2009
2/18  R1グランプリ2009、優勝はバカリズム!?





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優勝はバカリズムだった、と私は思う。ダントツで。
 そうならなかったのは審査方法だ。
 M1と同じく、「上位三名による決勝戦」をやったら、そうなっていた。
 図らずも、「M1とは同じにしない」という感覚が裏目に出た。
 中継テレビ局もちがうし、異なるようにするのは企劃として正しいが。

 エハラマサヒロも中山功太もおもしろかったけど、「もういっちょう」があったなら、すんなりバカリズムになっていた。と信ずる。

 中山とバカリズムの点数差は11点。三枝が4点、サブローが4点、江川が7点差をつけている。合計15点。江川が3点差だったら同点だったことになる。でもそうだとエハラの優勝か。いずれにせよ「もういっちょう」があればよかった。他のふたりにバカリズムに対抗できるだけのネタはあったか。バカリズムにはある。



 来年はどうなるのだろう。このままで行くのか。
 私と同じくバカリズムの優勝だろうと憤慨したひとたちも、「もういっちょう」があり、そこでもエハラや中山がバカリズム以上に見事なネタを披露したら納得したはずである。

 そもそもマツモトヒトシが批判しているように、「一発藝の世界」「キャラクター勝負」になっていることがつまらない。一発ではなく二発にすると、世界は変る。脹らむひとと凋むひとが露骨に顕れる。



 昨年私は、初登場の芋洗坂係長が新鮮で、彼の優勝だと思った。そう思ったひとは多かったらしく、あのあと彼はテレビに出まくった。一躍時の人となった。あれは撤回する。その後の彼を見ると、典型的なワンパターン一発藝である。もう倦きた。逆に言うと彼は、あれは生涯一度のチャンスだったことになる。意表を突いた逃げでダービー2着に粘った馬のように。

 今年、それはない。バカリズムの懐は深い。
 かえすがえすも一発勝負の審査形式だったのが残念である。

 それにしても「審査」ってのはイヤらしい形式だ。
 清水ミチコがバカリズムに満点をつけたことに同意して諦めるか。
12/20  M1の日2009 パンクブーブー優勝!

 もりあがりに缺ける年だった。決勝戦出場のメンバーを見ればわかる。
 ハリセンボンの近藤春菜の反射神経のよさは格別だが、かといってあの漫才が決勝まで勝ちぬいてくるものだとは思えない。
 初めて見たとき新鮮だった南海キャンディーズも同じく。今はもうあの漫才になんの魅力も感じない。どういう基準の予選なのやら。
 東京ダイナマイトもマニアックなファンがいるようだが私はダメ。感覚が違う。なんといっても顔が嫌いだ。オフィス北野に所属し、たけしが期待のコメントを出していたころは好意的に見るようにしていた。そもそもこんな解釈がまちがっている。たけしの誉めているものだから好きでもないのに好きになろうとしているのだ。その後事務所も転々とし今は吉本になった。安心して嫌いだと言える。
 モンスターエンジンもよくぞ決勝戦まで来た、どまり。

 勝ち抜け戦だったむかしの天皇賞みたいに笑い飯が勝つのかなあと思う。ここまできたら勝てるだろう。それは自慢なのか恥なのか。
 もろ創価学会のナイツは心情的に応援しがたい。
 期待は好きなパンクブーブーとハライチがどこまでやれるか。まあ善戦どまりであろうが。それと敗者復活が誰になるか。



 トップバッターだったナイツがいい味を出していた。去年よりもいい。ヤホーをやめたのは正解。
 南海キャンディーズ、東京ダイナマイト、ハリセンボンとつまらないのが続いた後、笑い飯が爆笑をとる。これはすばらしかった。優勝は決まった、と思う。

 ハライチのあの入り方はない。クルマに撥ねられて死んでいた小犬を見てペットを飼いたいと思ったという入り。若者はこういうネジリをやりたがる。その感覚はわかる。私も若いときはそんなふうにネジッていた。それをかっこいいと思っていた。でもここでやる必要はない。すなおにかわいい小犬を見て、でよい。
 ハライチはあたらしい形を作りだした。だからこそ今回で一気に高見に行き不動の人気を得なければならなかった。かつての南海キャンディーズや去年のオードリーのように。来年がある、のようなコンビではない。あの入り方には失望した。



 つまらないモンスターエンジンを挟んでパンクブーブー。見事に決めてくれた。よかったなあとほのぼのする。笑い飯、パンクブーブー、ナイツの決勝戦は順当。

 が、敗者復活のノンスタイルがナイツをしのいで3位になる。順序が遅かったらナイツは負けなかったろう。と、ここでは宗教を越えてナイツ贔屓(笑)。ノンスタイルのつまらなさは(石田の人柄は贔屓しているけど)その後売れたのが準優勝のオードリーだったことでも証明されている。巧いけどネタがつまらない。

 シンスケの笑い飯評「決勝戦であのネタ(鳥人)をやれば優勝だった。だが一回戦であれをやらなければ決勝戦には来られなかった。だからしょうがないんだ」は秀逸。8年連続グランプリ出場という記録は今後も絶対に破られまい。とうとう無冠だったが最後に魅せてくれた。今年の主役は最後の出場になる彼らだった。

 パンクブーブー優勝がうれしい。なんで今まで決勝戦に出られなかったのが不思議でならない実力派だった。M1はきちんとそれが評価されるのだとうれしくなった。

 ということから、終ってみればとてもよかった今年のM1(笑)。毎年「今年のメンバーはつまらん」とか思いつつ、終ってみるとそこそこの感動をくれる。去年がオードリー以外つまらなかったから今年はあれと比べたら充分に満足できた、という結論。




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