2004

04/1/12


ずらしいことをやっておどろいた──チャット初体験
 上記「ごきげんようで偶然見たアクシデントのおもしろさ」のようなネタは、思いついたときにホワイトボードにメモしておく。でもそのときは最高だと思ったネタもあっという間に新鮮度が薄れてゆくから書かれないものも多い。いやほとんどのものが書かれない。メモだけで終り消されてゆく。
 今回のものは小ネタではあるが、自分がむかしラジオコントで書いたという思いこみと、アンジャッシュの完成されたネタに感激した想いもあって、なんとか褪せない内に書きたいと、すぐにパソコンに向かった。書いてすぐにUPしたくなりメイルチェックの際にUPした。午後二時にこんなことをしたのは初めてだ。

 するといきなり「MSメッセンジャー」が点滅し、「結城さん、元気ですか、チェンマイの浦野です」と出たので──この辺、こういうことに慣れている人には日常なのだろうが毎度言うようにぼくはネットに関しては初心者なので──「うわあ!」と声を出すぐらいびっくりした(笑)。父の電話をこそ泥のように深夜にのみ使わせてもらっている情況なので、「すみません、夜返事を書きます」とだけ書きこむ。するとすぐにそれが反応され、いわゆる「チャット」が出来たのでおどろいた。「初チャット体験」である。こんなに簡単に出来るものだったのか。

 なるほどなあ、ぼくのような仕事形態をSOHOというのは知っているが、24時間接続でいたなら、いわば「開かれたオフィス」であるから、ひとりで仕事をしていてもひとりではないのだろう。公開しているホームページだったら、次々と知り合いも増えてゆくだろうし。

 チェンマイの浦野さんが「MSメッセンジャー」を設置したのはぼくとのやりとりにおける勘違いが原因だった。パスワードを忘れてしまった浦野さんがもういちど教えてくれと連絡をくれた。それに対するぼくの書いた返事はうまく届かず、どこでどう間違ったか浦野さんには「MSメッセンジャーをDownloadしろ。話はそれからだ」のように伝わったらしい。浦野さんから「それにしてもずいぶんと厳重ですね」と返事をもらったときは?マークがいくつも点灯したものだ。そのことで浦野さんはそれまで無縁だったMSメッセンジャーをDownloadした。
 そういうひょんなことからそれを導入した浦野さんだが、ぼくにチャットしてきたってことは、今じゃきっと「こりゃ便利だ」と「フリーペーパー・ヴィアンチェンマイ」のユーザーとの交流にも最大限に活用しているのだろう。伸びてゆく人というのは、こんなふうにきっかけを活用してゆく。チャンスの前髪を逃さない。

「早い回線で常時接続」に初めて憧れた日となった。記録として書いておこう。
 なお、MSメッセンジャーのホットメイル、kamzokamezoもmonetimesもぼくが繋いでいるときは開いていますので、お時間があったらチャットしてみてください。明け方の1時間ぐらい(笑)。
 しかし24時間接続にするならもっともっとセキュリティを高めないとならない。隠れてホームページをやっているようなのがそんなことを考えてもしょうがないか。
03/1/13

