云南移住計画

 不満は山ほどあるが、というか不満ばかりだが、むりやり探せば満足できることもいくつかあるはずだ。そうでなきゃやっていられない。そっちを考えるようにしよう。楽しいことだけ考えてみた。
   



■衣食住の衣

 これはだいじょうぶ。なにしろ今でも着ているもののほとんどは中国製だ(恥笑)。
 といっても日本で買う中国縫製品と中国本土で買うそれではだいぶ差がある。どれぐらい差があるかというと、私はよく妻に日本から衣服を送ってやるのだが、それらのほとんどは中国製なのである。なのにそれはあちらでは評判になるのだ。デザインもいいし縫製もいい。あかぬけている。町の市場では売っていない。さすがは日本製と周囲の娘たちに褒めそやされ妻は鼻高々だ。実際私が日本の衣料店でよいものだと思って(=中国では見かけない品だと思って)買って送るものだからそれは事実である。そうなる理由は、日本人が指導して作る日本限定輸出品と現地で現地人が作る現地人用の品質の差になる。

 それがなぜ日本製と思われているかというと、タグにあるMade in Chinaを読めるのがいないからで(笑)、それを理解できるようになったとき妻にどう説明するか今から悩んでいる。同じ中国製なのに市場に出回っている物と私が日本から送るものの圧倒的品質の差をどう説明したらいいのか。

 それでも現地中国製品も十年前と比べると段違いによくなってきた。昆明のデパートで買った4000円のジャケット(高級品である)が、新品なのにポケットは抜けているしボタンがとれそうだったのには、ほとほとあきれた。日本的に品物を信じていたのでチェックを怠ったのだ。以来気をつけている。
 最近は市場で買うシャツやズボンも、それなりの品質を保つようになってきた。日々発展しているのである。日本で1500円なんてズボンを見ると、これで輸入してやってゆけるのだろうかと驚くが、中国で同じものが500円で売られているのを見ると、十分に利は出ているのだと納得する。

 中国では値切らねばならない。不慣れな私は妻がやってくれるからいいようなものの、定価と実質的値段の差にあきれる。60元(1000円)のコットンパンツをそのまま買おうとする。安い。が妻が値切る。すると45元ぐらいにはなる。時には30元になる。半額だ。これは旅の資質になるが、私は値切りを楽しいとは思わないので、買い物自体は妻に頼むことになりそうだ。

 ともあれ衣類に関しては文句はない。もともと着道楽ではないし、清潔でありさえすればいい。これに関してはタイランドのタイ族と同じく中国の泰族も異様に洗濯好きであるから十分すぎる。むしろ毎日そんなに洗濯したら生地が痛んでしまうだろうと心配になるほどである。
 安物衣料を清潔に着回すことも好きだが、気に入ったよい品をよれよれになるまで着るのも好きだ。アイルランドで買ったセーターをあちこち穴が空いても手放さなかったら(素材がアルパカだから見た目以上に暖かくて快適なのである)、妻にむかしの好きな女がくれたのではないかとやきもちをやかれてまいった。

 きっとこの安物衣料を日常とする中国での反動で、帰国したときは日本製の高価な品をひとつふたつ購入してゆき、大事に使ったりするようになるだろう。なんか、そんな気がする。それはそれでまたいい。
 いずれにせよ衣食住の衣に不満はない。これは靴等も含んでの意味になる。よかったよかった。



■衣食住の住


 泰族の基本は上のような家であり、高床式だから家の下には、下の写真のように水牛がいる。私は農業をやる気はないので、こういう家にはならないと思うが。
 しかし妻が豚を飼いたいと言っているのであながち冗談ではすまされない可能性もある。私が知った範疇でも、養豚というのはこういう田舎で現金収入を得るためにはいちばん効率的である。残飯で育てた豚が二年ほどの飼育で1頭1000元(16000円)になる。妻は常時20頭ほどを飼育したいと言っている。それで彼女が自立できるなら、それはそれでよいことであるが、豚は臭い。よってどこか離れた場所でやってもらうことになるだろう。
 妻に聞いた話でうんざりしたこと。人間の嫉妬とはどこでも同じようで、そういう成功をする人がいると、必ず豚舎に毒を投げ込むようなのがいるらしいのだ。まあこれは今後の課題だ。私がきちんと稼げば妻が豚を飼うこともあるまい。

 いや、私の稼ぎとは関係なく妻の自立はたいせつだ。とすると、妻には両親と同じ家にすませてそういうことをさせ、それように親の家を普請してやり、私が離れたところに小さな家を建てて住むか。


 
 下は、最近妻の家近くに建築中の、いわばいちばん近代的な家。今後は泰族の家もこういうのが主流になって行くのだろう。私が発注した場合も、大工はこんなものを建てようとするに違いない。

 私が云南の家で気になるのは気密性のなさである。これはタイの家もそうなのだが、みんな密封性に関していいかげんだ。暑いからだろう。逆に言うと、いつも家の中に自然の風が吹き抜けていることになる。
 しかしパソコン類にいちばん悪いのはホコリである。他の部屋はともかく、自分のパソコン部屋だけは気密のしっかりした作りにして、エアコンも備えようと思っている。可能なのかどうかわからない。こだわりたいと思っているだけだ。

 ともあれ住に関しても、基本的には満足できる範疇にある。なにしろ百万円程度で済むことだから、増築でも改築でも私ごときでもなんとかなるのである。



衣食住の食
 これが最大のネックであり別項で詳しく考慮するのだが、これも基本的に食材は保証されている。下の写真は市場の野菜である。果物も豊富だ。多少味には違いがある。トウモロコシやスイカは甘くない。私が子供の時の味だ。
 素材としては問題ない。要は味つけである。これは別項の食の項のテーマとして。



■私の適性
 云南にある物品の有無ではなく、雲南には無なのだが、私が平気なものを考えてみた。





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