるぐらい靜だそうな。欲しい機種である。いま、轟音の中で仕事をしている。もうラジカセからの音楽なんて相当にヴォリュームをあげないと聞こえないぐらいだ。といってあげすぎると階下からの呼び声が聞こえないから困る。
 Pen4 2.4Gぐらいのその市販パソコンを買って満足できるなら、そろそろそっちに落ち着くべきなのかもしれない。それとも、所ジョージが故障ばかりする60年代のイタリア車を愛するように、ぼくはこれからもこの無意味な自作の魔力から逃げられないのだろうか。
03/8/12
BIOSアップデート
(03/8/12)

 BIOSアップデートに挑んだ。フロッピの起動ディスクを作り、最新Biosをネットからダウンロードし、そこから起動する。
 無事成功したから今は気楽に書けるが、何度やってもこわいものだ。肝が冷える。なにしろへたをするとうんともすんとも言わなくなる。いまのところ目立った変化は二つ。
 いつものこのCPU温度監視ソフトの真ん中の段が、それまでは空白だったのにファン回転数が入り稼働を始めた。

 以前はこんなふうに真ん中の段は空欄だった。マザーボードはMSIのDualCpu用。このPC AlertもMSIのソフトだから、連携はいいのだろう。左端の赤数字は後部排気用に使っている12センチファンの回転数だろう。本来8センチのものを大型に替え、そのぶん回転数が落ちたから赤字警告になっていると思われる。

 もうひとつの変化は、いま何事か起きたのかとおどろいたのだが、タスクトレイに常駐させている時計が狂ったこと。12月の午前0時になっている。これはすぐに愛用しているフリーソフト「桜時計」で修正した。どういうことなのだろう。Biosを書き換えると時計もリセットされるんだっけ? 記憶にない。

 昨年3月発売のマザーボードだった。そのときのBiosがVer.1.0。その後、1.1,1.3,1.5と改良されてきて今年の5月に1.82が出ていた。組み立ててから一年以上経っている。そろそろやらねばと前々から思っていたのだが、パソコンの故障ではさんざん苦労してきたから、「まともに動いているパソコンには触るな」と我慢していた。実害がないならBiosなんて頻繁に書き換えるものでもない。あたらしいハードウェアに対応していないとか、そんな問題が起きない限り。

 それと、Windows2000はフロッピの起動ディスクを作る能力がない。あるにはあるが一種の裏技のようになり、とても面倒なのだ。MS-dosの命令文を書きつつ自分で作らねばならない。フロッピ起動ディスク制作能力は、98やMeにはある。これはMS-dosを内部にもっているのだから当然だ。初めてMS-dosと縁を切った2000では自信を持って(?)なくした。ところがBiosのアップに、ないと不便だといわれてXPでは復活した。よってそれがないのは2000だけになる。作るのに手間がかかる。その面倒さもためらっていた理由になる。
 とはいえ簡単にフロッピが作れたなら、安易にアップに挑戦し、失敗して動かなくなっていたかもしれない。今回、面倒な起動ディスクを作り、それこそ清水の舞台からの気持ちで実行した。成功したからいいようなものの何度やってもBiosはこわい。といいつつ、DualCpuで成功したからThinkPadもしなくちゃなどと考え始めているオタク系の自分がいる。自重しないと。Biosなんてのは不具合があってからアップデートしても充分なのだ。無事動いているのだからよけいなことはしないようにしよう。でもThinkPadも2年以上前のBiosであり、あたらしいのが出ているのも知っている。いやいやどんなものが出ていようと何一つ不具合がないのだからする必要はないのだ。そういえば自作2号のA-Openのマザーボードも……。いやいやでもでも……。



 ひとつ確かなのは、AthlonMPによるDualCpuは、OpteronとAthlon64の登場により、これで終りになる。CPU AthlonXPとMPは消えて行く運命にある。このK7D-Masterというマザーボードも生産終了となっている。昨年3月の新発売新製品なのに、今はもう生産終了である。なんともこの辺がパソコンはむなしい。秋葉原のTsukumoで、新発売の最強マザーボードをわくわくしつつ買ったことをつい昨日のことのように覚えているのだが。

 ということは、このパソコンに関するBiosUpは、今回が最初で最後になるわけだ。そう考えればあながち無謀でもあるまい。いい思い出になった。もうこんなこわい思いはしなくてもいいのかと思うととりあえずほっとする。今後はこのまま、後一年ぐらいは現役で活躍してもらおう。ぼくの使用するパソコンとしては能力的に後三年ぐらいは持つだろうが、来年あたり、これと同じ能力で電力消費量三分の一ぐらいのが組めそうだ。ガソリンばらまき大型車はもういいや。静かな高性能小型車がほしい。8センチファンが、吸気に一個、排気に二個、12センチファンが排気に一個、6センチファンがCPUに二個。3センチファンがヴィデオカードに一個、ハードディスククーラーに二個、うるさくてたまらん。工場の中で作業しているようだ。

 MSIのホームページが、フロッピーディスクを「フロッピディスク」と音引きを消して表示しているのに気づいた。何カ所もあるから誤植ではない。極力音引きを廃したいのだが獨自の使用法を乱発する度胸もない。まだまだ「フロッピディスク」は奇異に映るはずだ。それでもこういうふうにメイカが率先してくれるとやる気になれる。これからはフロッピと書く。いまここを読んでいる人は今後ぼくがそう書いても気にならないだろうが、ここを見過ごして後日初めて接したなら、「なんだろ、このフロッピってのは」と思うだろう。むずかしい。でもやるようにしよう。とにかく今のカタカナ日本語は音引きが多すぎる。
03/8/17
ウイルス感染初体験(03/8/17)

 どうにもDualCpuパソコンの調子が悪い。しかしそれは以前のものとは違い、なんかヘンなのである。インターネットの接続からしておかしい。接続設定が消えてしまっていたりする。今まで普通に繋げていたサイトがいきなり「Brocked」になってしまったりする。写真用ソフトから写真をコピーして『ホームページビルダー』に貼りつけようとすると、右クリックに「貼りつけ」が出ていなかったりする。なんかあちこちが異常なのだ。もしかしてウイスル感染か!? 