電子メイルの価値、ネットの至便

 午前三時に起き出し、まずは何通かのメイルの返事を書く。
 名古屋のカズヤから恒例の年賀メイルが届く。毎年くれるのに今年は来ないからなにかあったのかと心配し、数日前にこちらから書いた。それへの返事かと思ったのだがどうやらそうではないらしい。ぼくのは着いていなかったようだ。これだから電子ものはこわい。といってアナログ(紙の手紙)のほうが確実というわけでもない。速さの点でも、事故の問い合わせでも、はるかにこちらのほうが便利だろう。
 改善すべきは、「着いたか、着いたらすぐに返事をくれ」「どうした、返事がないけど着いてないのか」と、たとえ嫌われようともしつこく催促するこちらの積極性だ。メイルの不確実性ではない。相変わらず返事がないと、「どうしたのだろう、なにか失礼なことを書いたのだろうか」と案じてやきもきする。しばらくの間をおき、思い切って問い合わせてみると、「ついてますよお。急がしくて返事が書けなくて」なんてのんきな返事が返ってくる。精神衛生上よくないので最近ではあまりそういう人には書かなくなった。簡単なメイルすら書けないほど忙しい人などこの世にいない。返事も書けないほど忙しいなら電子メイルなどやめろ。
 そういうことから、せっかく親しくなったのに最近では疎遠になってしまった人が数人いる。それは仕方のないことだと諦めることにした。ぼくは人とのつきあいに「縁」を大事にする。せっかくできた縁をつなぎ止めようと努力することも大事だが、努力しなくても不思議に切れずに続くものもあれば、懸命に努力しても切れてしまうものもある。それこそが「縁」なのだと割り切るようにした。
 カズヤの年賀メイルは、昨年はチェンマイで受け取り、「サトシにもくれるように言ってくれ」と書き、ひさしぶりにサトシとメイル交換をしたのだった。あれから一年、早いものだ。

 昨日の夜の冷え込みはたいへんなもので、これは間違いなく雪になるなと読んだ。空気がメリメリキシキシ言っている。あれは数少ない雪の予感だった。年に数回しか降らないからこそ感じるものもある。母によると天気予報もそう告げていたとか。
 ところが夜半から降り出した雨により、意外にいまはあたたかい。それでもきょうは60%降雪の可能性がある。妻にとっては生まれて初めてみる雪になる。その意味では降って欲しい。(いや、昨年の三月、クルマで走っているとき、30分ほどだが経験しているか。)

 攻撃を受ける可能性のあるソフトウェアをすべて終了させ、ネットに繋ぐ。今のところこうすればアタックされてもフリーズしないようである。
 日曜から大相撲が始まっている。そのことでぜひとも書こうと思っているテーマがあった。頭の中ではすでに書き始め、データ的な部分がおおまかなのだが「正確なデータに関してはまだ調べていない。私の記憶だけで書いている。細かな部分は後で調べ、修正するつもりだ」と弁明まで用意していた。
 ところが「大相撲記録サイト」に繋ぎ、調べものをしていたら、平成8年初場所で、貴乃花と貴ノ浪の同部屋優勝決定戦の時の十両優勝が力桜(プロレスラに転向後"力皇")で、幕下優勝が旭天鵬だったり、平成9年11月の九州場所でもういちどあった貴乃花と貴ノ浪の優勝決定戦の時、十両優勝がこれまた大好きな若の里だったりするものだから、見るほどにおもしろく、「貴乃花は貴ノ浪と二回、兄の若乃花と一回優勝決定戦があり、三回とも負けてやっているから、実質あと三回優勝が多いことになる」なんて夢想していたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。こういう場合、データがなくてもまず文章を書いてしまったほうがいいようである。とくにぼくのような性格のものは、まず書いてしまうことが肝要のようだ。同時にまたインターネットというのは、果てしなく暇つぶしが出来るものなのだと感じた。こういう形で興味あるものを見て歩き、ヤフーの掲示板とか2ちゃんねるのようなところに書き込んでいたら、あっという間に数時間は過ぎてしまうだろう。時間がいくらあっても足りないほどだ。あらためてこれは老後の楽しみとして今は関わらないほうがいいと確認した。

 というところで、なぜか猛烈に昨年のきょうはなにをしていたんだと知りたくなり、『作業日誌』を調べたら、わからなくなっていた。1月9日にチェンマイから帰国している。最後の「チェンマイ日記」はそこで終っている。妻を迎えに真冬の北京に向かうのは1月27日。そこから「北京日記」が始まっている。その間の18日の空白……。まあたいしたことをしていないのは確かなのだが、せっかくの電子日記が切れているのが悔しい。切れているはずはない。外国にいるときですらつけていた。ファイルの在処が行方不明なのだ。
 あらためて×××をにくむ。ああいうのに絡まれなかったら、昔の形式で『作業日誌』は、電子日記をつけ始めた01年の2月から今に至るまで、ひとつのコーナーですぐに見ることが出来た。ああいうのに絡まれ、あっちこっち移したり、見られないようにしたりしているうちに生じた不具合なのである。 
04/1/26  サイトの利便性 テキスト起こしのエナジー

