Winamp話
07/6/10
自由度のすばらしさ

 ということで──「iTunesへの不満」──ずいぶんと前から知っていたソフトなのだが、なぜか使いづらくて敬遠していたWinampを、iTunesに不満を持ったことから愛好することになった。使いこなせてくるとなんとも便利で細かな点に気配りされていていとしい。モノの好き嫌いにはこんな形の逆転もあるんだなと不思議な気持ちである。

 私がWinampを知ったのは1999年ごろだ。間違いないかと調べてみたら1997年に開発されたらしいから多分あっているだろう。フリー版が出たのが99年だというから間違いない。本格的に使いはじめたのはWin2kになってから。95や98のせこいユーザーリソースから開放され、真のマルチタスクが出来るようになってからである。その多機能ぶりと細かなVersion Up、外観をスキンで変えられることにはおどろいたが、なぜか私には使いづらく、日本語化して使っていたが(無料で日本語化ツールを発表してくださるかたにはいつも感謝している)愛用とまでは行かなかった。それはその多機能ぶりを私が使いこなせなかったからだろう。

 パソコンでの音楽再生は手放せないものであり、BGMあってこそのPC作業だったから、その間もずっと音楽再生ソフトは使っていた。
 当時はe-jayやMediaJukeboxを愛用していた。自分のファイルを探しだして確認した。

 e-JayとMedia Jukebox

 これらを愛用していたのが2003年。そして2005年2月に友人のmomoさんにCDを送ってもらい初めて「Windows用iTunes」を初体験する。当時の私の電話線では、これをDownloadするのには一晩かかるので、無料配付しているCDをmomoさんが入手して送ってくれたのだった。
 Windows版iTunesの歴史を調べてみた。2003年10月に発表されたらしい。当初はMac版でそのすばらしさを喧伝し、Macに転向させるウェポンだったようだが、やがてiPod販売のためにWindows版も無料配付するようになった。これは戦略として大正解だったろう。Windows版iTunesの普及がiPodの大成功を生んだ。iPodはいかにもMacらしい、かっこいい商品だったが、iTunesあっての大成功である。逆に言うと、SONYを初めとするmp3プレイヤーが大敗したのは、iTunesに匹敵する再生ソフトをもたなかったからである。SonicStage等がiTunesに劣っていたのは明白だ。

 iTunesを知って夢中になりしばらくは蜜月時代を送る。初めて使ういかにもMacらしいシャレた感覚が新鮮だった。だがやがてそのいかにもMacらしい押しつけがまさにうんざりし縁切りを考えるようになる。そしてもどってきたのがWinampだった。これはもろに「青い鳥」である。若い愛人に耽溺し、その我が儘さに辟易したとき、思い出したのが古女房の善さだったことになる。

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 細かなVersion Upと、それに対応する日本語化は面倒だった。Versionが違うと日本語化パッチが合わなくなってしまう。3.45が3.46になっただけでもう合わない。日本語化パッチをこまめに造りつづけてくれたかたは本当に御苦労だった。頭が下がる。(Version5になってからやっとデフォルトで日本語対応になった。有名他ソフトのマルチランゲージ対応を考えると、ずいぶん遅かった気がする。)ともあれこれでWinamp導入にいつもつきまとった日本語化とは無縁になったわけである。)
 これが今の標準の形態。ModernModeでColorをCloverに設定している。defaultは濃い青。スッキリしているがちょっと寒々しいので私はこの色にしている。

 これでもけっこう自分好みにサイズをいじっている。iTunesとのいちばんの違いは表示部分がパーツで出来ていることだ。
 それはサイズを変られて便利なのだけれど、iTunesみたいにワンパックでいいと思うこともある。つまりこの一枚の緑の画は何枚かのバーツで出来ている。一番上の部分はdefaultだと半分。私はそれを引き延ばして倍の大きさにしている。それが便利なところ。でも面倒にも思う。


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 これがDownload数1800万を超える人気ナンバーワンスキン。そんなにいいのかな、まだよさがわからない。