 それで、なんとかまだ正常に動いている動いているThinkPadからネットに繋ぎ、最新ウイルスの話を読んだ。「ブラスターワーム」というWindows2000とXPを狙ったものらしい。被害と駆除方法をMSのホームページで学ぶ。タスクトレイを起動して、プロセスのところにmsblast.exeというのがあったらやられているらしい。さいわいにもThinkPadはなかった。
 調子の悪いDualCpuを起動する。見た。見事にあった。ウイルス感染初体験である。刻々と動いている。気味の悪いものだ。いったいいつ忍び込んだのか……。正に獅子身中の虫である。こうして動きつつパソコンを狂わせて行く。

 まずはMSの指示により、ネットと切り、これを削除する。次に接続し、修正ファイルをダウンロードする。これを解凍実行して再起動。
 これでとりあえずパソコン内で動いているその「虫」は駆除した。
 次は感染しているファイルの発見と修正である。それは各ウイルス駆除メイカに頼ってくれとMSは言っている。私はノートンもマキャフィももっているからいいけれど、持っていない人はここでこのソフトの購入が強制されることになる。今の時代、それをもっていなければだめということか。
 ノートンからダウンロード。実行すると全ファイルをチェックする。チェックにかなりの時間がかかる。いくつかがやられていた。

 なによりおどろいたのは、このウイルスの発生が8月11日だったという事。私は13日ぐらいにはもう感染していたことになる。きょうはまだ16日だ。そして、以前のあやうくウイルス感染しそうになったような、怪しいメイルを開いたりはしていない。どこかのサイトにつないだ瞬間、感染したらしい。しかし感染するようなところへは繋いでいないのだ。いったいこの「虫」はどこから侵入してくるのか。
2ちゃんねるよりコピー
WindowsNT Server と2000とXPとMicrosoft Windows Server 2003に感染するワームが大増殖中。
症状:勝手に再起動する 、LANがやたら重く、ホームページが見れない(タイムアウトする) など。
◆無防備なままネットに繋ぐと即感染します。

対策:マイクロソフト社の イラスト入り対策ページで防御駆除する。

Blaster ワームへの対策 - Windows XP 編
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/virus/blasterE_xp.asp

Blaster ワームへの対策 - Windows 2000/Windows NT 4.0 編
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/virus/blasterE_nt4w2k.asp

 しかもノートンが頻繁に自動アップデートしつつ稼働していた。「無防備なままネットに繋ぐと即感染します」と言われても……。
 ここ数日、このDualCpuから私がやったのは、自分のファイルを書くこと(これは長時間やっているが接続していないのだから関係ない)と、メイルチェック(こんなのは数分)、ファイルアップの合間に覗いたのは、いつものスポーツ紙、サンケイ、ヨミウリ、2ちゃんねるの「マスコミ」「議員選挙」「PC-ソフトウェア」だけである。あと、「あのねスーパーリンク」からMさんのサイトに行って挨拶した。あとは、え~と、あ、佐竹さんの「チェンマイ通信に」にも一回行っているか。それだけだ。一日一時間もつないでいない。メイルチェックしかしなかったThinkPadは感染していなかったのだから、それらの接続の中で感染したのは間違いない。目新しいことではあたらしく掲示板を作っているが、あれは関係ないだろう……。

 被害が軽かったし、早めに気づいたし、初体験で学んだこともあるし、これはこれで勉強になったととることにしよう。
 それにしてもこわい世界である。

 いろいろ書きたいことがあったのだが、初感染のショックでいますこしばかりへこんでいる。ここだけアップしてきょうはお休みしよう。

 みなさんも気をつけてください。感染していると確実にパソコンがおかしくなります。Ctrl+Alt+Delでタスクトレイを起動し、そこのプロセス欄にmsblast.exeってのが動いていたら感染しています。チェックしてみてください。

 また、今回の発見から駆除への流れも、2ちゃんねるの「PC-ニュース板」が役立ってくれた。定期的に何カ所かから送られてくるメイルの「PCニュース」よりも、2ちゃんねるのほうが「パソコンがこんなふうに具合が悪いのだが」との書き込みにダイレクトに返事が書き込まれて行くから、ずっと親切で解りやすい。私の場合は、

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| _    システムはシャットダウンされます。進行中の作業をすべ  |
| |×|   て保存し、ログオフしてください。保存されていない情報    |
|  ̄    は失われます。シャットダウンは、NT             |
|      AUTHORITY \SYSTEM によって開始されました     |
|                                         |
|          シャットダウンまで : 00:00:59                  |
|                                           |
|    -メッセージ-------------------------------------     |
|    | Remote Procedure Call (
RPC) サービスが異状終  |    |
|    |  了したため Windows を再起動する必要がありま   |    |
|    | す.                               |    |
|    |                                  |    |
|     ----------------------------------------------     |
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 という相談の、「PRC」が同じ状況だったので気づくことが出来た。上手に利用すると便利な場所である。
03/10/6