 昨夜、眠る前のメイルチェックの際、いつも読んでいる「アサヒシンブンを笑いながら叩きつぶす掲示板」にURLが載っていた。大阪のやしきたかじんの番組でタジマヨーコがまたバカ発言をしたという話だ。
 行って見ると、そこでは番組でのやりとりを丁寧に正確に「ヴィデオテープ起こし」しているのだった。以前にもこんな形のものをいくつか見たことはある。ここまで熱心なものを見たのは初めてだった。「TVタックル」のように自分で見たものでも丁寧に再録してあると確認のために役立つが、こういう大阪ローカルの見ることの出来ない番組が臨場感たっぷりに再現されていると、しみじみとインターネットのありがたさを思う。得した気分だ。情報提供してもらえるありがたさに感謝すると共に、いったいどこからこんな力が出てくるのだろうと思った。ぼくにはない。新聞週刊誌の記事をスキャン復元して紹介する気力もないくらいだ。このエナジーは凄すぎる。

 発言そのものは毎度のあのバカ女である。
「問題をこじらしたのは拉致議連と安倍さん。これらが同じ立場に立ったからいけない」
「みんな拉致被害者の家族にこびてるよ、少し。冷静に行かなきゃ」

 あまりに不快で意見を言う気にもなれない。なんでこんなのが生きているのだろう。番組でもこの発言にはさすがに他の出演者も怒ったようだ。
 ヤマタクの性癖問題もテーマに出て、そこではタジマヨーコがヤマタクを庇っている。これは意外だった。理由は「性癖に関して、この人だけが言われる筋合いはない。ここにいる人だってどんなプレイしてるかわからないでしょ」だった。正論である。ただしこの女が正論を言うわけはない。となるとこれは「我が身を庇った」と推測できる。この女の言い分はみなそうだ。すると、ヤマタクみたいなことをタジマもやっているのか。オエっ!

 実際に提供してもらった情報の価値よりも、このエナジーはいったいどこから来ているのかと、そのことに圧倒されたサイトだった。タイトルからして女なのだろう。しかしまあたいへんだろうなあ、こんなことをするのは。でもありがたい。感謝。
 興味のある人はいってみてください。
http://dk-net.to/d/?id=yuuko999#0000629506
04/1/29

ZEROからのメイル──いよいよ転機か!?

 プロバイダZEROからお知らせのメイルが来た。それによるともうすぐ全国の町々に500カ所以上もあるアクセスポイントを全廃止するという。以降は二つの番号を設定し、全国どこからでもそこに掛ける(繋げる)ようになるそうだ。料金は3分8円で設定できたという。この料金がいかなるマジックで実現したのか無知なぼくにはわからない。そういう時代なのだろう。もう住む地域によって身近なアクセスポイントを探す時代は終ったのだ。

 ぼくがZEROを選んだのはホームページ容量が50メガあり、10円3分で繋げる隣町にアクセスポイントがあったからだった。当時この田舎町にアクセスポイントがあったのはNTT系列のOCNとここだけだった。OCNにまず入ったがホームページ容量が10メガであり、増量も出来ず、その時はまだ10メガになっていなかったが、間もなく足りなくなるとわかったので退会した。
 以後今までZEROで何不自由なくやってきた。大好きなプロバイダである。文句があるとしたらいま使用しているCGIが別料金の有料であることぐらいか。それでもこれも、×××という狂人に絡まれたからであり、そんなことがなければ使わなかったし、考えようによっては有料でも使えるからこそ今も契約が継続しているとも言える。使えなかったら、×××が来られないようにするために他のプロバイダを探さねばならなかった。そうしたらみんなにメイルでアドレスを伝えるだけでもたいへんだった。