 日本語化しているので「検索」等に漢字が見える。長期にわたって世界中で愛用されているソフトなので日本語化パッチが充実しているのも魅力のひとつになる。

 とにかくデザインと色合いは自由度が高く、私のように日によってデザインや色を替えたい気分屋には最適である。

 iTunesはデザインを押しつける。それは色合いからフォント、エッジにいたるまですべてに計算され統一され完成されたMacデザインだからそれでいいのだが、たまにはほんのすこしぐらい色を自分好みに替えてみたいとも思う。

 そのためにMultiPlugInというソフトがあるのだが、これがなかなかiTunesのVersionと一致しない。何度も導入したがiTunesとあわなくて削除するハメになった。それでもたまにうまくいったとき、ほんのすこしデザインを替えただけで新鮮だった。Macのプライドもわかるが、使用者にすこしは遊ばせてもらいたい。

 このプラグインを使用しているときしみじみ思ったのはiTunesはMacのためのソフトだということ。WINDOWS使用者には向いてない。というかMacはあまりWINDOWS使用者のことを考えていない。当然だが。


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 これも人気のスキン。まあこういうのは人気の理由が分かる。オーディオ感覚である。ステレオそのままだ。このコーンスピーカーの部分は震動してリアルである(笑)。それは上の赤いのもそう。音楽にあわせて震動している。芸が細かい。

 こういうその名も「Winamp」というWINDOWS使用者のためのソフトがあるのだから、私もこれを使うべきと感じる。それは上記したようにどうにもiTunesはMacのソフトという気がして、使っていて楽しくないからだ。

 もちろんiPodのことがあるから、これからもiTunesも使っては行くが、ふだん音楽を聴くときのメインはWinampにしようと思い始めた。



 私は情報量が多い方がいいので上のようにして使っているが、左のようにオーディオ機器の部分だけ表示させ使用している人も多いと思われる。これだとまるっきりステレオ機器である。イコライザーを弄ったりしているとたのしい(笑)。




 もちろんスピーカーは分離して置ける。


 いま私のデスクトップ背景は夏用の「モルジブの海」なので、こうすると水の中に機器を入れているようで落ちつかない(笑)。

 むかしからこういうふうに季節や気分に合わせて小物を替えるのが好きだった。音楽も夏と冬じゃ聞くものがまったく違う。ホームページの表紙も定期的にデザインを替えているから続けてゆける。そういう私がMacのデザインを押しつけられるiTunesを卒業しWinampにしようと思ったのは必然だった。

 Macのデザインはすぐれている。おしゃれだ。最高であると思う。初めてiTunesに触れたときのうれしさは今も憶えている。Macのデザインが優れていることはVistaが限りなくMacに近くなったことからも判る。

 だが世の中にはそれがどんなに優れたものであれ、そればかりを何年何十年も使うより、気分に合わせて替えたいと思う人種もいる。私はそれである。iTunesのあのデザインだけを使うより気分で替えられるWinampを選ぶことにした。

 iTunesの項目に書いたが、iTunesもMulti Pluginを導入すればSkin変更が出来ることは知っている。だが残念ながらWindows版iTunes7.1で不具合が発生して問題になっている。なんとかそれを実現したいと、iTunesとMulti Pluginの様々なVersionを入れては消した。うまくゆかなかった。それであらためてiTunesとはMac用のソフトだと理解した。

 ふと気づくと隣にWinampがあり、こちらの望むままSkinも色合いも変更できるのだった。ずいぶんと遠回りをしてしまった。

07/11/20  本格的移行

 と書いたのは6月だから、それからまだ5ヶ月もおろおろしていたことになる。いちばん面倒だったのは、Winampを起動するとバラバラのパーツで左ディスプレイに出てくることだった。毎回それを右ディスプレイに移動し、パーツを自分好みの配置にしてから再生を始める。二面ディスプレイを使っている私の決め事は、目の前の左ディスプレイはテキストエディターや『ホームページビルダー』等、右ディスプレイが辞書、音楽再生ソフトという配置だった。iTunesは下のものが右ディスプレイにさっと現れる。いやじつはかなり重く、また今の私のCPUが非力なので「さっと」というのはウソになるが、ともあれ右ディスプレイに配置され不満がなかった。そんなことから縁切り宣言をしながら未だに併用していた。