CPUクーラー換装史
(03/10/6)



 朝も早からパソコンいじり。
 左はいまいちばん人気のある温度計りソフト、SpeedFan。以前のPC-Allertは、×××に連日攻撃目標とされるので削除した。×××ってのはパソコンに詳しいようにも思えないけど、こういう攻撃に関してはすごい執念を見せる。おそろしいものである。
 PC-Allertで懲りて以来、常駐させているソフトウェアのことは書かないようにしたけど、またここでSpeedFanと書いてしまった。これを通じてアタックされたら×××がここを読んでいるってことだから、パスワード制源の仕組みをまた変えねばならない。難儀なことである。

 今回のいじくりまわしで、さんざん苦労してなにか変ったかというと、べつになにも変っていない。それどころかCPUを壊して能力が落ちたことは前述した。
 現在の情況は左のよう。CPUクーラーはファンの回転を変えられるので4500回転にすればもうすこし温度は下がる。しかこれ、とんでもなくうるさい。かつて聞いたことかないってほどうるさい。今の2500回転でもFireBirdの6500回転と大差ない。つまり、やらなきゃよかったって結論になる。でもやってみたいのがこういう病的な趣味ってもんだ。



 さかのぼって行けば、これがCPUを買ったときに附いてきた
lリテールクーラー。すこしばかりうるさいとつぎに換装したのがこれ。
ネジ止め式。それからマニアのあいだで話題になっていた韓国のZalman
に換えて、一時はこんな2個のCPUクーラーが不揃いなチグハグな環境
になっていた。それからやっとこのFireBird

を2個取りつけて安定した生活を送ってきたのだった。



途中FireBird専用のファンを外しこんな12㎝ファン一個で代用するという静音化にも取り組んだりした。あまり効果もなかったが。

 フルタワーケースもずいぶんといじくりまわしたものだ。
 そうしてとうとうこんな形

でリニューアルした。
 水色に見えるこの真ん中の緑のCPUクーラーをつけようと思ったために今回の問題は起きた。これだけ苦労してなんの効果もありゃしない。なんてこったい。
 ところでこの横からの写真、乱雑で汚いけど自作パソコンの内部なんてこんなもの。几帳面なぼくの性格が出て、スパイラルを使ったり、ラウンドケーブルをまとめたり、CPUクーラー周辺にすこしでも空間を作ろうとガムテープを使って配線を収束したり、興味のない人からみたら乱雑かもしれないけど、一般的にはかなりスッキリしていると言える。それは自信がある。いろいろ見てるからね。

 今回でお役ご免になったでっかいフルタワー

は今後どうなるのだろう。Athlon64で新たにDualCpuを組むときにまた出番があるかな。ちいさいものの無理な活用はきついが、デカいものはいつでも使える。また出番はあるだろう。

 CPU換装の結論として「最初のリテールクーラー(CPUを買ったときついてくる附属品)でよかった」になる。
 これだけ金と時間を掛けて換装しまくったが、結果的に騒音レベルも冷え具合もほとんど変わらない。音も冷え具合もリテールクーラーで充分だった。なんの問題もなかった。なんじゃらほいの結論だ。
 だけどそれはこれだけのことをやるだけやって得たものだ。いじくるのが好きな性分だから、リテールクーラーを乗せたまま何もせず、ではいられなかった。そもそもそれで平気な性分なら自作なんてことはしないだろう。メイカのできあがり製品で満足のはずである。
 それでもやはり、やるだけやった見返りの満足は欲しかった。「さすがに金と時間をかけただけあってひと味違う。この静音と冷え具合はリテールクーラーじゃ体感できないものな」と満足してみたかった。やるだけやって「リテールクーラーで充分」の結論はちとさびしい。しあわせは身近にあるという「青い鳥」みたいな結末になった。世の中こんなものか。ふん。

 さてきょうの作業は、ケースFan2個の交換。
 安物ケースだから安物のFanがついている。だいたいがこの安物パターンは、風力はあるがうるさいというもう。それを別売のブランド製品による「風力があって静かなFan」に換える。しかしまあどんなジャンルでもブランドってのはあるもので、CPUクーラーはもちろん、6㎝だとか8㎝のちいさな回転扇であるFanにさえもしっかりとそれはあるのだった。値段でいうと、8㎝ファンの安物は千円で三個、一個300円。ブランドものは一個で2980円。そんな感じ。だいぶ詳しくなった。ボールベアリングがどうのこうのというどこがどう違うかはオタク的に体感学習するしかない。高いものはたしかにいい。

 今回のは安物Fanには珍しい「静かだが風力もない」というパターンだった。見えにくい所にある吸気ファンは、最初、安物ケースの附属品にしては静かなのでえらいと思った。しかし手をかざしてもなにも感じない。風が吹いてこないのだ。止まっているのかと針金をつっこんでみるとカラカラと反応する。回っているのだ。なのに微風すらない。あまりの風力のなさが信じられず、もしかしてつけられている場所があまりに悪い(=通風のしようがない)のかとさえ思ってしまった。
 買い溜めてある静音ファンに換えるとすぐに解決。静かで風力もある。涼しいほどの風。問題なし。ついていたのがあまりに非力なファンだったのだ。不思議である。なんなんだろう、これ。実用にならんぞ。