 今までと同じ料金で全国どこでも二つの番号に統一されるなら、簡易化されて便利だしいいことだらけのようだが、過去の遺物のようなぼくには重大な問題が起きた。「テレホーダイが使えない」のである。これは困った。
 ちょっとセコい計算をしてみる。3分8円は1時間160円。ぼくがいまテレホーダイで払っている金額は1800円。この料金だと、月にすると11時間になる。いま月に何時間インターネットに接続しているか知らないが、この仕組みになると、今までのようにアナログ回線で一晩中かかってソフトウェア試用版をDownloadするなんてのは無理になる。5時間ぐらいかかったりする。でもぼくは、仕事をしつつ、そうしてDownloadするのんびりした作業が嫌いではない。それももう昔話になる。せねばならないようだ。
 ぼくのインターネットは、メイルチェックと、ホームページUPと、スポーツ紙や政治関係のサイトを見て歩くぐらいだから、「1日15分」と限定しても、実際にはそれほどの不便は感じないだろう。その程度の使用でしかない。しかしぼくは、缶ビールを2缶しか飲まなくても、手元に6缶パックがないと不安(?)になるほうである。インターネットを1日15分しかやらないとしても、「テレホーダイだから何時間繋いでおいてもだいじょうぶだ」という安心感は大きい。欲しい。それがなくなる。今の状態が続くのは「今年3月末まで」と確定した。そんなの、おろおろしていたらあっという間だ。

 いよいよADSLだか常時接続だか、そんなことをせねばならない時期になったようだ。世の中はとっくにもうそうなっている。それでも今のぬるま湯インターネットが好きなぼくは、なんとなく、いやいやの巣立ちのようですっきりしない。ぼくのやっているのが時代遅れなのはわかっているが本人的には満足していた。
 いまのところたしかなのは、たとえ常時接続のシステムになろうとも、ぼくはそれをしないということだ。自分のコンピュータが常時世界と繋がっていることは怖いので(まともな人なら快感なのか)、今までのように、必要なときだけ繋ぐ形を取るだろう。「いやいや慣れたらなんてったって常時接続ですよ」は真実だろうが、ぼくには説得力を持たない。なにしろこれだけパソコン好きなのにかたくなにパソ通をやらなかったのだ。今だって決してネット好きではない。その便利さには心から感嘆し感謝しているが。
 3月末までに決断せねばならない。
04/3/20


やっぱりあるウイルスの害


 完全復調したはずのDualCpuパソコンがまたすこしおかしくなった。この命令もしていないのにいきなり再起動してしまうのはウイルスのせいではないかと気づく。たしか昨年夏頃から猛威をふるったMydomeというウイルスに感染するとこうなった。これはWin2kとXPというOS、InternetExplorerの5を狙い撃ちしたものだった。IE5でネットに接続しネットサーフィンしているとそれだけで感染する。
 しかし今回はクリーンインストールし、NortonとMacfeeで徹底的に駆除したはずなのだ。なのにおかしい。どうしたのだろう。

 手持ちのアンチウイルスソフトでは無効のようなのでネットに頼ることにした。そこはたっぷり苦労をしてきているから多少の智慧も働く。MacfeeがStingerという駆除ソフトを無料で提供していることを先日のSvchostで苦労したときに学んでいた。いくつかの最新ウイルス駆除に特化したソフトである。容量も700kほどだから、遅いアナログ回線でもウイルスに再起動をかけられる前になんとかDownloadできそうだ。

 うまくDownloadし、駆除して発見されたウイルスが上の図。すべてメイルからである。
 Gとは、160GBのハードディスクひとつにした後、万が一これが壊れた場合にと、以前からデータ用に使っていたIBMの30GBハードディスクを第二データディスクとして接続したのだ。犯人はその中のメイルに入っていたウイルスだった。
 ウイルスは怖い。古いデータディスクに眠っていたものがむくむくと起き出して悪さをしたのである。これを駆除したらピタリと収まり、最高に快適な環境ができあがった。