 Winampがパーツ組み立てタイプなのは、最小表示をしたい人のための気配りなのだろう。よけいなものは表示させたくない人は多いらしく、foobarのように簡略なものに人気があるのも知っている。

 左が重要パーツ一部のみの表示。PCの片隅にこう表示している人は多いのだろう。これよりももっともっとちいさい、一本の線のような再生ソフトを愛用している人の話を読んだ。なるべくちいさいほうがいいのだ。
 
 でも音楽情報を多く知りたい私は上の緑の画像のように可能な限りの表示をさせている。さらに今はデュアルディスプレイになり右ディスプレイは、そういうソフト専用にしているからちいさくする必要がない。iTunesのように必要な情報を一面で表示してくれるソフトのほうがありがたい。

 ディスプレイの端の方にほんのすこし表示させておくことが好みの人にとっては全情報を見せてしまう(もちろんiTunesもちいさく出来る)iTunesは使いづらいソフトなのかもしれない。

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 今回11月にWinamp Version5.5が出て、iTunesと同じようにひとつのパーツになった。それが下の写真。iTunesと並べてみた。起動させるとこの形で右ディスプレイにさっと出てくれるので、また不満がひとつ減ったことになる。
 最上部にある緑のVersion3.5と見た目は同じだが、緑はいくつかのパーツの組み合わせ、黒い5.5は一枚物である。いまこんなふうになったということは、私のような不満を感じている使用者が多かったということなのだろう。





 この黒と緑は同じようだが全然違っている。緑は組み立てパーツ。黒は一枚物。


 この黒いSkinをBentoと言うらしい。緑はModernである。だから万が一私が部分表示がしたくなったら、Skinを替えるだけで一部の小さい表示も出来る。

 今後も併用して行くけれど、これでまたWinampの便利さを体感できたように思う。












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◎処理スピードの速さ

 Yo-Yo Maのアルバム3枚を入手した。mp3である。それをクラシック音楽だけを集めたフォルダ「Music Classic」に入れる。約2000曲ほど入っている。

 iTunesで「フォルダをライブラリに追加」をする。処理が始まる。その2000曲全部を処理しているようだ。同じく「メディアをライブラリに追加」でWinampに同様の処理を命じる。素早くフォルダの中から新たに追加されたCD3枚を発見し処理する。すぐに終った。Yo-Yo Maの曲を抽出し聞いてみる。iTunesの処理はまだ終らない。この差は大きい。

 時間がかかるのはかまわない。ただiTunesは同じ曲を拾ってしまい「重複曲」にする。かといって全曲をするのではない。一部の曲だ。この辺の基準がわからない。iTunesにもすぐれた点は多いのだが、どうにもこの辺の缺陥にはいらつく。

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 十年目の大変身(11/30)

 今日パソコン雑誌を読んでいたら、「Winampが十年目の大変身をした」と書いてあった。上記、私が書いてきたことである。iTunesのように一枚パネルになったこと、これはWinampが誕生して十年目の大変身なのだとか。私はVersion5.35から5.5へのUPだから、マイナーチェンジだと思っていた。
 まあ能力的、構成的にはマイナーチェンジなのだろうが、コンセプトとしては「iTunes風になった」ということで大変身らしい。

「iTunes風になった」というのも、私は自分がそう感じただけで個人的なものと思っていた。そうではなく、意識した変革だったようだ。他のSongbird等もみな一枚パネルが基本だから、獨自路線のWinampが、世の主流に倣ったということになる。
 そしてWinampの一番優れている点は、望むなら、旧モデルの形態でも使えることだ。この併用できるシステムはすばらしい。だいたいにおいて新型が出ると旧型は使えなくなり、愛用者を嘆かせるものだ。


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