 感心したこともある。安物の附属電源なのに静音なのだ。400wあり、三年前に買った値の高い250w製品よりずっと静かだ。DualCpuのフルタワーに使っていたのは、組み立ての時にそれ用に用意した450wの静音を謳ったメイカ製品だった。去年の春に買った。今回の「電源附きミドルタワーケース」より、電源だけでもそれ以上の値段がした。このケース附属の電源は、それと同じぐらい静かなのである。
 しばらく使ってみないとわからないから断言はできないけど、ここにもこの業界のあまりに速い時代の流れを感じる。つまり、昨年春の高級品を、今じゃ安物普及品が凌駕しているのだ。凌駕はおおげさか。肩を並べているのだ。いわば、新技術、新製品、高価、が、あっというまに普遍技術、普及品、廉価になっているのである。これは日進月歩の世界のありがたさであろう。

 その他のきょうの作業。Videoカードをファンレスにして、横から風を当てる8センチファンをつけた。4㎝高速ファンはうるさい。取っ払った。写真にはつける前だったので8㎝ファンは写っていない。
 これで吸気が2個、排気が2個、電源に1個、CPUクーラーが2個、MBに小さいのが1個、Fanは合計9個か。あと、ハードディスク用に5インチベイに取りつけたファン(8㎝2個)があるがこれは夏まで必要ないだろう。これから寒くなるから、吸気と排気を1個ずつ停止してすこしでも静音化を図りたい。

 なんとかこのまま安定して年を越したい。って、よけいなことをしなけりゃだいじょうぶだろうけど。しません。しません。誓って。

 あ、附記。今回初めてFDDをつけなかった。先日買ったUSB接続FDDがあるからいいと思ったのだ。長年FDDを最も重要なリムーヴァブルディスクとして認識してきたから、なんか隔世の感慨がある。実態は文章ファイルのコピーもフラッシュメディアでやっていて、フロッピーなんて、先日のBIOSアップデートのとき以外、使ったことがなかったのだけれど。古くからのPC利用者としてこんな感慨もあるということか。これからは市販品のデスクトップも続々とついてこなくなるだろう。
03/10/12

やっと安定
(03/10/12)

 いじくりまわしは終ったわけではなく、あれからもずっと続いていた。なにがひどいといって「CPU1の温度」が65度から70度を行ったり来たりするのに冷や冷やする。一節には90度まではもつなんて話があるが70度になれば炎のマークが現れて注意を促す。75度になったらとても平静ではいられない。なによりBios設定画面の警告温度が50度から始まり5度刻みで70度までだ。それ以上はない。警告最高温度が70度なのだからこれは意識すべき温度だろう。高温であるほど寿命(ぼくのじゃなくて機械の)が縮まる。かといっていじることによってよけいな面倒を引き起こしさんざん苦労してきたから触りたくもない。なにもしない状態で65度、すこし作業するとすぐに73度になってしまう。シャットダウンするわけでもなく、いざとなったらシャットダウンするだろうし、それが続くことでCPUがひとつ逝ってしまうとしても、今はこのまま流れに身を任せることにしようと何度も思った。

 それでもやはり改造熱止みがたく、昔懐かしい(といっても二年ほど)ZALMANの扇形ヒートシンクを取り出してきたり、一度お蔵入りしていたステイ附きの12㎝ファンをもちだしてきたりと、手持ちの材料で工夫を凝らしていた。

 先日のまっくらけになりうんともすんとも言わなくなったパソコンを前に茫然と四日間喪に服していた経験はいい意味での度胸となり、またそうなったら自作二号にもどればいい、改造ごときでビクビクしていられるかいってな感じで、以前だったらおっかなびっくり、それこそ腫れ物に触るようにして分解していた部分も、びびることなくバラバラにしてゆく。きっと医者なんてのもこんな感じで度胸をつけて行くのだろう。

 そうして、結局は元の木阿弥で「青い鳥の結末」なのだが、FIREBIRDを回転させ、ZALMANのヒートシンクに、さらに12㎝ファンで吹きつける二重効果で、このような安定を得た。これだけの数字があれば、今年の夏も、側板を開けて扇風機で風を送り続けるなんて愚かなことをしなくてもすんだ。興味のない人はなんのこっちゃと思われるだろうが、ぼくからするとこれはやっとたどり着いた奇蹟的な数字になる。一般的にも、AthlonのDualCpuパソコンのCPU1を40度にしたらけっこう自慢できるだろう。CPU2はZA.LMANのヒートシンクに12㎝ファンで送風しているだけだ。静音用に回転数を落としているから、これも回転数をマックスにすれば40度ぐらいになる。二つのCPUをこの温度で安定させるのは、去年の四月からきょうまでかかってやっと達成できたことなのだ。
 きょうは雨模様で室内は25度あり、湿度計も65%を指している。ここ数日ではいちばん暑かった。これから寒くなり乾いて行けば、もっと下がり、安定するだろう。それがどんなにうれしいことか。まあいくら書いても興味のない人は退屈なだけだろうからこの辺にして。

 おそろしく初歩的なことで書くのも恥ずかしいが、ヒートシンクの取りつけ具合で温度はかなり変るのだとあらためて学んだ。8㎝ファン2500回転のCOOLERMASTERのCPUクーラーで65度だった。これではやっていられないと元のFIREBIRDにもどした。(だったらこの新しいCPUクーラー2個の出費はなんだったんだと頭が痛くなるが。)これは6500回転。うるさいが冷える。なのにCPU1の温度がいきなり99度と表示された。たいへんだ、焼け死んでしまうと急いで電源を切る。向きが逆だったらしい。これだと接触があまくなる。またバラす。高級グリスを塗って向きを変え、慎重に取りつける。そしたらいきなり40度になったのである。信じられない。夢を見ているのかと思った。まさかこんな形で夢見ていた数字が達成されるとは……。