 雑誌で読んだところ、Win2k Service Packを最新の4まで納めたCDをMSがサーヴィスで配布しているという。用途は私のように遅い回線で何十メガものUpdateファイルを素早くDownload出来ない人のためだ。これは申し込むことにしよう。今後もこういう再インストールをして、ネットでUpdateしようとしたら、IE5を標的にしたウイルスに必ず感染することになる。OSのWin2kとぼくのもっているService Pack3は、IE5なのだ。IE6,それもService Pack1でセキュリティを強化しない限りこの感染から遁げられない。MSが珍しく無料でCDサーヴィスにまで踏み切ったのも、この辺のことに責任を感じたからではないのか。

 雑誌で見かけたアンチウイルスソフトのCMコピーに、「アンチウイルスソフトを入れたくてパソコンを買ったんじゃない」ってのがあった。秀逸である。今のぼくもそんな気分だ。『週刊アスキー』の売り上げソフトランキングでは、Norton Internet Securityを始めとするソフトが上位に並んでいる。ネットがここまで発達すれば、こうなることは決まっていたのだろう。
4/1

 たまには英語サイトもいい──トロイの木馬=Trojan Horse
 なんとか順調にDownloadは進みつつある。現在午前五時。
 その間、何度も何度もNortonがエラーメッセイジを出してくるので、あまりゆきたくもないがその指定しているサイトに行ってみた。もちろん英語である。わからない単語は読み飛ばしつつ、それでも何のためのサイトであるかがハッキリしているから、知らない単語もどんな意味かは想像がつく。ほぼ問題なく読み進められた。英語がびっしりのサイトをふんふんと鼻歌気分で読み進んでゆくとなんかエラくなった気がする。
 そうして、どこでどうなったのかトラブルの原因はW32klezというウイルスに感染しているからとわかったので、それ専用の駆除ツールをDownloadした。現在それが全ファイルをすさまじい速さでチェック中である。圧巻。

 その進行状況をボケーっと見ていた。こんなことがけっこう好きである。
 大竹しのぶが風呂に水を入れるとき、溜まってゆく様子をじっと見てるのが好きで、お湯がいっぱいになるまでそのまま風呂場にいてしまう、だからもう家事に時間がかかってたいへんと語ったことがある。司会者は苦笑し、会場からはくすくす笑いが漏れた。ゆっくりとしゃべる彼女の茫洋としたキャラが好感を持って茶の間に受け入れられたシーンだった。さんまと新婚のころだ。同じようなことをよくしているぼくは強く共感した。森田健作的に夕日に向かって走ったことはないが美しい夕日に見ほれてたたずんでいることはよくある。しかし後にさんまがそれは彼女一流の計算であり、実際の日常の彼女はかなりの早口で、テキパキと物事を片づける行動型であると暴露していた。だまされたようですこし悔しかった。でも見事な自己演出である。
 同じような話では渡り徹夜(←ATOK変換)が「たき火が趣味です。じっと火を見ているのがいいですね」と言い、「かっこいい、しぶい、さすが」と、さんま等お笑い藝人が持ち上げる話があった。これまた私はたき火が大好きでよくそれをしているのでよくそれを覚えている。でもこれはネタが見え見えだった。そのすこし前に彼が映画で演じた「浮浪雲(はぐれぐも)」(原作ジョージ秋山のマンガ)のパクリである。渡り演じた主人公はたき火を見ているのが好きだった。
 浮浪雲(はぐれぐも)と言えば日の出の勢いのころのビートたけしがテレビドラマで演じた失敗作でもある。あれはどう考えてもミスキャストだった。主人公は長身でハンサム、ひょうひょうとしている。今は町人だが元は武家。剣の達人だ。ハンサムな渡りの当たり役だった。そのあとにたけしを起用した感覚がわからない。たけしの猫背な下町庶民キャラとは真反対のキャラクタだった。

 なんてえことを考えつつ英語のウイルス一覧を漫然と見ていたらTrojan Horseとあった。なるほどねえ、「トロイの木馬」の物語は子供のとき読んで知っているし、その物語と同じようにコンピュータの中に入り込んで最初はじっとしていて、やがて悪さを始める同名の有名なウイルスがあることも知っていた。今の時代、ウイルスの名は知っていても元となった物語を知らない若者も多いだろう。ついでに検索をかけたら山のようにサイトが出てきたがすべてウイルス絡みだった。それはまあパソコンに登録されているインターネットサイトであり、そこで猛威をふるうウイルスなのだから当然であるが。
 英語で何というかと考えたこともなかった。そうか、トロジャンホースか。こういうのも英語サイトに接したり英字新聞を読んだりする人なら常識中の常識だったろう。ところがそうでないとまったく知らない知識になる。勉強になった。またひとつ賢者に近づいた(笑)。

