DualCpuマシン思いつきから完成まで


『作業日誌』より転載
(02/3/18)
 昨日、競馬場に行く前に秋葉原に出かけた。家を出たのが十時だった。
 あれこれ見ているうちにあっというまに昼になる。楽しいねえ、秋葉原は。
 なにをそんなに見ていたかというと、かねてからの夢であるDualCpuマシンを作りたいのである。でも今それをやるべきかどうかで迷っている。必要なパーツを観つつ、逡巡していた。どうしようどうしよう、欲しいな欲しいな、でも買っちゃダメなんだよな、と。オモチャ屋で悩む子供そのものである。

 ぼくのデスクトップは今、PenVの1ギガをオーバークロックして1.15ギガで動かしている。メモリは1024メガ。待望のメモリ1ギガを実現した。CPUに負荷をかけるような重い仕事はしていないからこの程度でいい。それにあまりノートとの能力に差が出すぎると外国でのノート作業がつまらなくなる。
 と思いつつ、それでも、どうにもAMDのアスロンで自作をしたいという気持ちが強い。なにごとにおいてもダントツナンバーワンを追い落とすべき破竹の進撃をするナンバーツー贔屓のぼくは、インテル派ではなくAMD派なのだ。なのに自作マシン二台が共にインテルということには忸怩たる思いがある(←この忸怩は極めて正当な使用法になる)。
 さらには、遂にここに来て前々から願っていたアスロンのDualCpuマシンが可能となった。チップセットが開発され、新型マザーを始め、続々とパーツが出そろい始めているのだ。



 檻の中の熊のごとくT-zoneのパーツ売り場を悩みつつ歩き回ること一時間、とうとうぼくはアスロンDualCpu用のマザーボードとアスロンMPの1.6ギガを二個、6層DDRメモリ512メガを購入していた。締めて12万円。安いものである。ケースその他のパーツははくさるほどあまっているので問題はない。たった12万で夢のアスロンDualCpuマシンが組めるのだと思うとわくわくしてくる。頭の中には『ホームページビルダー』での制作でも、Photoshopでのデジタル写真千枚の表示でも、一瞬にして成し遂げる最速DualCpuマシンを使用している自分の姿が浮かび、しばしうっとりとした。

 安いと思っているのに(事実、数年前を基準にしたら、これは大げさではなく夢のマシンがとんでもなく廉価で出来ることになる)、なぜさんざん迷った末の決断になったかというと、4月にチェンマイの水掛け祭りに行きたいと思っているからだ。パソコンを作るということに関しては少額の12万もチェンマイに行くための資金をウンヌンと考えるとけっこう重要な資金になってくる。だって航空運賃だってタイ航空でたった7万なのだ。ここで12万の買い物をするということは4月のタイ中国旅行に赤信号が点るということである。それで迷っていた。これは「パソコンに関しては金を惜しまない」というぼくの性格を表している。

「きょう稼げばいいじゃん」と思う。
 そう、今から競馬場に行くのである。馬券で12万を稼げばすべて解決である。手元にゃ10万以上あるし、簡単簡単。資金をたった1.2倍にすればいいのである。

……。なのに。
 馬券で8万負けた。つまり、パソコン購入と合わせると20万の出費である。まだこのことを書く元気はない。今年のソンクラーン(水掛け祭り)はかなり遠のいた……。つらいなあ……。



 後々のためにひとことだけ書いておこう。タニノギムレットという馬は最高の好みの馬体だった。光っていた。あれはスターである。母系はスタミナ血統というが、ぼくの見た目は最強のマイラー体型だった。

 今年、アドマイヤドン、アドマイヤマックス、ヤマニンセラフィム、ローマンエンパイアとスター候補生を観てきても何も感じなかった。モンテブライアンにもタイムレスワールドにもなにも感じなかった。内心期待していたボールドブライアンなんてまったくぼくの好みとは合っていなかった。今年の3歳馬で唯一いいなあと感じたのはタイガーカフェだ。あの馬が大仕事をするときは逃さないようにしよう。そうだ、今の内から皐月賞でタニノギムレットとタイガーカフェの馬券を買うことを明記しておこう。
 あと牝馬で最高なのがサーガノヴェルである。これは外国産牝馬だからクラシックには出られないし、あまりの速さにマイルがもつのかどうかも解らない。とにかく久しぶりに惚れこめる馬と出会えた。これはうれしい。成績や勝ちタイムからではない。パドックで観たとき、光り輝いていたのだ。

 今年は久しぶりに、実に久しぶりに皐月賞が観られそうである。ああ、ソンクラン……。



 2009年、ホームページの整理でこのファイルを見つけた。リンクされていず消す予定のファイルだった。我ながらいい相馬眼をしていたのだなと競馬の部分を読みかえして感激した(笑)。
 タニノギムレットは皐月賞で1番人気になりながら3着に敗れた。タイガーカフェは8番人気で2着に来て馬連5万円馬券の片棒を担いだ。勝ったのは15番人気のノーリーズン。
 その後タニノギムレットはNHKマイルカップでも3着になり(私は大損した)、しかしそこからダービーを勝つ。ダービーは奪ったけれど、皐月賞とNHKマイルカップの損を取りもどすまでには行かなかった。固い馬券だったし。そして脚部を傷めそのまま引退。その初年度産駒から牝馬のダービー馬ウオッカか出る。

 ぜんぜん金には結び付いていないが、いい読みはしていたんだなあと感嘆。
 CPUをふたつ使って電気を大量に使いながらDual Cpuの速さに感動してから何年経ったろう、いまひとつのCPUにふたつどころか4つのコアがある時代。まさに日進月歩だ。(09/2/3)



 

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