 あとはもう涼しくなる一方だから間違いなくこれで安定である。餘裕があるときにCPUをMP2800に換えるのを楽しみにしよう。それも今までなら「CPU換装で壊してしまったらどうしよう。よけいなことはしないほうがいいか」とびびったが、いまはまったく平気。なんだか今回のドタバタでずいぶんと図太くなった気がする。必要以上の臆病よりはいいことだが、一歩間違うとがさつになってしまい、そのことでまた大失敗しそうだから自戒しよう。
 こんなに低くなるなら、記念に二度と見ることのない77度をPRINTSCREENしておけばよかった。これからはもう出会わない数字だ。
 深夜にまたまたいじることになる。CPU温度が安定し、いい気持ちでいたら、なんとハードディスク0が50度になってしまったのだ。パソコンのこの種の数え方はおもしろい。二進法だから0から始まる。ぼくのパソコンにはハードディスクが3個入っているが、その番号は1,2,3ではない。0,1,2なのだ。
 そのHD0が50度を超えていた。こんなことはなかった。触ってみると、かつてなかったほど熱い。5インチラックの上を小物入れ、下をCD-RomPlayerで塞いでいたから空気流通がわるかったのだろう。この温度はハードディスク危険区域である。
 それでまたパソコンを分解し(こればっかし)ハードディスク3個を可能な限り距離を置くように配置した。フルタワーなのでそれが出来る。いちばん使用頻度の高いHD0の下に5インチラック取りつけ型8㎝ファン2個のクーラーを設置した(こんな小物はいくらでもある)。
 すると写真のように一気に31度に下がり、39度だった他のハードディスクも周囲に空間が出来エアフローがよくなったからか8度ほど下がった。苦労の甲斐があるとしみじみとうれしい。興味のない人はわらうだろうが(わらいさえしないか)これはもうぼくにとって、苦労の果てにたどり着いた桃源郷みたいな数字なのである。ああ、なんど見ても気持ちがいい。うっとりする。つい昨日まで上の部分、Temp3(CPU2)が70度を前後して炎マークがついていたとは信じられないほど。
 しあわせをかみしめる。バカ丸出し。
03/10/14

ベンチマークテスト
(03/10/14)

 ベンチマークテストをやってみた。何年ぶりだろう。
 パソコンはオタクオヤジと呼ばれてもしょうがないぐらい好きだけど、かといってこういうことが好きなわけではない。WINDOWSが普及し、こんなソフトの存在を初めて知った頃に一、二度やったことがあるだけだ。すぐに倦きた。以後やっていない。これはクルマなら改造車でゼロヨンを競うとかその種の感覚のものであって、日常で60キロ、高速で100キロで走ってくれればよいという軽自動車愛好の私がこんなのに凝るはずもない。

 パソコンだって『ホームページビルダー』と『デジカメの達人』を同時起動し、MP3プレイヤで音楽を聴きながらスイスイとホームページ作業が出来るならそれだけでいい。安い非力のマシンでそれが出来るなら充分なのである。なのに出来ないから、それをするためにDualCpuになってしまった。非(?)は、とんでもなく重くなってしまう『ホームページビルダー』側にある。
 私はパソコンという道具が大好きだから文房具に凝るように周辺機器をいじったりしている。それは200円の水性ボールペンでなにがいちばん自分好みかと凝っている文房具オタクと同質のものであり、最強とか最速を求める凝りかたではない。もしも安くて非力のマシンでも充分な作業が出来るなら、凝り性は凝り性であるから、美しいケースとか、静音とか、そっちのほうに行くだろう。ばかでかいケースに500Wの電源をつけてCPUふたつを使っていることにはしゃいではいない。それどころか実用主義者だから無駄な電気代を心配しているぐらいだ。こういう方面のオタクは、それすらも自慢にするのだから(=クルマオタクが燃費の悪さを嘆きつつ自慢する。派手な女を囲っている男が金遣いが荒くてと困りつつ目尻を下げる)私とは方向がまったく違う。すべてはPenⅢ500Mhzではスタックしてしまうほど重くなるソフトが悪い。

 なのになぜひさしぶりにこんなことをやったかというと興味のある参考数字が附いてきたからだった。ベンチマークテストのソフトウェアはパソコン雑誌の附録である。これは初めてこういうことをやったWindows98の頃から知っている最も定番な有名ソフトになる。マニアなら絵を見ただけでソフト名が言えるだろう。
 そこに「編集部参考マシンの結果」が附いていた。CPUはPen4の3.2GHz、HT。現在最速のCPUである。値段の方も8万円する最高価格だ。
 ずっとこなれた値段のPen4-2.4GHz(これだといきなり25000円になる)を使ってキューブケースの自作をしようと思っているので、まだ触れたことのないPen4のそれがどの程度のものか知りたかったのである。最速の3.2GHzと今愛用しているDualCpuマシンの速さを比較すればだいたいが読める。