【附記】
 こんな常識的なことに感心している自分をなぜだろうと考えてみたら、それは「トロイの木馬」の「の」にあると気づいた。私はこの言葉を「トロイ製の木馬」「トロイ産の木馬」と解釈していた。よって英語ではWooden horse at {in by} Troy のように言うのだろうと思いこんでいたのだ。しかし言うまでもなくこれは譬喩であり、「トロイ式木馬」「トロイ流木馬」「トロイ人の木馬」の成語である。とするならこの場合の「トロイの」は、Troyの変形である「トロイ人の」「トロイ式の」になり、Trojanのようになると理解できたのだった。トロイ人がトロジャンになるのはパリとパリジャンと同じ変化なのだろう。
 てなことを思いつつ古い辞書を見たらしっかりと赤線が引かれメモしてあった。何十年か前にもまったく同じ事を思ったのだろう。こんなものだ。恥じることはあるまい。すでに内部に潜り込む「スパイ」の意で普及している成語のようだ。日本語だと「草」ってヤツである。
4/1  CGI復活──断り書きの変更

 昨夜、プロバイダzeroにCGIが使えなくなって困っていますと質問した。十中八九ぼくが悪いのだろうが、もしかしてあちらに問題が、とも思い、勇気を出して質問してみたのだ。すぐにきょう返事が届いた。先日のパソコン壊れでCGIに設定したパーミッションが狂ってしまったらしい。これを作って使わせてくれている人のデフォルトにもどってしまい、それはzeroでは受けつけない数字だったようなのだ。そこをいじったら簡単に直った。なにをやっても絶対に受けつけないが、正しいものを入れるとウソのように簡単に直るのもデジタル機器の特徴だ。
 zeroに教えてもらわなかったらぼくの力では無理だった。この辺の応対の早さといい、ぼくはこのプロバイダがとても気に入っている。

 momoさんがISDNから乗り換えたとメイルをくれた。ADSLなのかケーブルなのかわからない。ぼくもそのうちADSLにするが、プロバイダはこのままzeroを使おう。ただし契約をし直してIDを変えようと思っている。今のぼくのIDはwing.zero.zbi7184とかっこわるい。今時もうこんなIDはない。なんでも今はこの無機質な数字ではなく「wing.monetimes.zero」とか使えるようなのだ。そりゃあこっちのほうがいい。
4/3  ダウンロードの不可解
 アンチウイルスソフトやファイアウォールは何社もの製品を入れるとぶつかってしまい、かえって不具合に悩むことになるので一台一種類が基本であるらしい。どこでもそう推奨している。
 ぼくは基本的にPC98時代からのNorton派だが、ソフトウェアは大好きなので、その他のものにもあれこれと手を出す。これにも電気製品やクルマと同じように相性があり、ある人がトラブル続きで最低の製品だというものがある人にとっては故障知らずの最高の製品だったりする。いくらソフトウェア好きとはいえさすがに複数入れるとぶつかる(=他社アンチウイルスソフトをウイルスと認識してしまったりする)ことを経験しているから、最近では(笑)ひとつしか入れないようにはしている。
 どうも最新のNortonだと連続してミスが報告される。あまり相性がよろしくない。McAfeeに切り替えることにした。昨年の版である。これも最新版は相性が悪いのだが昨年版はNortonから切り替えようかと思うぐらい安定して作動してくれた。アンチウイルスのファイルをUpdateすれば古い版でも使える。こういうのはレジストリに使用期間一年と書き込まれるのでOSを再インストールしてそれらを全部白紙にもどすと新たな製品としてもう一年働いてくれるのである。なんかこの辺のズルいテクニックもけっこう覚えた。パソコン故障の怪我の功名として。
 面倒なのは、インストールした昨年の版を最新版にするには多くのファイルをUpdateしなければならないことだ。Updateすべき多くのファイルがすでに入っているのが最新版なのである。いいかえると、最新版とはそれでしかない。ダウンロードは自動でやってくれるから、まともなパソコンなら問題はない。まして速い回線ならあっという間だ。しかしそうでないと難渋することになる。遅い回線で、パソコンが問題を抱えていたなら……。

