2011
1/20

 「シー・シェパードの正体」──佐々木正明著

 あのシーシェパードの金儲けの構造を暴いた本。力作であり、こういう形で正面から迫った本は他にないので貴重だ。
 著者は自分のサイトでもこの問題に取り組んでいるので、Amazonのレヴュウでも「サイトにある情報と同じ。もっと本獨自の深味を」との批判もあった。しかし誰もがこのサイトに行きつき読んでいるわけでもないから、新書になったことには価値がある。本はまだまだインターネットとはちがった価値を持っている。

 私はこういうものを冷静に読んで意見を言える感覚がない。途中まででもう腹が立って読めなくなった。それは読む前からわかっていたことだが……。



 で、すこし脱線して。
 バンコク楽宮ホテルの壁にあったという有名な落書き。
「金の北米、女の南米、耐えてアフリカ、歴史のアジア。何もないのがヨーロッパ。問題外のオセアニア」

 オーストラリアやニュージーランドに代表されるオセアニアは日本人旅好きには人気がない。問題外だ。
 一方、一部の日本人には人気がある。語学留学先として。しかしこれも第一志望ではなく英米への留学試験を落ちて選んだ場合が多い。さらにいえば日本のそこそこの大学に合格しているのにそこを選ぶ人はまずいない。だいたいが行く先がなくて選ぶのがオーストラリア等の語学学校だ。二流の地だ。江戸時代の日本の罪人流刑地八丈島がイギリスに於けるオーストラリアだった。まあスケールはデカい。

 有名人のオーストラリア好きは、カリヤテツやキョセンのようなサヨクが多い。

 オーストラリア原住民をどれほど殺戮したことか。
 いまもカンガルーを自分達の都合(牛のための牧草地)で年に300万頭も殺していて、よくぞ調査捕鯨に口を出すものだ。

 とまあ私はむかしからオーストラリアに興味がなかった。
 20年ぐらい前からはハッキリ嫌いだった。嫌いなヤツらが好きなのだから嫌いになる。

 そんな私が12年前、旅雑誌の仕事でオーストラリアに行くことになった。初めての国に行くときはどきどきするものだが何の感慨もわかなかった。そしてそのとおりつまらない国だった。ひとことで言えば「大味」である。まことにつまらない。



 原稿に書きようがないので、上に書いたように楽宮ホテルの落書きを引用して、「オーストラリアというのは好き嫌いが分かれるようである」と書きだした。その後、後援だったオーストラリア観光局の女から編集部に抗議が来たそうだ(笑)。まあ「問題外」と言われたら誰だっていい気はしないが、現実に書かれてあって、旅好きなら誰でも知っているコトバだからしょうがない。私も気に入ったら反省して「大好きになった。最高の地である」と書くつもりで書き始めた。しかしやはり「問題外」だったから確かに文章に熱気はなかった。でもそれは私の責任ではない。私を魅せることの出来なかったつまらない国がわるいのだ。そもそもその女が抗議してきたのも、気にしているのをズバリ言われて腹立ったのだ。

 シーシェパードという悪辣な日本叩き金儲け商売をやっているのがオーストラリアであることに救われる。親日的でこちらも好きな国にやられたらより不快だ。結論はとても簡単。日本という反撃をしてこない外交下手な国を叩くのが目的であり、それを支えているのはそのことに金を出す連中がいるからだ。

 しかし毎度のことながら、それに染まってしまい参加している日本人女がいるのには呆れる。
 日本のバカサヨクほど悪質なモノはない。



 ところで、「鯨を食うのはその国々の文化であり、他国に口を出される覚えはない、おまえらだって……」という視点から語る気はない。
 このシーシェパードは、そういうこと以前の存在だ。単に金になるからやっているだけである。いや金になっても危ないとやらない。日本の捕鯨を叩くのは、金になり、しかも安全なのだ。自分達の命が危険になるようなことはしてこないと高をくくっている。

 私はむしろ国際的大問題になって鯨を食えなくなっても構わないから、こういう連中を、もちろん参加している日本人バカ女ともども、沈没させて殺して欲しいと願う。

 事は鯨ではなく、日本の外交弱腰姿勢の話なのだ。
 あれが日本ではなく中京の捕鯨船ならシーシェパードはすでに皆殺しになっているだろう。



 2月になって調査捕鯨が中止になった。シーシェパードの攻撃により安全が保てないからだという。
 この国はどこまで縮こまって生きて行くのだろう。


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