 結果は上記の通り。上が編集部のPen4マシン。下が私のDualCpuマシン。4つの内の3分野で話にならないほど劣り(もちろん私が)総合結果でも大きく離された。総合数字から判断すると私のパソコンは最速マシンの68%の速さになる。七割か。まあ妥当なところだ。
 ここから推測すると、今の私のパソコンは、編集部と同じメモリ、Videoカード、ハードディスクという条件で作り上げたPen4-2.4GHzぐらいであろうか。とするなら、キューブケースで組むつもりの2.4GHzの自作4号は今のDualCpuマシンと同じぐらいの能力を発揮してくれることになる。たぶんDualCpuであるぶん、こちらのほうがいくつかの面で力があると思うが。あらたに作るものが何の役にも立たない非力なマシンでないことは確実だ。

 唯一CPU部門(上から2番目の欄)ではまだ大きく引き離している。94595対135382。2個あるのだから当然とも言えるが、CPUの速さでは最速のものよりもかなり速いと確認できた。10万桁いっちゃうんだからやはりすごいわ。
 その他は、Videoカード(上から4番目)がダブルスコア以上離されているが、これも編集部のものと私のものでは値段もダブルスコア以上だからたいしたことではない。同じものを使えば追いつけることになる。
 同じく倍近く離されたいちばん下の欄のハードディスクも、買い換えれば同じ数字になる。しかしこの数字にはおどろいた。編集部のは最新のIBM60GBで私のは2年半ぐらい前に買ったIBM30GBだった。ハードディスクでこんなに差が出るのだろうか。ここの部分のみ、近いうちに最新型の160GBを買う予定なので換装したら再計測してみたい。

 いちばんのショックは三段目のメモリの数字だった。なにこれ、Readの数字なんて6倍もある。編集部マシンも私のも共に容量は512MBである。私のはDualCpuを組むときには強く推奨されるRegisterdのDDRメモリでAthlon用では最高級品になる。Registerdってだけで(保証されてるって意味なんだろうけど)倍の値段がして往生したものだ。なのにこの数字だ。Pen4用のDual Channelメモリとはこんなに速いのであろうか。Dualだから数字の倍あると理論は知っているがこんなとんでもない差になってしまった。ここの部分は埋めようがない。追いつけない。いやAthlon用にももっと速いメモリが出てているのかな? 

 ともあれ、3DゲームなんてのはやらないからVideoの描画能力はどうでもいいが、ハードディスクの反応が遅いのは自分でも気になっていた。次の改造はハードディスク換装か。今持っているいちばん大きいのが80GBだから、100GBを超える大型HDを買うのは楽しみだ。160Gが1万円チョットで買えるのだから信じられないほど安い。
 しかしあれだな、こんなベンチマークテストなんてのをやってしまうと、キューブ型の自作より、そっちの予算でVideoCardやメモリを買い換えてこの最速マシンを追い抜いてやりたくなる。なにしろエンジンそのものは上回っているのだから。その気になれば……。いかんいかんそれじゃゼロヨンオタクじゃないか。






 滅多にすることじゃないので、ついでに自作二号とThinkPadもやってみた。同じソフトウェアによるベンチマークテストだから比べやすい。上が自作二号、下がノートパソコンのThinkPad。
 これによると総合能力で自作二号はDualCpuの42%の能力だ。物足りないはずである。ThinkPadはさらにその半分になっている。これはしかたない。小さなノートだもの。やっぱりいらだつのは気のせいじゃなかったか。あたりまえだけど。
 これら3台に関してぼくの最も大きな不満は自作二号の遅さにある。ThinkPadのCPUモバイルPenⅢ500Mhz、メモリ192MBに対してCPUPenⅢ1GB、メモリ1028MB積んでいるのだから明らかに差がなければおかしい。ここでも総合能力で倍の数字になっている。なのに体感的にThinkPadより速いとは思えないのだ。
 ここでの数字では、下の写真の一番下、ThinkPad2.5インチのHDがとんでもなく遅いのがわかる。回転も4200だし。編集部最速マシンのなんと十分の一のスピードだ。
 先日7200回転の60GBってのが出ていた。新発売。デスクトップ用3.5インチと同じ回転数だ。こっちのほうは1万回以上ってのも出始めたが。
 速くなった分、うるさいだろうな。そのうち換装しよう。
 ThinkPadはお気に入りで、それこそ昇天するまで使いたいと思っているが、なによりメモリがこれでマックスなのが辛い。文章書きには充分だしハードディスクを換装してまだまだつきあうつもりだけれど。


(10月16日)
 リムーバブル・ディスク用にクオンタムの30GbにもWin2kを入れてある。現在のIBM30Gbのハードディスクは、どうもゴリゴリと音がして調子も悪そうなのでこれに入れ替え、もういちど計測してみた。するとハードディスクの数値がいっきによくなり、先日の数値は編集部催促マシンの68%の能力だったが一気に78%の能力と10%も数字が伸びた。
 このクオンタムの数字がよいというよりも、これが普通で、ちょっとIBMが悪すぎるのだろう。ゴリゴリという音といい、寿命なのだろうか。

12/1
 フリーウェア5000

 先日購入したまま使用していなかった本、「フリーウェア5000」を開いてみる。CD2枚つきで880円。安い。

 以前こういうのを秋葉原の専門店まで出かけ、5000円、8000円を払って買っていたころを思うと、田舎の近くの本屋で手に入れられること、この値段、まるで夢のようだ。以前のものは苦労して手に入れても内容はたいしたことはなく、使うのは「心から感謝を込めて」に書いたように、「キイボードのCTRLとCapsLockの配置を逆にするフリーソフトAltIMEひとつだけ」だったりした。それでもキーの位置が自分好みに変るのはお金には換算できないよろこびだったから、高いと思ったことはない。思うのは今、こういう便利な時代になってからだ。
 当時もそれはパソコンに電話線を繋ぐのをかたくなに拒んでいたからであって、パソ通をやっていれば諸先輩に教えてもらい、そのソフトを簡単にDownloadできていた。今は『窓の杜』や『Vector』につないでそれをやっている。