 ウイルスに侵されているのである。それに効くクスリをダウンロードするのが目的だ。しかしダウンロードが完了する前にウイルスのせいで再起動してしまう。だから「再起動がかかる前にダウンロードを完了できるかどうか」が勝敗の分かれ目になる。それができない。もうすぐ完了というところで再起動になりほぞをかむことになる。だがそうなってしまっても「再起動後、ダウンロードが継続する」なら救いがある。そうではない。今ぼくのMacAfeeは132のあたらしいファイルをダウンロードせねばならない。10メガぐらいあるだろうか。132中の120が済み、もうすぐ完了というところで画面が真っ暗になり再起動がかかる。ため息が出る。祈るような気持ちで再接続して画面を見る。するとまた一からやり直しているのである。121からではないのだ。ダウンロードが終った9メガ、120ファイルはどこにいったのだと言いたくなる。ここがたまらない。なんとかならんのか。同じくウイルスに感染して困っていたとしても、高速ADSLなら再起動前にこの132ファイルを数分でダウンロードしてしまうからなんの不具合も生じないのだろう。それは健常者が自分の体力を基本に階段だらけの街を作っているようなものである。そのことに難儀する体力のない人のことなど考えていない。自分もそういう傾向があるからこういう立場に立つとその反省が生まれる。不幸で開く視野もある。

 ここでセコい不満が出る。電話賃だ。120ファイルダウンロードしてまたゼロにもどったということは、その間の電話賃800円ぐらいがまったくの無駄になったということである。これはけっこうむなしい。くやしい。800円あったらうまいラーメンが食えたやないか、ビールが2本飲めたじゃねーか、と腹立ってくるのである。それが繰り返され、2回なら1600円、3回なら2400円であるから腹立ち具合もエスカレートする。300円のチョコホイップがかかったアイスクリームをじっとみつめつつ100円のチョコモナカでいいと言う殊勝な妻と「昭和枯れすすき」的「一杯のかけそば」生活を送っているのに、クソの役にもたたんダウンロードで2400円も捨ててしまった、悔しい悔しい、腹が立つ、怒りと不快で脳梗塞を起こしそうだ、目の前が真っ暗になった。やばい、ほんとに脳梗塞か。いや画面がブラックアウトしただけだ。よかった。よくない。また800円がむだになった。
 こういう失敗もテレホーダイはもちろん現在多くの人がやっている月額何千円かの決まり事の中でなら気にならないであろう。ところが今のぼくは公衆電話でかけているようなものだから、800円をまるまるドブに捨てるのと同じなのである。固定額の中から何百円分を無駄に使ったとか(こんな考えかたは誰もしないだろうが)今夜は無駄足だったな、なんてのならあきらめもつく。目の前で10円刻みでカウントされた800円がまったくの無駄になるというのは悔しいものなのだ。というところで魔の120ファイル目にさしかかっている。書くのを止めて推移を見守る。

 やったあ! 成功したぞ。We get him. 盛運吉運昇り竜。これでもうだいじょうぶ。121ファイル目からは祈るような気持ちで画面を見つめていた。なんか偉大なことを成し遂げた気持ちだ。しあわせになるのは簡単だな。

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05年2月、このファイルを整理していて「We get him」がわからなかった。どうせ英語で言うならWe get itだろうに、と思ったりする。やっと思い出した。これ、あの地下壕に隠れていたひげだらけのフセインを捕まえたときのアメリカ側のセリフだった。まだ思い出したからいい。こういうことをするときは最初から註をつけておかないと。そのうちわからなくなる(笑)。

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