 たまにWindows Updateで何時間か繋ぎっぱなしにせねばならないときは(×××からのアタックがあるのでびくびくしながら繋いでいる)、なにか気に入るあたらしいフリーソフトはないかと『窓の杜』や『Vector』をそぞろ歩くことを楽しみにしている。凝り性だから「パソコンを便利にするフリーソフトの使用者」としては中級以上だろう。

 というかこういうことに関しては、「異様に凝っているごく一部の連中」と「まったくなにもしようとしない大勢の人」と、極端な二分割になるように思う。つまり上級と下級しかなく中級はいないのではないか。下級なんて分類されると不愉快だろうけどまあこれは言葉の綾だ。たとえばインターネット閲覧用のブラウザひとつをとっても、好きな人は様々なタイプの最新型をこうでもないああでもないとDownloadしては試行錯誤していて、それでもいまだに満足できる地点に到達していないのに対し、一方では買ったPCについてきたインターネットエクスプローラやネットスケイプをデフォルトで使っていてなんの不満もないという大勢の人がいるように思う。これは性格の差か。

 かくいうぼくは「ああでもないこうでもない」のほうに属するのだけど、考えてみるとIEで充分な程度にしかインターネットには接していない。それでもたまにインターネットカフェに出かけたとき、IEしかないとなんでタブブラウザがないのだといらつくから困ったものだ。使い心地は、タブブラウザの快適さが都会のマンションの全室暖房だとするとIEは田舎の石油ストーヴのようなものだから、できるだけ便利なものを排除して質素な田舎暮らしを志すぼくとしては、IEを使用するのがふさわしいと……。いやいや考えただけでうんざりする。あんなものは使いたくない。冗談でも書きたくない。相変わらずの遅い通信速度で、べつにあちこちのサイトを覗いて歩くわけでもないのに、ブラウザは常に最高に評判のよいものの最新版をもっているという、そのアンバランスがぼくの本質でもある。

 ところでインターネットで無料でDownload出来るのになぜこんな本をと思う人がいるかも知れない。それは、こたつに寝転がってこういうのに自分の欲しいものがないかと読む(というか眺める)のは、ネットとはまたべつの楽しみだからだ。5000ものフリーソフトを一気に見ることなど出来ない。1ジャンルで300もチェックすれば疲れてしまう。数日後、また時間が出来たときなにげなく手に取ったりする。それを何十回何百回と倦きることなく繰り返す。結局5000の中からインストールするものがなにひとつなかったとしても、それだけで減価償却したも同然だ。これはもう値段以上の十二分な価値を持っている。写真集(?)と同じようなものだ。

 一見こういう本の発売は、ネットでの検索が苦手でフリーソフトに詳しくない人のためのようであるが、じつはこれを買っているのは、「もしかして見のがしているスグレモノがあるのでは!?」と、ネットでも検索しているぼくのような便利フリーソフト大好き人間のように思う。
 きょう作ったカットは、この本で見つけたパソコンの図柄に文字を附けた。ノートPCの絵で作ったではなく、タワー型ケースの絵で作りたかった。どなたかが提供してくれた(あまりに大勢いて礼を言い切れない)アイコン集の中から選んでこんなのを作ると、『ホームページビルダー』附属の素材集から作るよりもみょうにうれしい。きっとネットに無縁の人ではなく、こういうぼくみたいなヤツがこの本を買っているのだろう。
03/12/4


冬の楽しみ
 明け方に起きてコンピュータに火を入れる。へんな言いかただが間違ってもいまい。電源ONだ。
 室内はそうでもないが、トイレに行くと息が白かった。かなり冷え込んでいる。
 パソコンはこんな温度。
 Temp1とはSystemの温度。ケース内の温度でそれが14℃。気温と同じだ。HD1と2はハードディスクの温度。Temp2と3はCPUの温度。しばらく使っているとケース内は28℃ぐらいに、ハードディスクも35℃前後に、CPUも50℃になるのだけど、さんざんこれらの熱暴走に悩んできたので、立ち上がり時のこの冷え具合がたまらない。
 今週の『週刊アスキー』の後藤某のコラム(なんか夫婦で交代で書いているようでよくわからん)では、「これからのパソコンのテーマは、いかにCPUの熱を再利用するかだ」と書き、それで料理するとかいくつかの例を挙げ、「もちろん冗談ですけど」と結んでいた。本誌特集のベアボーンキットの中には、「CPUの熱を利用してなんとか」ってのがあった。なんだろう、あれ。まさかコーヒーを沸かすんじゃないだろう。CPUの発熱は今後も新CPUの消費電力が大きくなるので増大する傾向にある。今はIntelよりAMDが発熱する。私はそれを2個も使っている。冷え込んだ夜には電源附近の暖かさがなんともほのぼのとしていい(笑)。たき火を囲んでいる気分。これもストーヴを焚くまでの楽しみ。全室暖房になったらおしまいになる。

●富士通FMVの思い出
 それで思うのだが、これって「不完全の楽しみ」だ。これらの問題が解決され、夏でも冬でも発熱せず、いつも静かなパソコンになってしまったら、自作派はつまらないのだ、きっと。
 2ちゃんねるのPC板──自作PCのコーナでは、「静音ファンはなにがいいか」「静音電源は」「CPUクーラは」「おまえのCPU温度は何度だ、高いか低いか」と好き者(笑)が集まっては日ごと夜ごと騒いでいる。無音で冷却のいいパソコンが出来たら、これらの楽しみ(?)がすべてなくなってしまうのである。
 そんなことからの連想で昨夜ぼんやりと富士通FMVのことを考えていた。ぼくはその前にも長年パソコン体験があるがそんな問題は皆無だった。これらはぼくにとって「富士通のFMVとWin95」から始まった。

 ぼくにとって最初のデスクトップWindowsマシンFMV(ノートではその前にWin3.1をDynabookで経験していた)が届いて最初に思ったのは「うるさい」だった。新CPU-Pentiumは発熱量が増して初めてそこでCPUクーラーが登場したのだ。それまでの386、486にはなかった。いつもファンが回転しているというのは、初めての身にはずいぶんとうるさいものだった。おまけにWindows時代になって宿敵のNECに追いつき追い越せと意気込んでいた富士通は、安物部品で作り上げた廉価パソコンにソフトウェアてんこ盛りサーヴィスをしたのはいいが、富士通製ではなくほとんどが台湾Acer製と言われるそのパソコンは、意あまって力足りずの典型で、あまりに出来が悪かった。ファンも粗悪なものだったのだろう。内蔵ハードディスクのゴリゴリガリガリというノイズ(あれこそまさにノイズだ)は今思い出しても不愉快になる。交換の際に確認するとWesternDegitalというメイカだった。あれ以来20個はハードディスクを買っているがこのメイカだけはゼッタイに買わない。自作に詳しくなってからショップの店員と親しく話すようになると、中にはこの音が好きな人もいるそうだから、人それぞれである。

 デフォルトで6ギガだったハードディスクを20ギガのものに換える。これメイカはどこだっけ。Seagateか。メモリはデフォルトで16メガ。安定して動作するには32メガは必要との記事を読み32メガにする。最後はマックスの96メガにした。ゲタを履かせてCPUをAMDのK6にした。Athlonユーザとして大好きなAMDというメイカを知ったのはこのときが初めてだった。これらの改装だけで10数万円かかっている。なにもかもが高かった。もったいないことをした。これが改造熱の始まりだったか。
 そうしてまた、今でこそ不満ばかりでくだらん尽力をしたと思うが、メモリを96にしたときは、なんかモンスターマシンを作り上げたような気分だったし(笑)、ゲタを履かせてCPU交換をしたときは、高度な電子工作を成し遂げた達成感があった。女で言うならぼくにとってFMVは悪女なのだが、男と女のことを教えてくれたのは間違いなくあのパソコンだった。あいつのおかげでヘンタイになってしまったと言えなくもないが。

 今は物置にある。FDDとかCD-ROMとかバラせば使える部品もあるのだろうがそのまま放ってある。苦労ばかりした好きなパソコンじゃないから触りたくないのだろう。大好きなものだったら、なにかひとつでも活かしたいと思うはずだ。
 すこし悔しいのはメモリだ。高かったから使い回ししたい。でもなんの役にも立たない。1ギガ(1000メガ)が1.2万円で買える時代に規格の合わない64メガなどどうしようもない。CPUよりもメモリに隔世の感がする。ほんとむかしは1メガ1万円だったのだ。FMVのころはずっと安くなっていたろうが、それでもかなりのものだった。

 笑い話。
 先日、兄が会社からパソコンをもらったと意気揚々とひとそろい持ってきて離れに設置した。父もなにも知らないから、なんかすごいものが来たと喜んでいる。それがぼくが八、九年前に買い、五年前に捨てたFMVとまったく同じ型。よくもまあ同じものが(笑)。横置きのデスクトップってのも今時なつかしい。
 パソコンのことなどまったく知らない兄は、会社がお払い箱にしたゴミ(そりゃもうゴミだろうよ、あんな古いパソコン)をもらってきて鼻高々なのだ。たしかに見た目は汚れていないし、知識がなければ何十万円もする高級品に思えるだろう。実際には今、捨てるのに3000円かかるタチのわるい粗大ゴミだ。会社からすると無知がゴミをもっていってくれて助かったことになる。同じ事をしたオヤジ社員が何人もいたのだろう。離れに隣接している物置には、もう五年前から同じ型のパソコンが捨てられているとは自慢げな兄に気の毒でさすがに言えなかった。

補記・別項で今まとめている原稿に、「親がぼくのことをまったく認めていなくて悔しい」という内容の笑い話がある。詳しくはそこに書くが、およそこの世でぼくのことを父母ほど軽んじている人はいない。まさに断絶である。なぜそうなかったかをいま書いている。
 パソコンのこともそれに通じる。二階にどんなすごいものがあるかを、ぼくがそれらのことにいかに詳しいかを、父母はまったく知らないので、無知な兄が会社からもらってきたゴミをみんなであがめ奉っている。ぼくのDualCpuパソコンと兄がもらってきたFMVではどれぐらい性能差があるだろう。うさぎとカメどころじゃない。仕事をこなす量、速さ、ダンプカーと自転車以上だ。それを父母や兄には言えないし、言っても通じないのが歯がゆい。

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